国内自転車レースの撮影と報道を担ってきたフォトジャーナリストの高木秀彰さんが、京都市伏見区の自宅で10月14日、亡くなっているのが分かった。56歳だった。

Jプロツアー2017第19戦 輪島ロードで撮影中の高木秀彰さん。これが最後のレース撮影となったJプロツアー2017第19戦 輪島ロードで撮影中の高木秀彰さん。これが最後のレース撮影となった photo:Nobumichi.Komori
高木秀彰(たかぎひであき)さんは、近年は全日本実業団自転車競技連盟のオフィシャルカメラマンをつとめ、すべてのJプロツアーレースをカバー。ロードレース、トラックレース、そしてシクロクロス、国内トップレベルのレースにとどまらず、国体や地方大会、学連や高体連、U23、ジュニアクラスのレースまで、日本各地で開催される自転車レースの主要大会のほとんどを精力的に取材し、報道し続けてきた。名実ともに日本を代表する自転車レース専門のフォトジャーナリストだった。

その写真の技量とともに、選手個々人の力量や将来性までを見抜く卓越した洞察力に基づく執筆力をもって、かつ競技報道における公平性やバランスに長けたフォトレポートによって、シクロワイアードをはじめとした主要メディアを舞台に、国内の自転車レースシーンを詳細に伝え続けてきた。

高木さんは10月8日に石川県で開催されたJBCF輪島ロードレースの取材を終えた後、連絡が取れなくなっていた。行方を心配した友人らの捜索により、10月14日、自宅で亡くなっているところを発見された。詳しい死因についてはまだ発表されていない。

高木さんは1961年東京都生まれ。小学生の頃より父からカメラを譲り受け、スポーツと星などの天体写真を撮るようになる。島根大学在学時代はサイクリング部で活動し、競技選手としても走る。地理情報会社であるパスコ株式会社に21年間勤務した後、退職。45歳当時の2006年から自転車レース専門フォトグラファーとしての活動を開始。以降10年以上に渡り、国内のレースシーンを幅広く精力的に追い続けてきた。

ツアー・オブ・ジャパン2017東京ステージで撮影中の高木秀彰さん。カメラを向けるとピースで応えるツアー・オブ・ジャパン2017東京ステージで撮影中の高木秀彰さん。カメラを向けるとピースで応える photo:yuya.Yamamoto
シクロワイアードでは、高木秀彰さんの日本の自転車レース界に対するご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。

なお、ご葬儀の日時、場所などは分かり次第お伝えします。

綾野 真(編集部)
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