4月8日と9日の2日間に渡り、チャレンジサイクルロードレースが行われた。男子エリートのA-Eクラスは、伏兵・横塚浩平が優勝。U23のA-Uでは尾形尚彦、女子のA-Fは中学3年生の渡部春雅が優勝した。



春の風物詩、修善寺の桜とチャレンジロード春の風物詩、修善寺の桜とチャレンジロード photo:Satoru.kato
真剣な眼差しでスタートを待つ小学生クラス真剣な眼差しでスタートを待つ小学生クラス photo:Satoru.kato今年42回目の開催となる通称「チャレンジロード」。このレースを語る時、「春の訪れ」や「新年度最初の」という枕詞が浮かぶ。今年はツール・ド・とちぎに「新年度最初の」レースは譲った形になったが、それでも大学生や高校生などが多く出場するチャレンジロードは、新学年になって最初のレースだ。

今年から2日間開催となり、8日の土曜日はマスターズ(A-M)とユース(A-Y)、ジュニア(A-J)が行われ、エリート(A-E)、アンダー23(A-U)、女子(A-F)と一般クラスは9日に行われる。

初日は霧雨のような雨が断続的に降り続けるも、気温は18℃前後と寒さは感じない程度。2日目は朝から雨と霧が交互に襲い、昼過ぎにスタートした女子のレースの頃からは冷たい風が強くなった。静岡県内では今年の最高気温を記録したところもあったが、会場の日本サイクルスポーツセンター周辺での最高気温は13℃から14℃と、寒い1日となった。

男子エリート(A-E) 牽制の隙をついた横塚浩平が優勝

男子エリートのA-Eクラスは、5kmサーキットを13周+4kmの69km。4周目に6人の逃げ集団が形成され、5周目にはメイン集団との差は1分まで開く。メンバーは、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、秋丸涌哉、西村大輝(シマノレーシング)、早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)、吉岡直哉(那須ブラーゼン)、横塚浩平(LEOMOベルマーレレーシングチーム)。

スタートラインに並んだA-E出場選手。直前に降った雨で路面は濡れたままスタートラインに並んだA-E出場選手。直前に降った雨で路面は濡れたまま photo:Satoru.katoA-E 序盤に形成された6人の集団A-E 序盤に形成された6人の集団 photo:Satoru.kato

A-E 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を先頭に行く5人の逃げ集団A-E 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を先頭に行く5人の逃げ集団 photo:Satoru.katoA-E 後続集団もレース終盤には人数がかなり減った状態にA-E 後続集団もレース終盤には人数がかなり減った状態に photo:Satoru.kato


5周目に入部正太朗(シマノレーシング)が追走して合流するも、その後遅れて再び6人に。6周目には吉岡が遅れて5人となる。後続との差は2分まで開き、メイン集団と呼べるほどの塊がない状態。勝負は先行する5人に絞られた。

逃げ集団の中では岡と早川がペースを上げるが、バラけることなく最終周回に突入。ゴール前の登りで牽制が入ったところで横塚が一気に飛び出す。不意をつかれた他の4人は横塚を追い切れず、10秒近い差をつけて横塚が先頭でゴール。2位に早川、3位に岡が続いた。

A-E 一瞬の隙をついた横塚浩平(LEOMO ベルマーレレーシングチーム)が優勝A-E 一瞬の隙をついた横塚浩平(LEOMO ベルマーレレーシングチーム)が優勝 photo:Satoru.kato
A-E 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)が2位、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が3位A-E 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)が2位、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が3位 photo:Satoru.katoA-E 表彰式A-E 表彰式 photo:Satoru.kato


「最終周回に入る直前の登りできつくなってちぎれそうになったけれど、その後の下りで余裕をもって追いつく事が出来て、息を整える事が出来ました。それでラストで仕掛ける余裕が出来ました。」と、今日の勝負どころを振り返る横塚。「先週の都ロードでも同じこのコースで勝っていて、その時に(最後のスプリントで)自分が踏み切れる距離を把握していました。なので今日は出し惜しみせずに全てを出し切って勝負しました。今日勝てたのは嬉しいですが、ついて行くだけで精一杯な部分もあったので、まだまだ力不足だと感じています。今回の勝利を糧にして次につなげていきたいです。」と、反省を交えつつ次の勝利を目標に挙げた。

一方、2位の早川は「顔色見てもみんなきつそうだったし、最後のところでは岡選手を警戒していたんですが、行かれてしまいました。脚はあったんですけれど、牽制してしまった。勇気を振り絞ってもがききった人が勝ったレースでしたね。」と、敗因を語った。

A-E 結果(69km)
1位 横塚浩平(LEOMO ベルマーレレーシングチーム) 1時間58分19秒 34.98km/h
2位 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム) +7秒
3位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +10秒
4位 秋丸湧哉(シマノレーシング) +21秒
5位 西村大輝(シマノレーシング) +34秒
6位 入部正太朗(シマノレーシング) +2分59秒



