インターハイ・トラック競技最終日は、男子7種目、女子2種目で決勝が行われた。1㎞タイムトライアルでは、岐阜第一の山田諒が大会新記録でインターハイ連覇。トラック総合成績は別府商・別府翔青が優勝した。



インターハイ・トラック3日目は日曜日とあって多くの観客が集まったインターハイ・トラック3日目は日曜日とあって多くの観客が集まった photo:Satoru.Kato1kmタイムトライアルを中断するほどになった大雨1kmタイムトライアルを中断するほどになった大雨 photo:Satoru.Kato


連日猛暑日の中での開催となった今年のインターハイ・トラック競技。最終日は競技が一時中断されるほどの大雨が降り、一時的に気温は下がったようにも感じられた。雨がやんだ後は急激に晴れたため、湿度がさらに高くなるという厳しい一日となった。



1kmタイムトライアル 20年ぶりの大会記録更新

1kmタイムトライアル優勝 山田 諒(岐阜第一) 1分5秒1971kmタイムトライアル優勝 山田 諒(岐阜第一) 1分5秒197 photo:Satoru.Kato
1kmタイムトライアル2位 治田知也(吉田) 1分5秒6271kmタイムトライアル2位 治田知也(吉田) 1分5秒627 photo:Satoru.Kato1kmタイムトライアル 表彰式1kmタイムトライアル 表彰式 photo:Satoru.Kato


42人が出走した1kmタイムトライアルは雨による中断を挟む事になったが、それでも上位28名が1分10秒を切る好タイムが続出した。最終組で走った山田諒(岐阜第一)と治田知也(吉田)が、共に1分5秒台の大会新記録。現在は競輪選手の佐々木雄一が1996年に出した1分6秒240を20年ぶりに塗り替えた。

昨年に続き連覇した山田は「もっと良いタイムだと思っていたので、物足りないと言うか、残念な気持ちです。」と、やや不満げ。「1分4秒台前半、運が良ければ3秒台を目標としていました。途中の雨でトラックがやや重く感じた事と、中断で時間がずれたので集中を維持しきれなかった事が今回の反省点です。」と、連覇の喜びよりも反省点を挙げる。「ジュニアオリンピックカップではもっと良い結果を出したい。そして競輪学校に合格する事が今後の目標です。」と、語った。

1kmタイムトライアル 結果
1位 山田 諒(岐阜第一) 1分5秒197 大会新
2位 治田知也(吉田) 1分5秒627 大会新
3位 五味大征(暁) 1分6秒358
4位 伊藤歩登(神戸弘陵) 1分6秒371
5位 岸田 剛(福井科技) 1分6秒521
6位 石井洋輝(白河実業) 1分7秒269
7位 中野慎詞(紫波総合) 1分7秒322
8位 清水大樹(横浜) 1分8秒014



スプリント 甲斐俊祐が優勝

スプリント決勝 甲斐俊祐(別府商・別府翔青)が2本連取で優勝スプリント決勝 甲斐俊祐(別府商・別府翔青)が2本連取で優勝 photo:Satoru.Kato
スプリント決勝 2本目 黒瀬浩太郎(崇徳)の隙をついて仕掛ける甲斐俊祐(別府商・別府翔青)スプリント決勝 2本目 黒瀬浩太郎(崇徳)の隙をついて仕掛ける甲斐俊祐(別府商・別府翔青) photo:Satoru.Katoスプリント 3・4位決定戦 荒川 仁(千葉経済)が2本連取して3位スプリント 3・4位決定戦 荒川 仁(千葉経済)が2本連取して3位 photo:Satoru.Kato


スプリント 表彰式スプリント 表彰式 photo:Satoru.Kato予選2位の甲斐俊祐(別府商・別府翔青)と、敗者復活戦から勝ち上がった黒瀬浩太郎(崇徳)の対戦となったスプリント決勝。黒瀬の先駆けを封じて、逆に先駆けした甲斐が2本連取で優勝。チームスプリントと合わせて2冠を達成した。

