先週末にスイス南部で行われた伝統あるワンデーレース、GPルガーノでイウリィ・フィロージ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が初勝利。チームからのレポートを元に紹介します。



獲得標高5072mにものぼるグランプレミオ・チッタ・ディ・ルガーノ獲得標高5072mにものぼるグランプレミオ・チッタ・ディ・ルガーノ 5月7日(日曜日)にスイス南部のルガーノ近郊で開催されたワンデーレースが、グランプレミオ・チッタ・ディ・ルガーノ(通称GPルガーノ、UCI1.1)。今年で71回目を迎える伝統ある大会であり、伝統的にイタリアチームや選手がモチベーション高く臨んでくる大会だ。

スプリントで先着したイウリィ・フィロージ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)スプリントで先着したイウリィ・フィロージ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) 例年は春先開催だったが、今年は5月に変更されたため、UCIワールドチームはUAEチームエミレーツのみの参加に。NIPPOヴィーニファンティーニはダミアーノ・クネゴと好調を維持しているマルコ・カノラ(共にイタリア)らを主軸としたほか、小石祐馬を唯一の日本人選手としてスタートラインに並べた。

美しいルガーノ湖畔の山岳に用意された23.2kmの周回コースを8周するため、獲得標高は5072m。過酷な山岳コースでは序盤からアタック合戦が掛かり、35名が逃げる展開に。しかし「NIPPOも3人をそこに送り込んだが、エースの2人は後ろの集団に残ることになり、どのチームも引こうとしないのでベルラートと2人で集団を牽引した(小石)」とNIPPOが追走を試みる。

表彰台中央に登るイウリィ・フィロージ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)表彰台中央に登るイウリィ・フィロージ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) 追走の甲斐あって先頭集団を射程圏内に捕らえると、そこからクネゴやフィロージを含む10名程度が発進。先頭グループをキャッチすることに成功した。

やがて先頭からはダニエル・トュリク(チェコ、イスラエルサイクリングアカデミー)とマルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)が抜け出し、好調だったというフィロージが単独追走の末に合流。3名は逃げ切りの可能性を保持したまま最終局面に入り、最後の登坂でフィロージがアタックするとフラッポルティだけが合流。2名でフィニッシュに到達すると、早掛けしたフィロージがスプリントで先着した。

「第2集団に取り残されてしまったとき、希望を捨てずに走り続けることは簡単ではなかったけれど、先頭集団に追いつくことができ、今日はとても調子が良かったのでそこからアタックすることを決めた。逃げていた2人もとても速かったけれど、彼らに追いつき、最後の登坂で再度、アタックを仕掛けた。フラッポルティだけが付いてきたけど、最後はスプリントで勝つことができた」と語るフィロージは、プロ3年目の25歳。完走38名のみという過酷なレースでプロ初勝利を飾った。


レース展開はNIPPOヴィーニファンティーニのレポートより。



GPルガーノ2017結果
1位 イウリィ・フィロージ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)    5h04’13”
2位 マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
3位 ダヴィデ・オリッコ(イタリア、サンジェミニ・MGクヴィス)          +17”
4位 ダニエル・トュリク(チェコ、イスラエルサイクリングアカデミー)       +19”
5位 アンドレア・ヴェンドラメ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)       +1’17”
6位 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)         +1’22”
7位 マヌエルフランチェスコ・ボンジョルノ(イタリア、サンジェミニ・MGクヴィス)
8位 ヴェガールステイク・ラエンゲン(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
9位 アレッサンドロ・ビゾルティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
10位 マヌエル・ディアス(スペイン、イスラエルサイクリングアカデミー)
DNF 小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)

text:So.Isobe

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