男子U23(A-U) 僅差のスプリント勝負を尾形尚彦が制する

男子エリートと4分差の時差出走となった男子U23のA-Uは、11周+4kmの59km。スタート直後に6人が抜け出し、メイン集団に10秒ほどの差をつける。しかしレース中盤に吸収されたのち、逃げ集団が再構築される。メンバーは、武山晃輔、沢田桂太郎(日本大学)、齋藤瞭太(日本体育大学)、尾形尚彦(中央大学)、猿田匠海(東北学院大学)、吉岡衛(京都産業大学)、大前翔(東京VENTOS)の7名。

A-U レース中盤に再構成された7人の逃げ集団A-U レース中盤に再構成された7人の逃げ集団 photo:Satoru.katoA-U 逃げ集団を追う追走集団A-U 逃げ集団を追う追走集団 photo:Satoru.kato

A-U 最終周回に逃げを打った橋詰丈(中央大学)A-U 最終周回に逃げを打った橋詰丈(中央大学) photo:Satoru.katoA-U 尾形尚彦(中央大学)がわずかに先着して優勝A-U 尾形尚彦(中央大学)がわずかに先着して優勝 photo:Satoru.kato


これを中井唯晶(京都産業大学)、橋詰丈(中央大学)ら6名が追いかけ、残り2周で合流する。最終周回、橋詰丈(中央大学)が単独で飛び出し、10秒ほど先行するも吸収。その後、尾形ゴール勝負へ。先行した尾形が僅差で先着して優勝した。

尾形は「雨でコンディションの悪い中でのレースでしたが、自分のベストを尽くそうと思って走りました。最終周回前に橋詰先輩が仕掛けたのでそれを無駄にしてはいけないと。最後のスプリントはいっぱいいっぱいだったですが、絶対に勝ちたいという気持ちが体を動かした気がします。」と、語った。

A-U 表彰式A-U 表彰式 photo:Satoru.kato
A-U 結果(59km)
1位 尾形尚彦(中央大学) 1時間43分47秒 34.1km/h
2位 中井唯晶(京都産業大学) +0秒
3位 武山晃輔(日本大学) +10秒
4位 野本 空(明治大学) +11秒
5位 岡部祐太(日本体育大学) +12秒
6位 和田 樹(朝日大学) +13秒



女子(A-F) 中学3年生の渡部春雅が優勝

A-F 序盤から積極的に動いた渡部春雅(GIANT港北Liv)A-F 序盤から積極的に動いた渡部春雅(GIANT港北Liv) photo:Satoru.katoA-F 渡部春雅(GIANT港北Liv)と大堀博美(Yokosuka Uno Racing)の2人が抜け出すA-F 渡部春雅(GIANT港北Liv)と大堀博美(Yokosuka Uno Racing)の2人が抜け出す photo:Satoru.kato女子のレースは4周+4kmの24km。序盤に8人ほどが先行し、その中から渡部春雅(GIANT港北Liv)と大堀博美(Yokosuka Uno Racing)の2人が抜け出す。後続との差は大きく開き、最後は渡部と大堀の1対1の勝負へ。ゴール前の登りスプリント勝負で渡部が大堀を下して優勝した。

「雨も風も強いレースでしたが、楽しんで力を出し切ろうと思って走りました。昨年は最後のスプリントで負けてしまったので、今年は積極的に行きました。大堀選手は強くて、引き離したかったけれどなかなか離せませんでした。」と、レースを振り返る。この春から中学3年生の渡部は、「トライアスロンやトレイルランもやっているので、ロードレースだけでなく、色々な種目で勝てるようになりたいです。」と、今後の目標を語った。

2位の大堀は、「何度か仕掛けてて引き離そうとしたけれど出来なくて、最後の登りでもう一回仕掛けようと思っていたが、先に行かれてしまった。力不足でしたね。」と、反省する。昨年は怪我のためほとんどレースに出られず、ようやく自転車に乗れるようになったという。「今は練習メニューを考えて出来るところからやっています。昨年は全日本選手権に出られなかったので、今年は出たいです。」と、目標を語った。

A-F 渡部春雅(GIANT港北Liv)が大堀博美(Yokosuka Uno Racing)を下して優勝A-F 渡部春雅(GIANT港北Liv)が大堀博美(Yokosuka Uno Racing)を下して優勝 photo:Satoru.kato
A-F 結果(24km)
1位 渡部春雅(GIANT港北Liv)★ 48分54秒 29.43km/h
2位 大堀博美(Yokosuka Uno Racing) +1秒
3位 酒井美有★   +2分8秒
4位 石上夢乃(横浜創学館高校)★ +2分34秒
5位 平尾愛菜(岐阜第一高校)★ +3分8秒
6位 谷 伊央里(日本体育大学) +3分46秒
★は女子ジュニア(A-Fj)



