7月17日、長野県の大町市で、「大町美麻ロードレース」が開催され、トップカテゴリーのクラス1+2は、岡本隼が優勝。昨年のインカレに続き、日本大学が大会2連覇を達成した。



山間部の集落の中を行く集団山間部の集落の中を行く集団 photo:Satoru.Kato


2周目、橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト)や岡本隼(日本大学)が前に出る2周目、橋本英也(NIPPOレーシングプロジェクト)や岡本隼(日本大学)が前に出る photo:Satoru.KatoRCSリーダージャージの野本空(明治大学)が集団前方の動きをチェックするRCSリーダージャージの野本空(明治大学)が集団前方の動きをチェックする photo:Satoru.Kato7周目 7人の逃げ集団7周目 7人の逃げ集団 photo:Satoru.Kato9周目 アタックした岡本隼(日本大学)を、冨尾大地(鹿屋体育大学)が追う9周目 アタックした岡本隼(日本大学)を、冨尾大地(鹿屋体育大学)が追う photo:Satoru.Kato長野県の県庁所在地・長野市から西へ車で約1時間ほどの所に位置する大町市の美麻地区。そこで毎年夏に開催されるのが「大町美麻ロードレース」だ。山間部に設定されたコースは、1周12.6㎞、高低差226m。国際レースの開催も考えられたハードなコースだ。

2009年にはJサイクルツアー(現Jプロツアー)として開催されたが、近年は大学生の大会として開催されており、昨年はインカレロードの舞台となった。今年は全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)第3戦としての開催となり、クラス1+2と、クラス3のレースが行われた。

当日の天気は曇り。気温は24℃前後で、やや肌寒さを感じる。スタート・ゴール地点周辺は一時大雨になったものの、場所によっては路面が乾いている場所も。午前10時過ぎにスタートしたクラス1+2のレース中は、陽が差してくる場面もあった。

クラス1+2 岡本隼が残り1周を独走して優勝

コースを13周回=164.8kmで行われたクラス1+2には、126人が出走。大学生の他に、前日まで行われていたインターナショナルトラックカップに出場していた橋本英也(NIPPO)と、ルーク・ノックス(Bendigo and District Cycling Club)が招待選手として出場した。

スタート直後の下り区間をパレード走行したのち、リアルスタートが切られるとアタック合戦が始まり、ハイペースでレースは進行。3周目、7人が飛び出し、30秒ほどの差をつける。その後4人がメイン集団からブリッジをかけて合流して11人に。さらに5周目には、RCSリーダージャージを着る野本空(明治大学)や、岡本隼(日本大学)ら4人が合流して15人の先頭集団が形成される。後続との差は1分まで開くが、それ以上に開く事はなく、6周目までに吸収される。

7周目に入る直前、松本祐典(明治大学)が単独で飛び出す。さらに石井駿平、馬渡伸弥(鹿屋体育大学)、片桐善也(日本大学)、斉藤瞭汰、小林泰正(日本体育大学)、風間翔眞(東北学院大学)の6人が追いついて7人の逃げ集団が形成される。約2分離れたメイン集団からは、岡本や野本、冨尾大地(鹿屋体育大学)ら7人が追走集団を形成。石井、片桐、斉藤が遅れて4人となった逃げ集団を9周目に捉え、11人の先頭集団が再形成される。



10周目 岡本隼(日本大学)と、冨尾大地(鹿屋体育大学)の2人が逃げる10周目 岡本隼(日本大学)と、冨尾大地(鹿屋体育大学)の2人が逃げる photo:Satoru.Kato


スプリントするかのようにゴールまでの登りを駆け上がる岡本隼(日本大学) omr_16 最後まで粘った冨尾大地(鹿屋体育大学)が2位スプリントするかのようにゴールまでの登りを駆け上がる岡本隼(日本大学) omr_16 最後まで粘った冨尾大地(鹿屋体育大学)が2位 photo:Satoru.Kato最後まで粘った冨尾大地(鹿屋体育大学)が2位最後まで粘った冨尾大地(鹿屋体育大学)が2位 photo:Satoru.Kato11周目に入る直前、岡本がアタック。この動きに反応出来たのは冨尾1人。2人は後続に1分以上の差をつけて逃げる。

途中、登りで冨尾が遅れかけると岡本は待つ余裕を見せる。しかし12周目の残り1㎞で冨尾を置き去りにして独走状態に。「一定間隔でついてきていたので、気を抜けなかった」と言う岡本だったが、最終周回の13周目を逃げ切った。最後は残り100mの登りをスプリントするように駆け上がり、小さく右手でガッツポーズをしながらゴールラインを越えた。

ロードレースでは勝てそうで勝てないレースが続いていたという岡本。3月の神宮クリテリウムで勝っているが、長距離のロードレースでは今年初優勝。日本大学としては、昨年インカレロードで優勝した吉田悠人に続いて大町美麻ロードレース2連覇となった。

「今日はあまり調子は良い方ではなかったけれど、ハイペースだったレース序盤に1年生らが集団の前で動いてくれたので、それが有利に働きました。冨尾選手と逃げていた時はだいぶ余力がありましたが、ラスト2周はペースを維持するのが厳しかったです」と、久々のロード優勝を振り返る。約1ヶ月後に迫ったインカレについては「トラックもロードも勝ちたいという想いはあります。窪木一茂選手のように、どちらも強くないと世界には通用しないと考えています」と、日大の偉大な先輩を引き合いに目標を語った。

クラス3 源田真也がスプリント勝負を制して優勝

114人が出走したクラス3は、4周回51.4kmで行われた。レースは決定的な逃げが決まる事なく、最後まで集団が崩れる事なく進行。最後はスプリント勝負となり、源田真也(大阪産業大学)が優勝した。



クラス1+2表彰式 米や自転車用品など山盛りの商品とクラス1+2表彰式 米や自転車用品など山盛りの商品と photo:Satoru.Kato
RCSリーダージャージは野本空(明治大学)が防衛RCSリーダージャージは野本空(明治大学)が防衛 photo:Satoru.Katoクラス3 源田真也(大阪産業大学)が優勝クラス3 源田真也(大阪産業大学)が優勝 photo:Satoru.Kato




クラス1+2結果(164.8㎞)
1位 岡本 隼(日本大学) 4時間21分40秒 37.79km/h
2位 冨尾大地(鹿屋体育大学) +1分43秒
3位 広瀬 樹(中央大学) +2分4秒
4位 武山晃輔(日本大学) +2分9秒
5位 野本 空(明治大学)
6位 金子智哉(早稲田大学)
7位 小林泰正(日本体育大学) +2分24秒
8位 小玉 凌(中京大学) +3分54秒
9位 風間翔眞(東北学院大学) +5分16秒
(完走9名)

スプリント賞
5周目 孫崎大樹(早稲田大学)
6周目・8周目 松本裕典(明治大学)

クラス3結果(51.4km)
1位 源田真也(大阪産業大学) 1時間19分37秒 38.74㎞/h
2位 元山高嶺(神戸大学) +0秒
3位 井上功一朗(東京大学)
4位 浅井孝文(神戸大学)
5位 岡本裕太郎(京都大学)
6位 上原聡太(一橋大学)
7位 熊谷飛鳥(関西大学)
8位 橋本 陸(中央大学)

text&photo:Satoru.Kato

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