2月10日に開催された第5回ドバイツアー第5ステージ。フィニッシュ手前で落車が発生する中、スプリント2勝目を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が総合優勝に輝いた。
ドバイの高層ビルを背に走る photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
逃げるクアンタン・ヴァローニュ(フランス、ノボノルディスク)ら4名 photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)と並んで走るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
ドバイ市内を走る132kmで行われたドバイツアー第5ステージ。前日のハッタダム頂上フィニッシュを終えた時点で総合首位ヴィヴィアーニと総合2位マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)のタイム差はわずかに2秒。フィニッシュ(10秒、6秒、4秒)と2つの中間スプリント(3秒、2秒、1秒)に設定されたボーナスタイムで変動も起こり得る僅差のまま、5日間の大会を締めくくる最終フラットステージが始まった。
ヴィヴィアーニに味方したのは、総合争いに関係しない選手が逃げ、中間スプリントでライバルたちがボーナスタイムを獲得する心配がなくなったこと。ダニエル・ペアソン(イギリス、アクアブルースポート)、クアンタン・ヴァローニュ(フランス、ノボノルディスク)、スン・シャーロン(中国、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)、ナセル・アルメマリ(UAE、UAEナショナルチーム)が5分近いリードを得て逃げ続けた。2つの中間スプリントでポイントを稼いだヴァローニュが最終的なスプリント賞に輝いている。
高層ビルが連なるドバイの街並み photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
ドバイ市内の平坦コースを走る photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
リーダーチームのクイックステップフロアーズに加えて、カチューシャ・アルペシンやロットNLユンボ、UAEチームエミレーツがメイン集団のコントロールを担ったため逃げグループには厳しい展開に。最後まで粘ったペアソンも残り9km地点で吸収。ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ勢のカウンターアタックも決まらずに、バーレーン・メリダやロットNLユンボを先頭にリードアウトバトルが始まった。
残り1kmアーチを通過し、集団の前から4番手を走っていたナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)が右90度コーナーで前輪を滑らせて落車。この落車に後続の選手が次々と突っ込み、5〜6名が抜け出した状態となる。先頭ではカチューシャ・アルペシンが人数を揃えたが、エーススプリンターのマルセル・キッテル(ドイツ)がポジションを下げたためマルコ・ハラー(オーストリア)のスプリント狙いにスイッチ。ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング)と競り合うハラーの後ろから、青いリーダージャージを着るヴィヴィアーニが勢い良く迫った。
落車で少し足止めを食らったヴィヴィアーニは、ファビオ・サバティーニ(イタリア)のリードアウトを受けて先頭グループに追いつくや否やスプリント開始。明らかに速いトップスピードでハラーやドリュケールを抜き去った。フィニッシュライン上で両手を大きく開いたヴィヴィアーニが、ステージ2勝目と総合優勝を決めた。
先行したマルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン)らを追い抜くエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
最終スプリントを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
ブライスを振り切ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
「総合タイム2秒差はあってないようなもの。オール・オア・ナッシングの状態だった。とにかく落ち着くことを心がけた。逃げグループのメンバーが総合に関係しない選手たちだったことがチームに味方したよ。フィニッシュ手前の落車を辛うじて回避して、最後はファビオ・サバティーニが先行する選手たちとの差を埋めてくれた。トラックレースでの経験が凄く役に立ったよ」。安堵の表情を浮かべながらリーダージャージと「サークル・オブ・スターズ」と名付けられたピニンファリーナデザインのトロフィーを受け取ったヴィヴィアーニは語る。
ヴィヴィアーニは1月のサントス・ツアー・ダウンアンダーでステージ1勝を飾り、続くカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースで2位。今大会でステージ2勝と総合優勝を果たしたことで、シーズン勝利数を4勝に伸ばしている。同じくシーズン4勝を飾っているのは、中南米レースで勝利を重ねているチームメイトのフェルナンド・ガビリア(コロンビア)だ。
2010年から5年間リクイガス(2013年からキャノンデール)、2015年から3年間チームスカイに所属した29歳は、「クイックステップフロアーズとの契約は自分にとって大きなステップ。自分の仕事はスプリントで勝つこと。このチームでは、その使命を果たすことが今までよりずっと簡単なんだ。シーズン序盤に手にしたこの好成績をクラシックやグランツールでも残したい。オフシーズンのトレーニングを増やしたわけではないので、今の良いコンディションには驚いている。オーストラリアから直接ドバイ入りして、それからずっと快適に過ごしてきたことも要因の一つ。成功の鍵はチームと、入念なプランニングだと思う」と勝利の秘訣を語る。ヴィヴィアーニはポイント賞ランキングでもダントツのトップに。最終的にヴィヴィアーニと12秒差の総合2位に入ったコルトニールセンはヤングライダー賞に輝いている。
前日に刺激的な展開を生んだブランドン・マクナルティ(アメリカ、ラリーサイクリング)が敢闘賞を獲得 photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
最終日の逃げでスプリント賞トップに輝いたクアンタン・ヴァローニュ(フランス、ノボノルディスク) photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
ヤングライダー賞に輝いたマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
チーム総合成績トップに輝いたBMCレーシング photo: LaPresse - Ferrari / Paolone
優勝トロフィーを受け取ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo: LaPresse - Ferrari / Paolone



