3Tのカーボンオールロード「EXPLORO LTD」をインプレッション。高速グラベルツーリングに最適な軽量かつ高剛性なフレームで、エアロダイナミクスに優れたチューブ形状も特徴。700Cと650Bのホイールに対応し幅広い自転車遊びに使える懐の深い1台に仕上がる。



3T EXPLORO FM LTD3T EXPLORO FM LTD (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
ハンドルやステム、シートポストなどのパーツブランドで知られる3Tより、2016年に登場したブランド初のバイクフレーム「EXPLORO(エクスプローロ)」。グラベルロードにエアロダイナミクスの要素を加えた革新的なモデルだ。英語で探険を表す”explore”をモデル名の由来とし、グラベルやアドベンチャーライドに最適な1台に仕上がる。

開発を指揮したのは2015年より3Tの共同オーナーとなったジェラルド・ブルーメン氏。エアロダイナミクスに一日の長を持つサーヴェロと、グラベルロードを多数ラインアップするOPENサイクルという、2つのブランドを創業したバックグラウンドを持つ人物であり、その2つのエッセンスを組み合わせ誕生したのがEXPLOROという訳だ。

シートステーの接合位置を下げたコンパクトなリアトライアングルシートステーの接合位置を下げたコンパクトなリアトライアングル SQAERO形状を採用した大口径なダウンチューブSQAERO形状を採用した大口径なダウンチューブ ストレート形状のフロントフォークが機敏なハンドリングに寄与ストレート形状のフロントフォークが機敏なハンドリングに寄与

昨今アメリカを中心に盛り上がりを見せているグラベルレースは、バイクの進化とともに年々高速化が進んでいる。未舗装路ながら時速30km以上のスピードで駆けるシーンには、ロードバイク同様にエアロダイナミクスが重要な要素であり、かつカーボンフレームの軽量性はライバルに対して大きなアドバンテージとなる。

グラベルレースで優秀な性能を発揮するEXPLOROはアメリカでも人気が高く、北米で最高峰のグラベルイベント「ダーティカンザ」でも上位入賞を見せるなど、その性能は折り紙付きだ。今回インプレッションを行ったのはトップモデルの”LTD”グレード。下位モデルに比べ高性能なカーボン素材を使用することで、より高いパフォーマンスを実現している。

ストレートかつ四角断面を採用したトップチューブストレートかつ四角断面を採用したトップチューブ ケーブル類はトップチューブ上部から内装される。ボルトオンタイプのバッグも装着可能ケーブル類はトップチューブ上部から内装される。ボルトオンタイプのバッグも装着可能

ドライブ側のチェーンステーを下側にベンドさせることでタイヤクリアランスを確保ドライブ側のチェーンステーを下側にベンドさせることでタイヤクリアランスを確保 ハンドルやステム、ホイールまで揃う3Tハンドルやステム、ホイールまで揃う3T

グラベルやトレイルなどを駆けるワイドタイヤに対応したクリアランスを備えつつ、ボリュームあるダウンチューブやコンパクトなリアトライアングルなどエアロロード然としたルックスに。エアロダイナミクスに優れたカムテール形状と、ねじれ剛性を高める四角形状を組み合わせた独自の「SQAERO(スクエアロ)」形状をダウンチューブ始め各所に採用している。

またボトルによる空気抵抗を減らし、グラベル用のワイドタイヤを合わせた際にもスムーズな空気の流れを生み出すよう、ダウンチューブは幅50mm×高さ75mmという大口径のプロファイルに行き着いている。その他ヘッドチューブやシートチューブ、シートステー、専用設計のシートポストにもSQAEROが取り入れられ、バイク全体で空力性能の向上を図る。

140/160mmローターに対応、フォークは極太なエアロ形状だ140/160mmローターに対応、フォークは極太なエアロ形状だ ブレーキキャリパーはフラットマウント、前後12mmスルーアクスルだブレーキキャリパーはフラットマウント、前後12mmスルーアクスルだ

EXPLOROのもう一つの大きな特徴は、ロードバイクで一般的な700CとMTBで広く使われる650B(27.5インチ)という、2つのホイールサイズに対応すること。700Cの場合は幅40mm、650Bでは2.1インチまで装着可能なタイヤクリアランスを備えている。28Cタイヤでオンロードを軽快に駆けるも良し、MTBタイヤでトレイルを攻めるも良し。走行シーンに応じてホイールやタイヤのアセンブルを変えた幅広いセッティングが可能だ。

ケーブル類はトップチューブ上部のフリップトップと呼ばれるガイドからフレーム内にアクセス。コンポーネントは機械式/電動式の両方に対応する。またトップチューブバッグの取り付けに対応したアイレットも設けられ、ストレージ類の拡張に一役買っている。路面からの衝撃も大きいグラベルライドでの安全性を高めるため、シートチューブにはシートポストの最低差し込み量を目視できる穴も開けられる。

シートポストもエアロ形状の専用品をアセンブルシートポストもエアロ形状の専用品をアセンブル ボトルケージ取付用のボルトは3本用意され、上下2箇所から位置を選択できるボトルケージ取付用のボルトは3本用意され、上下2箇所から位置を選択できる 前方投影面積に配慮されたヘッドチューブ前方投影面積に配慮されたヘッドチューブ