8日のレースと結果
マスターズ(A-M)34km


A-M 自転車を高くかかげてゴールする半澤雄高(LinkTOHOKU)A-M 自転車を高くかかげてゴールする半澤雄高(LinkTOHOKU) photo:Satoru.katoA-M 表彰A-M 表彰 photo:Satoru.kato


スタート直後から、半澤雄高(LinkTOHOKU)が単独先行。加納篤(Vc fukuokaサイクルフリーダム)と山本裕昭(BONDS静岡サイクルRT)の2人が追いかけるも、1分差をつけた半澤がそのまま逃げ切り、昨年に続き2連覇達成。

半澤コメント 「集団のペースが遅めだったので様子見で飛び出したら誰もついて来なかったので、距離は短いし雨だから1人のほうが安全かなと思ってそのまま行きました。連覇を狙っていたので、勝てて安心しました。」

1位 半澤雄高(LinkTOHOKU) 1時間0分54秒 33.48km/h
2位 加納 篤(Vc fukuokaサイクルフリーダム) +28秒
3位 山本裕昭(BONDS静岡サイクルRT) +40秒
4位 窪田博英(八ヶ岳CYCLING CLUB) +1分21秒
5位 岩波信二( 八ヶ岳CYCLING CLUB) +1分31秒
6位 早瀬憲太郎(日本ろう自転車競技協会) +1分34秒


ユース(A-Y) 34km

A-Y レース中盤に津田悠義(EQUADS)と寺田吉騎(VIVACE-掛川)が抜け出すA-Y レース中盤に津田悠義(EQUADS)と寺田吉騎(VIVACE-掛川)が抜け出す photo:Satoru.katoA-Y 津田悠義(EQUADS)が昨年に続き連覇A-Y 津田悠義(EQUADS)が昨年に続き連覇 photo:Satoru.kato


レース序盤に数名が先行し、その中から津田悠義(EQADS)と寺田吉騎(VIVACE-掛川)の2人が抜け出す。残り3周で津田が独走態勢に入り、そのまま逃げ切った。

津田コメント 「ペースを上げたら後ろがちぎれたので、自分を信じてそのまま行く事にしました。チャレンジロードは勝ちたいレースだったので嬉しいです。もっと上を目指して頑張ります。」

1位 津田悠義(EQUADS) 59分45秒
2位 寺田吉騎(VIVACE-掛川) +1分4秒
3位 湯浅博貴(栄北高校) +2分8秒
4位 長田華山(ブラウブリッツェン) +2分36秒
5位 山之内壮真(横浜高校) +2分40秒
6位 海野晋作(VENTOS FRECCIA) +2分41秒



男子ジュニア(A-J)39km

ジュニアは2組に分けて行われ、どちらも集団のままレースが進行し、ゴール前の登りスプリント勝負へ。1組は松村恭輔(栄北高校)、2組は香山飛龍(横浜高校)が優勝した。

A-J1組 僅差のスプリント勝負を松村恭輔(栄北高校)が制するA-J1組 僅差のスプリント勝負を松村恭輔(栄北高校)が制する photo:Satoru.katoA-J1組 表彰A-J1組 表彰 photo:Satoru.kato

A-J2組 登りで仕掛けた香山飛龍(横浜高校)が優勝A-J2組 登りで仕掛けた香山飛龍(横浜高校)が優勝 photo:Satoru.katoA-J2組 表彰A-J2組 表彰 photo:Satoru.kato


松村コメント 「登りが得意なので、このレースは勝たないといけないと思っていました。高校選抜がダメだったので、勝てて良かったです。」

香山コメント 「最後の登りに入る手前の下りで、同じ横浜高校の福田選手がしかけたのでついて行き、登りに入って自分がしかけました。下りは自信がないけれど登りは得意なので、自分のペースで最後まで行きました。」

A-J 1組
1位 松村恭輔(栄北高校) 1時間6分39秒 35.1km/h
2位 依田翔大(甲府工業高校) +0秒
3位 篠田幸希(日本体育大学)
4位 今﨑勇希(栄北高校) +1秒
5位 山岸大地(保土ヶ谷高校) +3秒
6位 津田悠太(伊豆総合高校) +4秒

A-J 2組
1位 香山飛龍(横浜高校) 1時間7分33秒
2位 中村龍吉(学法石川高校) +1秒
3位 馬越裕之(榛生昇陽高校) +2秒
4位 福田圭晃(横浜高校)
5位 加藤拓斗(東北高校)
6位 山本哲央(韮崎高校) +3秒

text&photo:Satoru.Kato
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