「黒瀬選手の先駆けは警戒していました。2本目に仕掛けたタイミングはたまたま開いた感じになったので行きました。まくれる自信がなかったので、タイミングがずれていたらダメだったと思います」と、決勝を振り返る。一方、2位に終わった黒瀬は、悔しさを隠さない。「悔しいです。このバンクは先駆けが有利だと感じていたので、決勝もそうしたかった。力不足でした。来年は勝ちます。」と、語った。

スプリント 結果(タイムは予選200mフライングタイムトライアル)
1位 甲斐俊祐(別府商・別府翔青) 10秒790
2位 黒瀬浩太郎(崇徳) 11秒190
3位 荒川 仁(千葉経済) 10秒870
4位 安倍大成(紫波総合) 10秒900
5位 吉元大生(静岡北) 10秒880
6位 梶原海斗(祐誠) 10秒910
7位 脇本勇希(福井科技) 10秒710
8位 真鍋智寛(松山聖陵) 10秒860



ポイントレース 混戦を中川涼が制する

男子ポイントレース 中川涼(浦和工)が1位でゴールして優勝を決める男子ポイントレース 中川涼(浦和工)が1位でゴールして優勝を決める photo:Satoru.Kato
男子ポイントレース レース中盤、同ポイントの中川涼(浦和工)と鵜沼利久(白河実業)がお互いをマーク男子ポイントレース レース中盤、同ポイントの中川涼(浦和工)と鵜沼利久(白河実業)がお互いをマーク photo:Satoru.Kato男子ポイントレース 表彰式男子ポイントレース 表彰式 photo:Satoru.Kato


21人が出走したポイントレース決勝。ポイントを大量に獲得する選手が出ないまま、混戦の状態でレースは進行。上位8人にトップでゴールすれば優勝する可能性がある状況で、最終周回に単独先行した中川涼(浦和工)が僅差で逃げ切り。ゴールポイントで逆転優勝を決めた。「途中で細かくポイントを重ねられたのでついてました。最後はここで行くしかないというところで仕掛けました。高校最後にインターハイで勝てて嬉しいです。」と語った。

ポイントレース決勝 結果(24km)
1位 中川 涼(浦和工) 15p
2位 矢部駿人(岡山工) 13p
3位 関根論容(叡明) 13p
4位 鵜沼利久(白河実業) 12p
5位 伊藤皓平(倉吉西) 11p
6位 亀谷昌慈(岐阜第一) 10p
7位 奥村十夢(榛生昇陽) 9p
8位 谷 和也(市立堺) 8p



女子 ポイントレースは池上あかり、ケイリンは細谷夢菜が優勝

女子ポイントレース レース後半を単独で逃げてポイントを重ねた池上あかり(祐誠)が優勝女子ポイントレース レース後半を単独で逃げてポイントを重ねた池上あかり(祐誠)が優勝 photo:Satoru.Kato
女子ケイリン 細谷夢菜(浦和工)が僅差で優勝女子ケイリン 細谷夢菜(浦和工)が僅差で優勝 photo:Satoru.Kato
女子のポイントレースは、池上あかり(祐誠)がレース後半を単独で逃げ続け、ゴールを含め1位通過を3回獲得して優勝。前日のスクラッチに続き2日連続で果敢な逃げを見せた池上は「ペースが緩くなったタイミングで仕掛けました。まだ勝ったという実感がないです。世界でも活躍している祐誠の先輩達に続けるように今後も頑張ります。」と、レース後に語った。

ケイリンの決勝は、細谷夢菜(浦和工)が僅差の勝負を制して優勝。500mタイムトライアルに続いて2冠を達成した。「勝つという目標は達成できたけれど、もっと差をつけて勝ちたかったです。」と、内容については反省を口にする細谷。「来年のジュニア世界選手権に向けて一からやり直します。」と、今後の目標を語った。

女子ポイントレース 表彰式女子ポイントレース 表彰式 photo:Satoru.Kato女子ケイリン 表彰式女子ケイリン 表彰式 photo:Satoru.Kato


