インカレトラック最終日は宮本隼輔(中央大学)がケイリンとスプリントの2冠を達成。団抜き決勝は朝日大学が4分10秒794で鹿屋体育大学を下し優勝。総合は鹿屋体育大学が59点で首位、2位は中央大学54点と小差で翌日のロードレースを迎える。



男子4kmチームパーシュート決勝 1位 朝日大学男子4kmチームパーシュート決勝 1位 朝日大学 photo:Hideaki TAKAGI
8月27日(土)伊豆ベロドロームにてインカレ3日目トラック最終日、各種目の決勝などが行われた。ここまでハイレベルの戦いが続いたインカレだがこの日も好タイムが続出し、もはや数年前までのタイムに対する考えが変わるほどの結果を出している。これは伊豆ベロドロームでの走行機会が増えたこと、高速バンクの松本市美鈴湖競技場が完成したことも一因だ。

ケイリンとスプリントは宮本隼輔(中央大学)が優勝、インディヴィデュアルパーシュート男子は渡邊翔太郎(朝日大学)が、女子は橋本優弥(鹿屋体育大学)が優勝。チームスプリントは予選1位で学生新記録を樹立した鹿屋体育大学が優勝。そして最終種目のチームパーシュートは朝日大学が4分10秒794の好記録で優勝。これでトラック9種目中、法政大学が3種目、ほか鹿屋体育大学、中央大学、法政大学が2種目ずつ優勝し、鹿屋体育大学が59点でトラック1位になっている。

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男子チームスプリント

予選の順位が結果的にそのまま最終順位となった。1走から3走までに適したメンバーをそろえることが重要だが、優勝した鹿屋体育大学はロードスプリンターの黒枝咲哉を起用。予選でスタート1周の2番時計をマークしていた黒枝は、野上竜太そして1km優勝の堀航輝へつないだ。全日本選手権に優勝していたためチャンピオンジャージで出走した。
1位 鹿屋体育大学 45秒966(予選時)学連新・大会新
2位 日本大学 46秒606(予選時)
3位 中央大学 46秒696
4位 朝日大学 46秒740
5位 早稲田大学 47秒132
6位 明治大学 47秒144
7位 順天堂大学 48秒080
8位 法政大学 48秒093

男子チームスプリント 1位 鹿屋体育大学男子チームスプリント 1位 鹿屋体育大学 photo:Hideaki TAKAGI男子チームスプリント 2位 日本大学男子チームスプリント 2位 日本大学 photo:Hideaki TAKAGI

女子3kmインディヴィデュアルパーシュート

予選で3分43秒の好タイムを記録していた橋本優弥(鹿屋体育大学)が優勝。3分45秒を切ることが日本女子では今までトップレベルだったが、7月に3分37秒の日本記録を出した梶原悠未(筑波大学)が遠征で不在のため「もっとタイムを出して強くならねば」と橋本は気を引き締める。
1位 橋本優弥(鹿屋体育大学)3分43秒315(予選時)大会新
2位 古山稀絵(日本体育大学)3分51秒220(予選時)
3位 中井彩子(鹿屋体育大学)3分51秒604

女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 1位 橋本優弥(鹿屋体育大学)女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 1位 橋本優弥(鹿屋体育大学) photo:Hideaki TAKAGI女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 2位 古山稀絵(日本体育大学)女子3kmインディヴィデュアルパーシュート 2位 古山稀絵(日本体育大学) photo:Hideaki TAKAGI

男子4kmインディヴィデュアルパーシュート

2014年に原田裕成が出した4分33秒784が大会記録だったが、予選でこれを2秒縮めた渡邊翔太郎(朝日大学)が決勝で勝利。松本憲斗(鹿屋体育大学)は予選よりも1秒以上縮めて3位に。1kmとともにハイレベルを象徴する種目となった。
1位 渡邊翔太郎(朝日大学)4分31秒686(予選時)大会新
2位 今村駿介(中央大学)4分32秒769(予選時)
3位 松本憲斗(鹿屋体育大学)4分33秒167
4位 安田京介(京都産業大学)4分34秒636(予選時)
5位 鈴木康平(法政大学)4分39秒030
6位 中西健児(同志社大学)4分39秒067
7位 安田開(日本体育大学)4分39秒877
8位 佐々木真也(日本大学)4分40秒365

男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 1位 渡邊翔太郎(朝日大学)男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 1位 渡邊翔太郎(朝日大学) photo:Hideaki TAKAGI男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 2位 今村駿介(中央大学)男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 2位 今村駿介(中央大学) photo:Hideaki TAKAGI

ケイリン

予選から順当に勝ち上がったメンバーにより行われた決勝。ラスト2周で坂井洋(日本大学)が先頭に出るが、冷静に対応した宮本隼輔(中央大学)が最終周回に追い上げ、フィニッシュライン手前で坂井をかわし優勝した。
1位 宮本隼輔(中央大学)10秒62
2位 坂井洋(日本大学)
3位 安本昇平(鹿屋体育大学)
4位 藤根俊貴(順天堂大学)
5位 田村太一(東海大学)
6位 森本尊也(明治大学)
7位 佐藤啓斗(早稲田大学)
8位 深沢拓(日本体育大学)

