2月2日、ヨーロッパのシーズンインレース「チャレンジマヨルカ」が最終日を迎えた。マヨルカ島最大の都市パルマにフィニッシュするトロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマ(UCI1.1)で、マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)が再び集団スプリントを制した。



温暖なマヨルカ島で開催されるシーズンインレースも最終日を迎えた温暖なマヨルカ島で開催されるシーズンインレースも最終日を迎えた (c)CorVos
地中海に浮かぶマヨルカ島で開催されたチャレンジマヨルカの4日目(最終日)。トロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマは、マヨルカ島最大の都市パルマ郊外をスタートし、丘陵地帯を駆け抜けた後にパルマの市街地にフィニッシュする160km。アップダウンが連続し、125km地点には3級にカテゴライズされる山岳が待ち構えているが、その後は下りと平坦のみ。スタートにはスプリンターたちが顔を揃えた。

スタート5km地点から集団を抜け出したのは、ルイス・マス(モビスター、スペイン)、ブライアン・ファンフーテム(ロット・スーダル、オランダ)、アルバロ・クアドロス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)の3名。この日、優勝を狙うボーラ・ハンスグローエとトレック・セガフレード、アルケア・サムシックが牽引する集団はこの逃げを容認し、タイム差を1分半から2分の間でコントロールした。

集団からアタックするブライアン・ファンフーテム(ロット・スーダル、オランダ)集団からアタックするブライアン・ファンフーテム(ロット・スーダル、オランダ) (c)CorVos
レースが動き始めたのは100kmを過ぎ、カテゴライズされていない峠の麓あたりから。イスラエル・スタートアップネイションやフンダシオン・オルベアも集団を牽引し、3名の逃げグループとの差を詰めていく。3級山岳の登り始めでエンリク・マス(モビスター、スペイン)がアタックすると、3名の逃げを吸収。マスのアタックで活性化した集団からは、何名かの選手が飛び出しを成功させる。

徐々に人数が増えていく先頭グループはメイン集団に追いつかれること無く3級山岳を通過。その下りではジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード、ベルギー)、ボーラ・ハンスグローエのジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク)ら、スプリント力のある4名が先行する。

パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)と接戦を繰り広げるマッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)と接戦を繰り広げるマッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
チャレンジマヨルカで2勝目を挙げたマッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)チャレンジマヨルカで2勝目を挙げたマッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
チャレンジマヨルカで2勝目を挙げたマッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)チャレンジマヨルカで2勝目を挙げたマッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
しかしその逃げも15km程度残した地点でメイン集団に捕らえられ、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。残り50mで先頭のパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)の背後からマッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)が飛び出し、そのまま先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。

チャレンジマヨルカ初日にプロ初勝利を飾ったばかりの23歳が、ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)、フアンホセ・ロバト(フンダシオン・オルベア、スペイン)らを抑え、早くも2勝目を掴んだ。「初日の勝利は驚いたけど、今日は最初から勝つつもりでレースに臨んでいた。チームはレースをコントロールし、良い結果を示すことができたと思う。強力なチームだ」とチームメイトに感謝の言葉を送った。
チャレンジマヨルカ2020 トロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマ結果
1位 マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) 3:46:29
2位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 アンドレア・パスクアロン(イタリア、サーカス・ワンティゴベール)
4位 アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
5位 ステファノ・オルダーニ(イタリア、ロット・スーダル)
6位 セドリック・ブーレンス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
7位 フアンホセ・ロバト(スペイン、フンダシオン・オルベア)
8位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
9位 エミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード)
10位 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)
text:Gakuto Fujiwara
photo:Cor.Vos