ブエルタ・ア・サンフアン第6ステージは地元アルゼンチンの若手、ニコラス・テヴァニ(アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)が逃げ切りステージ優勝。地元コンチネンタルチームに大きな勝利をもたらした。



昨年夏に完成したばかりのビクリムスピードウェイをスタートするプロトン昨年夏に完成したばかりのビクリムスピードウェイをスタートするプロトン (c)CorVos
南米アルゼンチンで開催中のブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)。第6ステージは2018年夏に完成したビクリムスピードウェイをスタートし、サンフアン郊外を経て、再びビクリムスピードウェイへ戻る153.5km。ビクリムスピードウェイは高台にあるため、144km地点から距離4.4km、標高差130mほどの登りがあるものの、ラストはサーキットを舞台にしたフラットコースとなる。

序盤に地元アルゼンチンのニコラス・テヴァニ(アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)、ダニエル・ゾモラ(アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)、ダニエル・ディアズ(エキッポコンチネンタル・ムニシパリダド・デ・ポシート)と、ダイエル・キンタナ(コロンビア、ネーリソットリ・セッレイタリア・KTM)が逃げグループを形成。プロトンに対して最大5分以上のタイムギャップを獲得した。

舗装が綺麗なサーキットを走る舗装が綺麗なサーキットを走る (c)CorVosチームメイトから補給食をもらうペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)チームメイトから補給食をもらうペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos

レース序盤に形成された4名の逃げグループレース序盤に形成された4名の逃げグループ (c)vueltaasanjuan.org
プロトンはボーラ・ハンスグローエ、モビスター、ドゥクーニンク・クイックステップ、UAEチームエミレーツといったUCIワールドチームがペースをコントロール。逃げ集団を泳がせながらレースは推移していく。

レース後半になると強い追い風の影響で、逃げグループ、集団共にペースが上がり50km/hものハイスピードで進んだ。タイム差は残り30kmの地点で3分30秒。残り20km地点では2分35秒と、差が詰まらず人数の少ない逃げグループが有利な状況に。

集団はモビスターなどのUCIワールドチームがコントロール集団はモビスターなどのUCIワールドチームがコントロール (c)vueltaasanjuan.org
集団ではペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)などのエース勢も牽引に加わるが、それでもタイム差は埋められず焦りが見え始める。残り10kmの時点でタイム差は1分37秒と逃げ切りも視野に入る展開に。このタイミングで逃げグループからダイエル・キンタナがパンクでドロップアウト。残り3名はペースを緩めること無くビクリムスピードウェイへ。

集団では再度サガンが先頭を牽くなど懸命に逃げグループを追うが、捉える事ができず。3名の中で一番最初にスプリントを開始したテヴァニがほか2名を寄せ付けること無くステージ優勝。地元アルゼンチンの小さなコンチネンタルチームに大きな勝利をもたらした。

3名のスプリントで先着したニコラス・テヴァニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)3名のスプリントで先着したニコラス・テヴァニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) (c)vueltaasanjuan.org
アルゼンチン期待の23歳、ニコラス・テヴァニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)が大きな勝利アルゼンチン期待の23歳、ニコラス・テヴァニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)が大きな勝利 (c)vueltaasanjuan.org個人総合は変動無く、ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がリーダージャージに袖を通す個人総合は変動無く、ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がリーダージャージに袖を通す (c)vueltaasanjuan.org


リーダージャージのウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)は18秒遅れの44位でフィニッシュし個人総合順位は変動なし。日本の中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は18秒遅れの22位でフィニッシュしている。

最終レースとなる第7ステージはサンフアン市街地にある環状道路「シルクバラシオン通り」を9周する141.3km。鋭角なコーナーや起伏がないため、スプリントフィニッシュのハイスピードレースとなるだろう。

ブエルタ・ア・サンフアン2019第6ステージ結果
1位 ニコラス・テヴァニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) 3h13'29"
2位 ダニエル・ディアズ(アルゼンチン、エキッポコンチネンタル・ムニシパリダド・デ・ポシート)
3位 ダニエル・ゾモラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)
4位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) +12"
5位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
6位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
8位 スタン・デウルフ(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
10位 ルディ・バルビエ(フランス、イスラエルサイクリングアカデミー) +16"
個人総合成績
1位 ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター) 19h14'55"
2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +35"
3位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン) +57"
4位 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +1'03"
5位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1'13"
6位 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) +1'20"
7位 ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン) +1'24"
8位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +1'29"
9位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1'36"
10位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) +1'38"
山岳賞
1位 ダニエル・ザモラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) 30pts
2位 ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン) 26pts
3位 マティアス・カタパン(アルゼンチン、モニシィパリダッド・デ・ラウソン・ソモトドス) 16pts
ヤングライダー賞
チーム総合成績
1位 モビスター 57h47'44"
2位 メデリン +1'01"
3位 アグルパシオン・ビルヘンデファティマ +3'35"
text:Kosuke.Kamata
photo:CorVos

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