ともにイタリアンブランドとして名高いビアンキとフェラーリがパートナーシップ契約を結び、そのコラボレーションバイク第一弾となる「SF01」が発表された。フェラーリのレッドカラーを纏い、こだわりのパーツアセンブルがされた特別モデルだ。トライアスロン用のスペシャルバイクも現在開発中だという。



ビアンキとフェラーリのコラボレーションバイク第一弾であるBianchi for Scuderia Ferrari SF01が発表されたビアンキとフェラーリのコラボレーションバイク第一弾であるBianchi for Scuderia Ferrari SF01が発表された
1885年創業、世界最古の自転車ブランドで知られるビアンキ。シティバイクからUCIワールドツアーを走るレースバイクまで幅広いラインアップを揃え、同ブランドを象徴するチェレステカラーとともにその長い歴史を刻んできた。対してフェラーリと言えば、F1を始めとするモータースポーツ界を代表するブランドとして、はたまた皆が憧れる高級スポーツカーブランドとしてその名を知らぬ者はいないだろう。

自転車業界においては過去にはコルナゴとのコラボレーションが話題を呼んだフェラーリであったが、今回新たなるパートナーとしてビアンキとのライセンス契約を交わした。ともにイタリアを代表する老舗ブランドとして、それぞれの業界のレースシーンを長きに渡り牽引してきた存在として、この2社が結びつくのはごく自然な流れと言えるだろう。

ビアンキを得意とする販売店や車関連のメディアも集まった今回の発表会ビアンキを得意とする販売店や車関連のメディアも集まった今回の発表会 フェラーリレッドとチェレステブルーを表現した2色のカクテルが振る舞われたフェラーリレッドとチェレステブルーを表現した2色のカクテルが振る舞われた

そんなビアンキとフェラーリのコラボレーションプロジェクト「Bianchi for Scuderia Ferrari 」の発表会が1月16日、東京丸の内にあるJPタワーにて行われた。その中で今回の一番のトピックはコラボレーションバイク第一弾となる「SF01」の発表。パートナーシップ締結を記念したセレブレーションモデルとして誕生したスペシャルバイクとなる。

SF01はビアンキの軽量レーシングバイク「Specialissima(スペシャリッシマ)」をベースに、随所にフェラーリのエッセンスを落とし込んだ1台。ヘッドチューブにはフェラーリを象徴する跳ね馬のエンブレムがあしらわれるとともに、ダウンチューブには同社のレーシングラインを示すScuderia Ferrari(スクーデリア・フェラーリ)ロゴが入る。

フェラーリのマシンに採用される専用のレッドカラーをあしらったROSSO CORSAカラーフェラーリのマシンに採用される専用のレッドカラーをあしらったROSSO CORSAカラー
ダウンチューブにはビアンキロゴではなくScuderia Ferrari(スクーデリア・フェラーリ)の文字が刻まれるダウンチューブにはビアンキロゴではなくScuderia Ferrari(スクーデリア・フェラーリ)の文字が刻まれる ヘッドチューブにはフェラーリを象徴する跳ね馬のエンブレムが大きく入ったデザインヘッドチューブにはフェラーリを象徴する跳ね馬のエンブレムが大きく入ったデザイン

レーシングジオメトリーを採用したフルカーボンモノコック製のフレームは、無駄のないシンプルな形状とすることで重量780gと軽量に仕上げつつ優れた重量剛性比を実現。その上でビアンキが誇る最先端の振動除去素材Countervail(カウンターヴェイル)を搭載することで、高い快適性も担保された性能を獲得している。

アセンブルされるパーツも、それぞれこのバイクのために作られた特別モデルとなる。同郷のイタリアンブランド、アスチュートによるフルカーボンサドルはパッドも廃した軽量モデルで重量はわずか94gという仕上がり。F1カーのコックピット内部を模した3Kカーボンによるマットフィニッシュのルックスと、バイクに合わせた新規形状のデザインが採用されている。

カーボン柄が美しいアスチュート製のスペシャルフルカーボンサドルをアセンブルカーボン柄が美しいアスチュート製のスペシャルフルカーボンサドルをアセンブル 高級感漂うベルベット仕上げのアスチュート製バーテープ高級感漂うベルベット仕上げのアスチュート製バーテープ
シートステーには同バイクに特徴的なテクノロジー”Countervail”のロゴが入るシートステーには同バイクに特徴的なテクノロジー”Countervail”のロゴが入る Scuderia Ferrariの頭文字を取ったモデル名「SF01」Scuderia Ferrariの頭文字を取ったモデル名「SF01」

同じくアスチュート製のバーテープは気品あふれる質感を放つベルベット仕上げで、Scuderia Ferrariロゴのフィニッシングテープにて巻かれる他、ホイールはフルクラムのSPEED 40Cを同バイク仕様にしたオリジナルグラフィックのものを合わせる。そしてフェラーリと言えばこのタイヤ、ピレリP ZEROの25Cクリンチャータイヤが足元を固めている。

ハンドルやステム、シートポストはFSA製品をアセンブル。その他、ビアンキのエンブレムマークであるイーグルのロゴがシートチューブに入れられる他、チェレステカラーのトップキャップやボトルケージボルトなど、ビアンキらしさを残した細かな工夫も見て取れた。

色を反転させシルキーブラックを全面にあしらったNERO SETOSOカラー色を反転させシルキーブラックを全面にあしらったNERO SETOSOカラー
トップチューブ上部にはイタリアントリコロール+チェレステを配置したマークが入るトップチューブ上部にはイタリアントリコロール+チェレステを配置したマークが入る 特別グラフィックとなったフルクラムのSPEED 40CホイールにピレリのP ZEROタイヤを合わせる特別グラフィックとなったフルクラムのSPEED 40CホイールにピレリのP ZEROタイヤを合わせる

またフェラーリのマシンに統一して用いられる、専用のレッドカラーをビアンキ本社内にて1台1台職人の手によってハンドペイントされるほどのこだわりよう。フェラーリのレーシングなイメージを全面に押し出したROSSO CORSAカラーと、シルキーブラックが上品な佇まいを見せるNERO SETOSOカラーの2色にて展開される。それぞれシマノデュラエースDi2完成車(税抜200万円)とカンパニョーロのスーパーレコードEPS完成車(税抜220万円)の2モデルで販売される。

加えて現在開発中だというコラボレーションバイク第二弾の構想も発表された。次なるスペシャルモデルはエアロダイナミクスを徹底的に追求したトライアスロンバイクとのことで、UCIレギュレーションに縛られない独創的なデザインが盛り込まれる予定だという。F1マシンにインスパイアを受けたコックピットデザインやビアンキ独自のカウンターヴェイルを搭載し、ディスクブレーキに最適化されたトータルコーディネートがされるとのこと。詳細は判明しておらず、デビューまではまだ数年かかる見通しだと言う。

ユーロバイク2017にて公開されたコラボレーションモデル第二弾となるトライアスロンバイクのモックユーロバイク2017にて公開されたコラボレーションモデル第二弾となるトライアスロンバイクのモック


Bianchi for Scuderia Ferrari SF01
カラー:ROSSO CORSA、NERO SETOSO
サイズ:47、50、53、55、57、59、61
正規ディーラー:ビアンキストア丸の内ビアンキストア表参道ヒルズ
価格:
シマノ デュラエースDi2完成車 2,000,000円(税抜)
カンパニョーロ スーパーレコードEPS完成車 2,200,000円(税抜)

text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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