ドバイ市内を走る132kmで行われたドバイツアー第5ステージ。前日のハッタダム頂上フィニッシュを終えた時点で総合首位ヴィヴィアーニと総合2位マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)のタイム差はわずかに2秒。フィニッシュ(10秒、6秒、4秒)と2つの中間スプリント(3秒、2秒、1秒)に設定されたボーナスタイムで変動も起こり得る僅差のまま、5日間の大会を締めくくる最終フラットステージが始まった。
ヴィヴィアーニに味方したのは、総合争いに関係しない選手が逃げ、中間スプリントでライバルたちがボーナスタイムを獲得する心配がなくなったこと。ダニエル・ペアソン(イギリス、アクアブルースポート)、クアンタン・ヴァローニュ(フランス、ノボノルディスク)、スン・シャーロン(中国、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)、ナセル・アルメマリ(UAE、UAEナショナルチーム)が5分近いリードを得て逃げ続けた。2つの中間スプリントでポイントを稼いだヴァローニュが最終的なスプリント賞に輝いている。


リーダーチームのクイックステップフロアーズに加えて、カチューシャ・アルペシンやロットNLユンボ、UAEチームエミレーツがメイン集団のコントロールを担ったため逃げグループには厳しい展開に。最後まで粘ったペアソンも残り9km地点で吸収。ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ勢のカウンターアタックも決まらずに、バーレーン・メリダやロットNLユンボを先頭にリードアウトバトルが始まった。
残り1kmアーチを通過し、集団の前から4番手を走っていたナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)が右90度コーナーで前輪を滑らせて落車。この落車に後続の選手が次々と突っ込み、5〜6名が抜け出した状態となる。先頭ではカチューシャ・アルペシンが人数を揃えたが、エーススプリンターのマルセル・キッテル(ドイツ)がポジションを下げたためマルコ・ハラー(オーストリア)のスプリント狙いにスイッチ。ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング)と競り合うハラーの後ろから、青いリーダージャージを着るヴィヴィアーニが勢い良く迫った。
落車で少し足止めを食らったヴィヴィアーニは、ファビオ・サバティーニ(イタリア)のリードアウトを受けて先頭グループに追いつくや否やスプリント開始。明らかに速いトップスピードでハラーやドリュケールを抜き去った。フィニッシュライン上で両手を大きく開いたヴィヴィアーニが、ステージ2勝目と総合優勝を決めた。



「総合タイム2秒差はあってないようなもの。オール・オア・ナッシングの状態だった。とにかく落ち着くことを心がけた。逃げグループのメンバーが総合に関係しない選手たちだったことがチームに味方したよ。フィニッシュ手前の落車を辛うじて回避して、最後はファビオ・サバティーニが先行する選手たちとの差を埋めてくれた。トラックレースでの経験が凄く役に立ったよ」。安堵の表情を浮かべながらリーダージャージと「サークル・オブ・スターズ」と名付けられたピニンファリーナデザインのトロフィーを受け取ったヴィヴィアーニは語る。
ヴィヴィアーニは1月のサントス・ツアー・ダウンアンダーでステージ1勝を飾り、続くカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースで2位。今大会でステージ2勝と総合優勝を果たしたことで、シーズン勝利数を4勝に伸ばしている。同じくシーズン4勝を飾っているのは、中南米レースで勝利を重ねているチームメイトのフェルナンド・ガビリア(コロンビア)だ。
2010年から5年間リクイガス(2013年からキャノンデール)、2015年から3年間チームスカイに所属した29歳は、「クイックステップフロアーズとの契約は自分にとって大きなステップ。自分の仕事はスプリントで勝つこと。このチームでは、その使命を果たすことが今までよりずっと簡単なんだ。シーズン序盤に手にしたこの好成績をクラシックやグランツールでも残したい。オフシーズンのトレーニングを増やしたわけではないので、今の良いコンディションには驚いている。オーストラリアから直接ドバイ入りして、それからずっと快適に過ごしてきたことも要因の一つ。成功の鍵はチームと、入念なプランニングだと思う」と勝利の秘訣を語る。ヴィヴィアーニはポイント賞ランキングでもダントツのトップに。最終的にヴィヴィアーニと12秒差の総合2位に入ったコルトニールセンはヤングライダー賞に輝いている。





ドバイツアー2018第5ステージ
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 3:05:28 |
2位 | マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン) | |
3位 | アダム・ブライス(イギリス、アクアブルースポート) | |
4位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | |
5位 | リック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | |
6位 | マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | |
7位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
8位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | |
9位 | アンドレア・ペロン(イタリア、ノボノルディスク) | |
10位 | ファビオ・サバティーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) |
個人総合成績
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 19:05:46 |
2位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 0:00:12 |
3位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:14 |
4位 | ネイサン・ヴァンフーイドンク(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:17 |
5位 | ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:18 |
6位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | |
7位 | ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:00:20 |
8位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | 0:00:24 |
9位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | リック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) |
ポイント賞
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 71pts |
2位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 43pts |
3位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 42pts |
スプリント賞
1位 | クアンタン・ヴァローニュ(フランス、ノボノルディスク) | 14pts |
2位 | ネイサン・ヴァンフーイドンク(ベルギー、BMCレーシング) | 12pts |
3位 | シモーネ・ベヴィラックア(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 19:05:58 |
2位 | ネイサン・ヴァンフーイドンク(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:05 |
3位 | ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:06 |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 57:18:30 |
2位 | カチューシャ・アルペシン | 0:00:44 |
3位 | UAEチームエミレーツ | 0:01:15 |
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