ロット・スーダルがカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)の獲得を発表。契約期間は2年間で、離脱したアンドレ・グライペルに代わってエーススプリンターの若返りを果たしている。



カレブ・ユアン(オーストラリア、現ミッチェルトン・スコット)カレブ・ユアン(オーストラリア、現ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ロット・スーダルのプレスリリースによれば契約期間は2019年、2020年の2年間。2014年10月に加入し、4年間で28勝(うちグランツールでのステージ優勝2)を収めた自国オーストラリアのミッチェルトン・スコットから離れ、ベルギーチームで新たなキャリアを歩み出すこととなる。

チームプレスリリースの中でユアンは「ロットへの移籍は重要で、信じられないほどエキサイティングなものだった。クラシックとスプリントで強みを持つチームで、僕が小さい頃はマキュアンの活躍に憧れ、最近では素晴らしい人間性と輝かしい戦績を持つグライペルにリスペクトを持っていたんだ。そしてこれからは、僕がチームの一員として刺激的なキャリアを築いて行きたいと思っている。

ミッチェルトン・スコットの今の方針は自分の方向性とは違ってきているけれど、これまで僕は多くを学び、経験してきた。これまでのチームメイトやチーム運営陣に対しては感謝しかない。一生の友人をたくさん作れたことは、本当に素晴らしいことだと思っているよ。

自分で自分を表現するなら、僕はピュアスプリンターかつ、登りスプリントもこなせる選手。ここ数年は特にタフなスプリント勝負で勝ち残れるよう多くの練習を重ねてきた。これからも力を伸ばし、ロット・スーダル加入後は(今年2位に入った)ミラノ〜サンレモなど(スプリンター向き)クラシックレースでも活躍していきたい。

今も多くの"レジェンド"スプリンターが活躍しているけれど、実際スプリンターの世代交代は急速に進んでいる。才能ある若いスプリンターが大勢控えているし、当然その中で僕は新しいチームメイトと共に台頭していきたいと思っている。今現在のロット・スーダルはスプリントで最強というわけではないけれど、チームにはかつてのようにパワフルなスプリントチームを再構築するという野心がある。

これは数カ年計画であり、最初の一年で望むべきものじゃない。時間をかけて世界最高峰クラスのレースの終盤戦でトレインを作ってレースを掌握し、レース中でもレース外でもチームメイトたちと良い関係を築いていきたい」と語っている。

今年のミラノ〜サンレモでは後続集団のスプリントを制し2位となった今年のミラノ〜サンレモでは後続集団のスプリントを制し2位となった photo:LaPresse - D'Alberto / Ferrari / Alpozzi
ロット・ソウダルのマルク・サージェント監督はユアンの加入に関して、「これでユアン、ティム・ウェレンス(ベルギー)、そしてティシュ・ベノート(ベルギー)と全くタイプの異なるリーダーが揃うことになった。ユアンにとっての牽引役はイェンス・クークレール(ベルギー)やジャスパー・デブイスト(ベルギー)が担うだろう。特にクークレールはユアンとチームメイトだったし、エースをスプリント勝負の最前線に送り届けるスキルとガッツを持つ選手だ」と来年の展望についてもコメントする。

現在24歳で、モナコに拠点を置いて活動しているユアン。165cm66kgとスプリンターとして非常に小柄ながら、誰よりも低い姿勢での爆発的なスプリント力で「ポケットロケット」というニックネームで親しまれてきた。今シーズンはツアー・ダウンアンダーで1勝、ミラノ〜サンレモ2位と好調な滑り出しを見せたが、それ以降はやや低迷。チームがイェーツ兄弟中心の総合系布陣でジロとツールに臨んだためグランツール出場も無い中での移籍発表となった。

text:So.Isobe