8月25日にスペインのマラガで開幕した第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ。初日の8km個人タイムトライアルで、クウィアトコウスキーやカンペナールツを下したオーストラリアTT王者のローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がステージ優勝とマイヨロホを手にした。
前半は平坦な埋立地を走る photo:Unipublic
ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第1ステージ photo:Unipublic
ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第1ステージ photo:Unipublic
スペイン南部、アンダルシア州第2の都市(人口57万人)で開幕した第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ。ブエルタがチームTTではなく個人TTで開幕するのは、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)がステージ優勝した2009年以来9年ぶり。
UCIルールが定める『プロローグ』と『個人TT』の境界である8kmという短距離決戦。地中海に突き出た埋立地や海岸路を走る前半は平坦だが、3.3km地点から勾配6%前後の登りを600mほどこなし、ハイスピードな下りとテクニカルな市街地コーナーを経てフィニッシュを迎える。午後5時26分から1分のインターバルで176名の選手たちがスタートし、最終走者のフィニッシュは日の入り間近の午後8時30分すぎ。後半の選手たちは建物の陰に覆われた薄暗い市街地を駆け抜けた。
マラガの港をスタートしていく photo:Unipublic
29秒遅れのタイムでまとめたサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
38秒遅れたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
30秒遅れで初日の個人TTを終えたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
オランダTTチャンピオンのディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)やネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)が暫定トップタイムをマークしたが、中盤の計測ポイントの時点で暫定トップに立ったのはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)だった。チームスカイのもう一人のエースであるダビ・デラクルス(スペイン)がタイムを伸ばせない中、ツール・ド・ポローニュ覇者のクウィアトコウスキーは9分45秒の暫定トップタイムでフィニッシュした。ヨーロッパ選手権個人TTで連覇を達成したヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)はクウィアトコウスキーに1秒届かず。
唯一クウィアトコウスキーを上回るペースを刻んだのは、2017年大会のチームTTで優勝してマイヨロホを着たデニスだった。来季バーレーン・メリダへの移籍を決めている28歳のスペシャリストが前半からリードを奪い、後半にかけてそのリードを広げる走りでフィニッシュ。最終的にクウィアトコウスキーに6秒差、カンペナールツに7秒差をつけて優勝した。デニスの平均スピードは49.741km/hだった。
トップタイムで優勝したオーストラリアTTチャンピオンのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Unipublic
39秒遅れたファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
6秒差のステージ2位に入ったミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:CorVos
トップタイムでフィニッシュに向かうローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:CorVos
2年連続で大会初日にマイヨロホ獲得を果たしたデニス(2年連続は33年ぶり)。BMCレーシングは今シーズンすべてのグランツールでリーダージャージを獲得している(ジロ=デニス、ツール=ヴァンアーヴェルマート、ブエルタ=デニス)。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの個人TTで優勝経験のあるデニスにとってこれがブエルタの個人TT初優勝。デニスはすべてのグランツールの個人TTで勝利した初の非ヨーロッパ出身選手となった。
「今日は勝利にこだわって、勝つことだけを狙って走った。その結果、すべてのグランツールでステージ優勝を果たすことができた。今日は後半の下りでタイム差がつかないので、前半の平坦路と登りの走りで結果が決まったと思う。クウィアトコウスキーのタイムを見たときは正直焦ったし、自分の中に不安な気持ちも芽生えたけど、必ず勝てると自分に言い聞かせた。登りの頂上までの6分30秒を全開で走ったんだ」と、この日の戦略についてデニスは語る。
「明日からはチームメイトのために走りたい。明日の第2ステージはスプリンターにとって厳しすぎるレイアウトなので、ディラン・トゥーンスで勝利を狙うことになると思う。そして個人的には第16ステージの個人TTで再び勝利を狙うよ」と、マイヨロホに袖を通したデニスは語る。総合リードキープについては明言しておらず、数日のうちにボーナスタイムによってマイヨロホが動く可能性は高い。
胃腸炎の影響で調子を落としているチームメイトのリッチー・ポート(オーストラリア)はデニスから51秒遅れのステージ97位。最終的な総合争いの観点で見ると、ポートの他にもナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)らが初日から30秒以上のタイムを失う結果となっている。
選手たちのコメントは後ほどまとめてお伝えします。
体調不良のリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)は51秒遅れ photo:CorVos
30秒遅れで初日を終えたイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) photo:CorVos
初日の個人TTを40秒遅れで終えたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Unipublic
マイヨロホに袖を通したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Unipublic
チーム総合成績トップのBMCレーシング photo:Unipublic



