2日連続のスプリントで決着したラ・ブエルタ・フェメニーナ第3ステージ。盤石なリードアウトからフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)がフォスを退け、勝利と共にマイヨロホに袖を通した。

マイヨロホを着て3日目に臨むレティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) photo:A.S.O. 
連勝狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
男子のグランツールシーズンの開幕を前に、ひと足早く女子はラ・ブエルタ・フェメニーナが開幕。マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の圧巻スプリントを披露した翌日、大会は第3ステージを迎えた。
バルセロナから西のバルバストロを出発するレースは、平坦路を進みウエスカにフィニッシュする132.4km。丘をいくつか越えるもののカテゴリー山岳はなく、フラットステージであるためスプリントの第2ラウンドが予想された。
体調不良のため前タイムトライアル世界王者クロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)やジョージア・ベイカー(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)が不出走。3年連続のマイヨプントス(ポイント賞)獲得に向け、白星発進となったマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)と、区間2位でマイヨロホを着用するレティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)を先頭に選手たちは走り出した。

マリーナ・ガラウ(ビーピンク・イマトラ・ボンジョアンニ)ら5名による逃げグループ photo:A.S.O.

晴天に恵まれたラ・ブエルタ・フェメニーナ第3ステージ photo:A.S.O.
母国スペイン出身の22歳、マリーナ・ガラウ(ビーピンク・イマトラ・ボンジョアンニ)ら5名が逃げグループを形成。最大3分あったタイム差は徐々に減っていき、残り60km地点で1分12秒まで縮まる。そして連勝狙うヴィスマ・リースアバイクとリドル・トレックが中心に牽引するプロトンは、残り33km地点で逃げを捉えた。
ひと塊となった集団は中間スプリントに突入し、フォスをフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が上回り最大25ポイントを獲得。また6秒のボーナスタイムも得た結果、バーチャルでヘリッツェが総合首位に躍り出る。前哨戦を終え、フィニッシュスプリントに向かうプロトンには横風が襲いかかった。

途中エシュロンが発生するものの、ひと塊に戻りウエスカ市街地に向かう photo:A.S.O.
残り30km地点で発生した集団分断(エシュロン)によって、昨日3位のアンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック)やキャニオン・スラム・ゾンダクリプトの総合エースであるニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア)などが遅れを喫する。しかし懸命な追走が実り、残り15km地点で合流に成功。そのまま集団はウエスカの市街地になだれ込んだ。
アメリカ王者ジャージが目立つクリステン・フォークナー(EFオートリー・キャノンデール)が先頭で残り2kmを通過。すると集団後方で落車が発生する。しかし前方にポジションを取っていたスプリンターたちに影響はなく、SDワークを先頭に最終ストレートに突入した。
アンナ・ファンデルブレッヘンからミーシャ・ブレーデウォルツ(共にオランダ)にリードアウトは引き継がれ、絶好の位置からヘリッツェがスプリントを開始する。その背後についていたフォスが横に並ぼうと踏み込むものの、先にヘリッツェがフィニッシュラインを通過。前日勝者のフォスを、その力でねじ伏せた。

スプリント勝利したフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.

チームメイトと勝利の喜びを分かち合うフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.
「まさか今日、勝てるとは思っていなかった。チームメイトによる完璧なリードアウトから教科書通りのスプリントができた。残り175mくらいから踏み込み、迫るフォスを感じ、さらに加速することができた。ブエルタでステージ優勝できるなんて信じられない」とヘリッツェは喜びを語った。
ヘリッツェは昨年チームに加入した23歳で、これがプロ通算3勝目。キャリアハイの勝利を掴んだヘリッツェはボーナスタイム10秒を加算した結果、総合でも首位に立った。

マイヨロホに袖を通したフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.


男子のグランツールシーズンの開幕を前に、ひと足早く女子はラ・ブエルタ・フェメニーナが開幕。マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の圧巻スプリントを披露した翌日、大会は第3ステージを迎えた。
バルセロナから西のバルバストロを出発するレースは、平坦路を進みウエスカにフィニッシュする132.4km。丘をいくつか越えるもののカテゴリー山岳はなく、フラットステージであるためスプリントの第2ラウンドが予想された。
体調不良のため前タイムトライアル世界王者クロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)やジョージア・ベイカー(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)が不出走。3年連続のマイヨプントス(ポイント賞)獲得に向け、白星発進となったマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)と、区間2位でマイヨロホを着用するレティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)を先頭に選手たちは走り出した。


母国スペイン出身の22歳、マリーナ・ガラウ(ビーピンク・イマトラ・ボンジョアンニ)ら5名が逃げグループを形成。最大3分あったタイム差は徐々に減っていき、残り60km地点で1分12秒まで縮まる。そして連勝狙うヴィスマ・リースアバイクとリドル・トレックが中心に牽引するプロトンは、残り33km地点で逃げを捉えた。
ひと塊となった集団は中間スプリントに突入し、フォスをフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が上回り最大25ポイントを獲得。また6秒のボーナスタイムも得た結果、バーチャルでヘリッツェが総合首位に躍り出る。前哨戦を終え、フィニッシュスプリントに向かうプロトンには横風が襲いかかった。

残り30km地点で発生した集団分断(エシュロン)によって、昨日3位のアンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック)やキャニオン・スラム・ゾンダクリプトの総合エースであるニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア)などが遅れを喫する。しかし懸命な追走が実り、残り15km地点で合流に成功。そのまま集団はウエスカの市街地になだれ込んだ。
アメリカ王者ジャージが目立つクリステン・フォークナー(EFオートリー・キャノンデール)が先頭で残り2kmを通過。すると集団後方で落車が発生する。しかし前方にポジションを取っていたスプリンターたちに影響はなく、SDワークを先頭に最終ストレートに突入した。
アンナ・ファンデルブレッヘンからミーシャ・ブレーデウォルツ(共にオランダ)にリードアウトは引き継がれ、絶好の位置からヘリッツェがスプリントを開始する。その背後についていたフォスが横に並ぼうと踏み込むものの、先にヘリッツェがフィニッシュラインを通過。前日勝者のフォスを、その力でねじ伏せた。


「まさか今日、勝てるとは思っていなかった。チームメイトによる完璧なリードアウトから教科書通りのスプリントができた。残り175mくらいから踏み込み、迫るフォスを感じ、さらに加速することができた。ブエルタでステージ優勝できるなんて信じられない」とヘリッツェは喜びを語った。
ヘリッツェは昨年チームに加入した23歳で、これがプロ通算3勝目。キャリアハイの勝利を掴んだヘリッツェはボーナスタイム10秒を加算した結果、総合でも首位に立った。

ラ・ブエルタ フェメニーナ2025 第3ステージ
1位 | フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 3:23:24 |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | リンダ・ザネッティ(スイス、ウノエックス・モビリティ) | |
4位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
5位 | メーガン・ジャストラブ(アメリカ、ピクニック・ポストNL) | |
6位 | ヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJスエズ) | |
7位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
8位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | |
9位 | キャット・ファーグソン(イギリス、モビスター) | |
10位 | アグニエシュカ・スカルニアクソイカ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) |
個人総合成績
1位 | フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 6:07:50 |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:12 |
3位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
4位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック) | |
5位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック) | +0:17 |
6位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) | |
7位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +0:20 |
8位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
9位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
10位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
山岳賞 | アネ・サンテステバン(スペイン、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ) |
チーム総合成績 | リドル・トレック |
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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