ケイリン決勝 最終周回へケイリン決勝 最終周回へ photo:Hideaki TAKAGIケイリン決勝 宮本隼輔(中央大学)が優勝ケイリン決勝 宮本隼輔(中央大学)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI

タンデムスプリント

1位 法政大学
2位 鹿屋体育大学
3位 朝日大学
4位 空位
5位 早稲田大学
6位 中央大学
7位 順天堂大学
8位 東北学院大学

タンデムスプリント決勝 法政大学ペアが優勝タンデムスプリント決勝 法政大学ペアが優勝 photo:Hideaki TAKAGIタンデムスプリント 表彰タンデムスプリント 表彰 photo:Hideaki TAKAGI

女子スプリント

1位 清水知美(八戸学院大学)
2位 西島叶子(鹿屋体育大学)
3位 岡本二菜(日本体育大学)

女子スプリント決勝 清水知美(八戸学院大学)が優勝女子スプリント決勝 清水知美(八戸学院大学)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI女子スプリント 岡本二菜(日本体育大学)が3位に女子スプリント 岡本二菜(日本体育大学)が3位に photo:Hideaki TAKAGI

男子スプリント

予選4位の宮本と同6位の坂本による決勝は2本とも宮本が力と技でねじ伏せ優勝。ケイリンもこの2人の最終勝負だったが、宮本はこれで短距離種目2冠を達成した。
1位 宮本隼輔(中央大学)
2位 坂井洋(日本大学
3位 沢田桂太郎(日本大学)
4位 空位
5位 橋本瑠偉(明治大学)
6位 後藤悠(早稲田大学)
7位 野上竜太(鹿屋体育大学)
8位 堀航輝(鹿屋体育大学)

男子スプリント決勝 宮本隼輔(中央大学)が1本目を取る男子スプリント決勝 宮本隼輔(中央大学)が1本目を取る photo:Hideaki TAKAGIケイリンとスプリント優勝の宮本隼輔(中央大学)は両親に金メダルをプレゼントケイリンとスプリント優勝の宮本隼輔(中央大学)は両親に金メダルをプレゼント photo:Hideaki TAKAGI

4kmチームパーシュート

トラック最終決勝種目は、上位4校ともに予選タイムを上回る白熱した戦いとなった。2014年に中央大学が樹立した学連記録の4分10秒347に迫る4分10秒794を出して優勝したのは朝日大学。中盤まで鹿屋体育大学が3秒ほどと大きくリードしていたが最終半周で逆転し、同校創部以来のインカレ初優勝。山崎監督は「終盤に上げていくのはうちのやり方。ラスト4周で上げるようにしている。4分08秒が目標だったがおよそ設定タイムに近いペースで走り切った結果」と選手もあせることなく走ったことが勝因。対する鹿屋体育大学は予選とメンバーを入れ替え橋本直を起用。予選タイムを2秒縮め、橋本英也と原田裕成がいた当時の記録を塗り替えたが僅差で敗れた。
1位 朝日大学 4分10秒794
2位 鹿屋体育大学 4分11秒088
3位 中央大学 4分13秒852
4位 日本大学 4分14秒712
5位 日本体育大学 4分18秒027
6位 法政大学 4分20秒128
7位 京都産業大学 4分20秒645
8位 早稲田大学 4分22秒471

男子4kmチームパーシュート 創部以来初のインカレ団抜き優勝の朝日大学男子4kmチームパーシュート 創部以来初のインカレ団抜き優勝の朝日大学 photo:Hideaki TAKAGI男子4kmチームパーシュート決勝 2位 鹿屋体育大学男子4kmチームパーシュート決勝 2位 鹿屋体育大学 photo:Hideaki TAKAGI

男子4kmチームパーシュート 中央大学が3位に男子4kmチームパーシュート 中央大学が3位に photo:Hideaki TAKAGI男子4kmチームパーシュート 表彰男子4kmチームパーシュート 表彰 photo:Hideaki TAKAGI

大学対抗総合成績 トラック終了時

男子は鹿屋体育大学が59点で1位、中央大学が54点で2位と続く。今までにない小差で翌日のロードレースを迎える。トラック+ロードの総合優勝の行方はそのためロードレースが終わるまでわからない。ロードは各校上位3人までのポイントが加算される。そのポイントは1位14点から20位1点まで。最大36点得られ、5位の朝日大学まで逆転のチャンスはあるが、最終種目特有の駆け引きもあるため満点を取ることは現実的ではない。各校ともにロードでの個人成績と大学対抗の総合成績のバランスをどうとるかが思案のしどころだ。

男子
1位 鹿屋体育大学 59点
2位 中央大学 54点
3位 日本大学 42点
4位 法政大学 40点
5位 朝日大学 38点
6位 早稲田大学 22点
7位 京都産業大学 18点
8位 日本体育大学 15点

女子
1位 鹿屋体育大学 39点
2位 日本体育大学 32点
3位 八戸学院大学 14点

photo&text:高木秀彰
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