スペイン南部、アンダルシア州第2の都市(人口57万人)で開幕した第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ。ブエルタがチームTTではなく個人TTで開幕するのは、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)がステージ優勝した2009年以来9年ぶり。
UCIルールが定める『プロローグ』と『個人TT』の境界である8kmという短距離決戦。地中海に突き出た埋立地や海岸路を走る前半は平坦だが、3.3km地点から勾配6%前後の登りを600mほどこなし、ハイスピードな下りとテクニカルな市街地コーナーを経てフィニッシュを迎える。午後5時26分から1分のインターバルで176名の選手たちがスタートし、最終走者のフィニッシュは日の入り間近の午後8時30分すぎ。後半の選手たちは建物の陰に覆われた薄暗い市街地を駆け抜けた。




オランダTTチャンピオンのディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)やネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)が暫定トップタイムをマークしたが、中盤の計測ポイントの時点で暫定トップに立ったのはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)だった。チームスカイのもう一人のエースであるダビ・デラクルス(スペイン)がタイムを伸ばせない中、ツール・ド・ポローニュ覇者のクウィアトコウスキーは9分45秒の暫定トップタイムでフィニッシュした。ヨーロッパ選手権個人TTで連覇を達成したヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)はクウィアトコウスキーに1秒届かず。
唯一クウィアトコウスキーを上回るペースを刻んだのは、2017年大会のチームTTで優勝してマイヨロホを着たデニスだった。来季バーレーン・メリダへの移籍を決めている28歳のスペシャリストが前半からリードを奪い、後半にかけてそのリードを広げる走りでフィニッシュ。最終的にクウィアトコウスキーに6秒差、カンペナールツに7秒差をつけて優勝した。デニスの平均スピードは49.741km/hだった。




2年連続で大会初日にマイヨロホ獲得を果たしたデニス(2年連続は33年ぶり)。BMCレーシングは今シーズンすべてのグランツールでリーダージャージを獲得している(ジロ=デニス、ツール=ヴァンアーヴェルマート、ブエルタ=デニス)。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの個人TTで優勝経験のあるデニスにとってこれがブエルタの個人TT初優勝。デニスはすべてのグランツールの個人TTで勝利した初の非ヨーロッパ出身選手となった。
「今日は勝利にこだわって、勝つことだけを狙って走った。その結果、すべてのグランツールでステージ優勝を果たすことができた。今日は後半の下りでタイム差がつかないので、前半の平坦路と登りの走りで結果が決まったと思う。クウィアトコウスキーのタイムを見たときは正直焦ったし、自分の中に不安な気持ちも芽生えたけど、必ず勝てると自分に言い聞かせた。登りの頂上までの6分30秒を全開で走ったんだ」と、この日の戦略についてデニスは語る。
「明日からはチームメイトのために走りたい。明日の第2ステージはスプリンターにとって厳しすぎるレイアウトなので、ディラン・トゥーンスで勝利を狙うことになると思う。そして個人的には第16ステージの個人TTで再び勝利を狙うよ」と、マイヨロホに袖を通したデニスは語る。総合リードキープについては明言しておらず、数日のうちにボーナスタイムによってマイヨロホが動く可能性は高い。
胃腸炎の影響で調子を落としているチームメイトのリッチー・ポート(オーストラリア)はデニスから51秒遅れのステージ97位。最終的な総合争いの観点で見ると、ポートの他にもナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)らが初日から30秒以上のタイムを失う結果となっている。
選手たちのコメントは後ほどまとめてお伝えします。





ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第1ステージ結果
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 9:39 |
2位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:06 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:07 |
4位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 0:17 |
5位 | ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) | 0:20 |
6位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング) | 0:21 |
7位 | ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ) | |
8位 | サイモン・ゲシュケ(ドイツ、サンウェブ) | |
9位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:22 |
10位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | |
16位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:24 |
20位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:27 |
28位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:29 |
30位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | |
34位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:30 |
35位 | イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) | |
44位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:35 |
59位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:39 |
63位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:40 |
65位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
80位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 0:45 |
81位 | ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ) | |
97位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:51 |
個人総合成績
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 9:39 |
2位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:06 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:07 |
4位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 0:17 |
5位 | ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) | 0:20 |
6位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング) | 0:21 |
7位 | ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ) | |
8位 | サイモン・ゲシュケ(ドイツ、サンウェブ) | |
9位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:22 |
10位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) |
ポイント賞
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 25pts |
2位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 20pts |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル) | 16pts |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 0:29:40 |
2位 | チームスカイ | 0:00:04 |
3位 | モビスター | 0:00:21 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos, Unipublic
photo:CorVos, Unipublic
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