山岳賞を獲得したロマン・バルデ(フランス)のStockeu69、オリヴァー・ナーセンがシャンゼリゼで駆ったスペシャルオーダーのスチールCORSA。ツールでアージェードゥーゼル・ラモンディアールが駆ったエディ・メルクスを紹介します。



エディ・メルクス Stockeu69、CORSA、Dean FAST?

最終日に用意されたマイヨアポワカラーのStockeu69最終日に用意されたマイヨアポワカラーのStockeu69 photo:Makoto AYANO
バルデの山岳賞獲得を祝うスペシャルカラーバルデの山岳賞獲得を祝うスペシャルカラー photo:Makoto AYANOぎりぎりまでバーテープを巻き、ブラケットを内向きにした特殊なセッティング。このバイクにはブラケットフード下のゴムブロックは使われなかったぎりぎりまでバーテープを巻き、ブラケットを内向きにした特殊なセッティング。このバイクにはブラケットフード下のゴムブロックは使われなかった photo:Makoto AYANO

ルックのKEOペダルもマイヨアポワカラーでコーディネイトルックのKEOペダルもマイヨアポワカラーでコーディネイト photo:Makoto AYANOシャンゼリゼステージのホイールはツール・ド・フランスリミテッドエディションのCOMETE PRO CARBONシャンゼリゼステージのホイールはツール・ド・フランスリミテッドエディションのCOMETE PRO CARBON photo:Makoto AYANO


今期、ファクターからエディ・メルクスに機材を切り替えたアージェードゥーゼル・ラモンディアール。今ツール・ド・フランスではロマン・バルデ(フランス)のマイヨアポワ獲得と一定の成功を収めた。バイクは新たにラインナップへと加わった軽量オールラウンドバイクのStockeu69のみで、TTバイクはラインナップにはないモデル。形状から察するにエディ・メルクスを傘下に収めたリドレーのDean FASTだと思われる。スペアとしてEM525も持ち込まれていたようだが、全体的にディスクブレーキはまだレース投入されていない。

全身水玉ジャージで走るロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)全身水玉ジャージで走るロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANO
シーズンイン当初はカンパニョーロのRECORD EPS(11速)を使用していた同チームだが、ローターのクランクとの兼ね合いにより春先にはシマノR9150系DURA-ACEに戻されたのは知られた話(ただしスペアTTバイクの一台にはRECORDを搭載したバイクが確認できた)。駆動系はローターの2INPOWER(53-39T)、セラミックスピードのオーバーサイズプーリーケージ、そしてKMCのX11SLチェーンと複数ブランドで構成されている。リアカセットは平坦ステージの場合でもULTEGRAの11-30Tで統一されていた。スペアバイクはTTバイクにはULTEGRAのリアディレイラーが取り付けられている場合も。

ロマン・バルデ(フランス)のStockeu69ロマン・バルデ(フランス)のStockeu69 photo:Makoto AYANOブラケット下側にゴムブロックを仕込むバルデの特殊なセッティングブラケット下側にゴムブロックを仕込むバルデの特殊なセッティング photo:Makoto AYANO

サドル中央部分にはバーテープを貼り付けてグリップを稼ぐサドル中央部分にはバーテープを貼り付けてグリップを稼ぐ photo:Makoto AYANOバルデのバイクにはイニシャル「RB」のロゴが加えられるバルデのバイクにはイニシャル「RB」のロゴが加えられる photo:Makoto AYANO

TTバイクはエディメルクスのラインナップにない製品。形状的にリドレーのDean FASTだTTバイクはエディメルクスのラインナップにない製品。形状的にリドレーのDean FASTだ photo:Makoto AYANO
スペアTTバイクの前輪はマヴィックのIO(イオ)スペアTTバイクの前輪はマヴィックのIO(イオ) photo:Makoto AYANOメインバイクにはローターの2INPOWERクランクを使用。TTバイクのアウター歯数は55Tメインバイクにはローターの2INPOWERクランクを使用。TTバイクのアウター歯数は55T photo:Makoto AYANO


