リッチーより、高トラクションと軽量性を両立したシクロクロス/グラベルロード用チューブレスレディタイヤ「CROSS MEGABITE WCS」が登場。サイクルハウスミカミの三上和志店長によるインプレッションとともに紹介しよう。



リッチー CROSS MEGABITE WCSリッチー CROSS MEGABITE WCS photo:MakotoAYANO/cyclowired.jp
アメリカのMTBレジェンドライダー、トム・リッチー氏が独自の設計哲学とともに率いてきたパーツブランド、リッチー。氏自身がロードバイク、マウンテンバイク、シクロクロスバイクと各ジャンルに精通しており、特にMTBに関してはレース機材として十分な強度を確保しつつ、軽量化を図ったフレームや各種パーツ類を揃え、昔から定番ブランドとして人気を博してきた。

今回紹介するCROSS MEGABITE WCSは、MTB用タイヤのノウハウを落とし込んだ38mm幅のチューブレスレディタイヤであり、シクロクロスやグラベルロードに向けた新製品。同ブランドが誇る往年の名タイヤ「MEGABITE」のトレッドパターンを現代に復活させ、さらにブラッシュアップさせた一品である。

均一な高さのノブが配される往年のトレッドパターンを採用均一な高さのノブが配される往年のトレッドパターンを採用 VFAテクノロジーにより、あらゆる角度に対して高いトラクションを実現するVFAテクノロジーにより、あらゆる角度に対して高いトラクションを実現する


最大の特徴はブロックパターンにある。本来のグリップ力に加えて高次元のトラクション性能を付加するべく、リッチー独自のノブ最適化技術VFA(Vector Force Analysis)を適用。コーナリング、ブレーキング、クライミング、およびダウンヒルの際に遭遇する様々な方向の力を、各ノブが垂直に捉えるように配置されている。

今年のシクロクロス世界選手権では、優勝したワウト・ファンアールト(ベルギー)が、秘蔵タイヤのトレッドを組み合わせたチューブラータイヤを使っていたことが話題になったが、同じようにヨーロッパプロがMEGABITEタイヤのトレッド部を張り付けた特注チューブラーを使っている事例もあるのだそう。そんな逸話がMEGABITEシリーズの性能の高さを物語っている。

トレッドは2種類の材料を組み合わせるデュアルコンパウンド仕様。チューブレスレディのロゴ表記もトレッドは2種類の材料を組み合わせるデュアルコンパウンド仕様。チューブレスレディのロゴ表記も
今回試したCROSS MEGABITE WCSは38mm幅のワンサイズ設定であり、最上級カテゴリーのシクロクロスレースでは使用不可である点が注意。チューブレスレディタイヤのため、使用時にはシーラントも用意して欲しい。今回はシクロクロスやMTBエンデューロでトップカテゴリーを走るサイクルハウスMIKAMIの店主、三上和志さんにインプレッションして頂いた。



ー インプレッション

「コーステープの外にCXバイクを連れ出したい方に」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

「シクロクロスバイクのライドの幅を広げてくれるタイヤ」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)「シクロクロスバイクのライドの幅を広げてくれるタイヤ」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)
太いタイヤ幅と高いトラクション性能を持ち合わせており、シクロクロスバイクに組み合わせることでトレイルライドにも対応する、いわゆるモンスタークロス的な走りができる製品だと感じました。パンクをあまり気にせず山やダートライドで遊びたい、でもMTBは持っていないので手持ちのシクロクロスバイクでどうにかしたい、と考えている方にとっての良い選択肢になるでしょう。

MEGABITEの性能面での特徴は、ノブ同士が名前の通り地面を挟み込むようにグリップすることです。特に縦方向にしっかり噛み付くように路面を捉えるため、ブレーキング時のしっかり感と、加速時のトラクションに優れています。ノブには柔らかさを感じますが、トレッドの間隔が狭いのでグリップが腰砕けにならないのが良いですね。

「トレイルのシングルトラックにも十分対応した高いトラクション」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)「トレイルのシングルトラックにも十分対応した高いトラクション」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)
加えて、全てのノブ高が均一でバイクを倒し込んだ時にグリップがすっぽ抜けずらく、不安感を感じにくい点も好印象でした。グリップの絶対値はそこまで高くないのですが、滑り始めがマイルドでコントローラブル。安全な範囲で滑りをコントロールしていく楽しみも味わえると思います。

ノブがそこまで高くないため走行抵抗も低く、アスファルトの路面でも走りが重くなりません。タイヤ中央部に互い違いになったノブパターンで配されることで、センターリッジタイヤのような転がりの低さを生み出しているのでしょう。それでいてサイドのノブがきちんと作用するので、一般的なブロックタイヤ=舗装路の走りがルーズという図式はあまり当てはまらないようです。アスファルトからシングルトラックまで幅広く使えるので、ダートを舗装路で繋いでいく走り方にも向きますよ。

牙を模した遊びのあるロゴが配される牙を模した遊びのあるロゴが配される 38Cの極太タイヤなのでフレームクリアランスには注意が必要だ38Cの極太タイヤなのでフレームクリアランスには注意が必要だ

縦方向にしっかり噛み付くように路面を捉え、制動時と加速時のトラクションに優れる縦方向にしっかり噛み付くように路面を捉え、制動時と加速時のトラクションに優れる
体重に左右されますが、個人的にはアスファルトでは4気圧、シングルトラックでは3気圧がベスト。空気圧が低く転がりが重くなる部分は脚力でカバーして、逆に路面を弾いてしまうようなコンディションならテクニックなりスピードを落とすなりで対応して走ってほしいと思います。

C1カテゴリーでなければシクロクロスレースでも使用できるタイヤだとは思いますが、使い勝手としては競技用というよりは遊び志向が強いタイヤです。もちろんMTBタイヤと比べることはできませんが、エアボリュームも十分で路面のギャップには強い。シクロクロスバイクでもっとダイナミックに走って遊ぶスタイルを求める方にオススメです。

リッチー CROSS MEGABITE WCS
タイヤタイプ:チューブレスレディ
ケーシング:120TPI
サイズ:700×38C
重量:410g
最大空気圧:120psi/8.5Bar
価格:7,000円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

三上和志(サイクルハウスMIKAMI)三上和志(サイクルハウスMIKAMI) 三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

埼玉県飯能市にある「サイクルハウスMIKAMI」店主。MTBクロスカントリー競技で活躍し、ショップオープン以降も抜群のセンスと渋さを極めたテクニックを武器に、2008年にはマスターズ全日本選手権で優勝。現在でもシクロクロスでは最上級カテゴリーのC1、ENS(ナショナルエンデューロシリーズ)でもトップDHプロに混じって最上級のAAカテゴリーで走る技巧派ライダー。気さくな人柄で遠方から訪ねるユーザーも数多い。

サイクルハウスMIKAMI
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text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO,So.Isobe
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