ディスクブレーキはフラットマウントで、前後12mmスルーアクスルの標準的な仕様。リアディレイラーハンガーはスルーアクスルの雌ねじと一体化しており、フレームから容易に着脱できるため、後輪脱着時の作業性向上や輪行時のエンド破損防止に役立つ。フロントディレイラーの台座も着脱でき、フロントシングル/ダブルの切り替えが可能だ。

EXPLORO LTDはフレームセットで49万円(税抜)。スラムの新型RED eTAP AXS完成車も140万円(税抜)でラインアップしている。その他、TEAM/PROグレードのフレームセットと完成車も用意されている。今回はシマノ機械式ULTEGRAで組まれた試乗車にてテストした。それでは、インプレッションに移ろう。



― インプレッション

「レスポンスの良さが際立つ、切れ味の鋭いグラベルバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

「レスポンスの良さが際立つ、切れ味の鋭いグラベルバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)「レスポンスの良さが際立つ、切れ味の鋭いグラベルバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)
無骨なカッコ良さと27.5インチのホイールも入るマルチパーパス性も相まって、遊びのためのバイクなのかなというのが最初見たときの第一印象。ですが、実際に乗ってみると遊び要素の中にレーシーな感覚があり、速く走ろうとすればそれにしっかりと応えてくれるバイクだと感じました。切れ味の鋭いグラベルバイクといったところでしょうか。

まったり走るクロモリアドベンチャーバイクのような緩い感覚はなく、ヘッド周りやBB周りの剛性もしっかりとありますし、各チューブからも硬質なイメージを感じます。チェーンステーは比較的短いですし、重量自体も軽量に仕上がっているため、低速域から加速していくシチュエーションではレスポンスの良さが際立ちますね。27.5ホイールで激坂を登ったときは、レーシングXCバイクのような速さや反応の良さを感じました。

スルーアクスルを引き抜くとハンガーごと外すことができるスルーアクスルを引き抜くとハンガーごと外すことができる ハンドリングに関しては、フロントの剛性感もあってダートを走るにしては少し硬めの印象を受けますが、狭いラインでも確実にトレースできる正確性を持っています。サスペンションがついているバイクだと少しマージンを取らなければいけないようなコーナリングに対しても、挙動がブレることなく進入できるのは強みですね。ライダーの腕次第で高速コーナリング時の一体感もより高まってくると思います。

また、BBドロップが下がっていることで低重心な安定感のあるライデイングが可能です。下ハンを握って攻めるフォームでフラットダートを下っても、荷重移動がしっかりと出来ていればトラクションを稼ぐことができます。乗れば乗るほどテクニックを発揮したくなるような、その気にさせてくれるグラベルバイクです。

組み合わせるホイール、タイヤで全く異なる性格のバイクになるのもポイントだと思います。ロングツーリングをしていきたい場合は700Cのワイドタイヤ、オンロードメインで走りたい場合は700Cのロードタイヤ、オフロードでアグレッシブな走りを楽しみたい場合は27.5インチと状況に応じて選択することが出来ます。

「シーンに合わせてタイヤやホイールをチョイスする楽しみ方ができる」「シーンに合わせてタイヤやホイールをチョイスする楽しみ方ができる」
フロントチェーンリングもシングルとダブルの両方に対応しており、必要に応じてチョイスできるのは良いですよね。昨今フロントシングルでトレイルライドからロングツーリングまでこなすバイクも多い中、ダブルに対応していることでツーリングでも使えるギアの幅が広がりますし、出来ることの選択肢が増えるような気がしますね。

とはいっても、やはり少しアグレッシブに走るダートライドに1番マッチするバイクだと感じます。日本でも開催が決まったグラインデューロなんかは、ぜひこれで走ってみたいですよね。登りも下りもトレイルも攻めて走るバイクとしてレーシーにライドを楽しめる1台です。

グラベルバイクというとゆっくりとアドベンチャーライドを楽しむような、まったり感のある楽しみ方を思い浮かべる人もいると思いますが、このバイクについてはその逆ですね。グラベルでも速く走ることで楽しみを得たい、頑張ることに喜びを感じる人向けのバイクです。下位グレードになるとまた雰囲気は変わるかと思いますが、少なくともこのLTDグレードは力を発揮したいグラベルライダー向けのバイクに仕上がっていますね。

3T EXPLORO FM LTD3T EXPLORO FM LTD (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
3T EXPLORO FM LTD
フレーム:カーボンモノコック
フォーク:FANGO LTD 12mmスルーアクスル
カラー:マットブラック
BB:BB386EVO
サイズ:S、M、L
重量:フレーム990g、フォーク400g(Mサイズ)
価格:490,000円(税抜、フレームセット)



インプレッションライダーのプロフィール

三上和志(サイクルハウスMIKAMI)三上和志(サイクルハウスMIKAMI) 三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

埼玉県飯能市にある「サイクルハウスMIKAMI」店主。MTBクロスカントリー全日本シリーズ大会で活躍した経験を生かし、MTBに関してはハード・ソフトともに造詣が深い。トレーニングの一環としてロードバイクにも乗っており、使用目的に合った車種の選択や適正サイズに関するアドバイスなど、特に実走派のライダーに定評が高い。

サイクルハウスMIKAMI HP


text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANAO
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