ホイールはマヴィックのCOSMIC ULTIMATEもしくはCOMETE PRO CARBONのチューブラー。TTでは前輪に既に廃盤となっているIO(イオ)で、後輪はCOMETE ROAD。選手によってはリムに特別なグラフィックを施したツール・ド・フランス限定ホイールを使用していた。チームタイヤはブレデシュテインだが、実際に使われているのはコンチネンタルのCOMPETITION PRO LTDだ。

バルデはかなり独特なセッティングを施していることが知られている。STIレバーをかなり内側に向け、ブラケットフード下側にはゴムブロックを入れるのはフィッティング向上のため。サドル(フィジークのARIONE)にも先端部分中央にバーテープを貼り付けている。最終日にはマイヨアポワ獲得を祝うスペシャルカラーのStockeu69(フード下のゴムブロックはなし)が渡され注目を集めていた。

オリヴァー・ナーセン(ベルギー)のCORSA。ツールのステージをスチールバイクが走ったのは何十年ぶりだろうかオリヴァー・ナーセン(ベルギー)のCORSA。ツールのステージをスチールバイクが走ったのは何十年ぶりだろうか photo:Makoto AYANO
トップチューブ前側にはゼッケンプレートホルダーも用意されているトップチューブ前側にはゼッケンプレートホルダーも用意されている photo:Makoto AYANOヘッドチューブに輝くバッヂ。チューブはコロンブスのXcrとスピリットだというヘッドチューブに輝くバッヂ。チューブはコロンブスのXcrとスピリットだという photo:Makoto AYANO

チェーンステーとシートステーにはメッキ処理が施されるチェーンステーとシートステーにはメッキ処理が施される photo:Makoto AYANOこのバイクのみシルバーのチェーンでコーディネイト。クランクはパワーメーター無しのALDHUこのバイクのみシルバーのチェーンでコーディネイト。クランクはパワーメーター無しのALDHU photo:Makoto AYANO


もう一人、最終日に注目を集めたのがオリヴァー・ナーセンだ。チーム唯一のベルギー人選手であるナーセンにはコロンブスのXcrとスピリットチューブでハンドメイドされたクラシックな「CORSA」が渡された。カスタムジオメトリーで作られた現代版スチールレーシングバイクで、ホワイトベースにゴールドの胴抜き、ベルギー国旗をあしらうほか、リア三角にはメッキ処理が施されている。チェーンがゴールドではなくシルバーでカラーマッチされているなど細部までこだわり抜かれている。

ペダルはルックKEO BLADE CARBONのツール・ド・フランス仕様で、ハンドルはデダエレメンティ。バルデはステム一体式のALANELAを好んでいる模様。ボトルやボトルケージはエリート、バーテープはリザードスキン。

山岳ステージではマヴィックのCOSMIC ULTIMATEを使用山岳ステージではマヴィックのCOSMIC ULTIMATEを使用 photo:Makoto AYANO平坦ステージではCOMETE PRO CARBONチューブラーを使用平坦ステージではCOMETE PRO CARBONチューブラーを使用 photo:Makoto AYANO

スペアバイクとして今シーズン序盤に使用していたEM525が用意されていたスペアバイクとして今シーズン序盤に使用していたEM525が用意されていた photo:Makoto AYANOチェーンはKMCのX11SL。リアカセットは平坦ステージでもULTEGRAの11-30Tで統一されていた模様チェーンはKMCのX11SL。リアカセットは平坦ステージでもULTEGRAの11-30Tで統一されていた模様 photo:Makoto AYANO

こちらはULTEGRAのリアディレイラー。スペアバイクの機材統一はまちまちといったところだろうかこちらはULTEGRAのリアディレイラー。スペアバイクの機材統一はまちまちといったところだろうか photo:Makoto AYANOシーズン序盤に使用していたカンパニョーロのメカをスペアTTバイクに発見シーズン序盤に使用していたカンパニョーロのメカをスペアTTバイクに発見 photo:Makoto AYANO


text:So.Isobe
photo:Makoto AYANO