女子ポイントレース 結果(12km)
1位 池上あかり(祐誠) 15p
2位 原田萌花(取手一) 9p
3位 岩元杏奈(都城工) 8p

女子ケイリン
1位 細谷夢菜(浦和工) 13秒670
2位 山口伊吹(鹿町工)
3位 阪本ほのか(榛生昇陽)



トラック総合成績は別府商・別府翔青が優勝

トラック競技総合 優勝した別府商・別府翔青トラック競技総合 優勝した別府商・別府翔青 photo:Satoru.Kato
3日間のトラック競技を終え、チームスプリント、スプリント、4㎞速度競争で優勝した別府商・別府翔青が、トラック競技の総合優勝を果たした。

明珍多久雄監督は、「練習では1分5秒台どまりだったチームスプリントで4秒台が出せた事は、うまく倉吉のバンクに合わせて調整出来た結果だと思います。他の競技でも、1人1人が力を出してくれました。総合優勝を狙って来たのは確かですが、実際に優勝出来るのは驚きでもありますし、とても嬉しいです。来年は学校が統合されて別府翔青となるので、別府商業のジャージでインターハイを走るのは今回が最後になります。有終の美を飾る事が出来て本当に良かったです。」と、今大会について語った。

インターハイの自転車競技は広島県立中央森林公園に場所を移し、8月2日にロードレースが行われる。



3kmインディヴィデュアルパーシュート 優勝 村田祐樹(氷見)3kmインディヴィデュアルパーシュート 優勝 村田祐樹(氷見) photo:Satoru.Kato4km速度競争 先行していた清水貴梨(甲府工・写真右端)を長松大祐(別府商・別府翔青)が最終コーナーで抜く4km速度競争 先行していた清水貴梨(甲府工・写真右端)を長松大祐(別府商・別府翔青)が最終コーナーで抜く photo:Satoru.Kato

スクラッチ 僅差のスプリント勝負を根本雄眞(学法石川)が制するスクラッチ 僅差のスプリント勝負を根本雄眞(学法石川)が制する photo:Satoru.Kato男子ケイリン 僅差の勝負を東矢圭吾(千原台)が制する男子ケイリン 僅差の勝負を東矢圭吾(千原台)が制する photo:Satoru.Kato


<その他結果>
3kmインディヴィデュアルパーシュート
1位 村田祐樹(氷見) 3分33秒609
2位 松本京太(静岡北) 3分33秒916
3位 中山 駿(日出総合) 3分35秒647
4位 河野翔輝(榛生昇陽) 3分38秒196
5位 大町健斗(安芸府中) 3分36秒772 以下予選時
6位 三宅大春(北桑田) 3分37秒004
7位 西冨昌輝(祐誠) 3分37秒570
8位 梅本泰生(石田) 3分38秒888

4km速度競争
1位 長松大祐(別府商・別府翔青) 4分53秒140
2位 清水貴梨(甲府工) 4分54秒750
3位 枠元一葵(福井科技) 5分0秒670
4位 芝田順之介(筑波大坂戸)
5位 小泉雄持(倉吉総産)
6位 町田龍士(城東工科)
7位 滝本幸正(吉田)
8位 森本桂太郎(松山聖陵)

スクラッチ
1位 根本雄眞(学法石川) 10分9秒990
2位 河藤相真(倉吉西)
3位 安彦統賀(川越工)
4位 菅原悠斗(岐阜第一)
5位 渡辺慶太(浦和工)
6位 瀧 一馬(開新)
7位 浜田 樹(大阪産大附)
8位 吉岡 衛(奈良北) 

ケイリン
1位 東矢圭吾(千原台) 11秒674
2位 高木郁哉(仙台商)
3位 村山悠人(川越工)
4位 福永大智(城東工科)
5位 篠田幸希(前橋工)
6位 長谷川聖汰郎(興國)
7位 塩島嵩一郎(南大隅)
8位 出口謙一郎(茨木工科)

text&photo:Satoru.kato

最新ニュース(全ジャンル)