2015年ツール・ド・フランス期間中にコカイン陽性が発覚したルーカ・パオリーニ(イタリア、当時カチューシャ)に対し、UCI(国際自転車競技連盟)は、4月13日、18ヶ月間の出場停止処分を下した。



ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ) photo:Tim de Waele「UCIはここにUCIアンチドーピング裁決機関がルーカ・パオリーニの処分を決定したことを発表する。UCIアンチドーピング裁決機関は当該選手のアンチドーピング規定違反が故意によるものではないと判断し(コカインの代謝物であるベンゾイルエクゴニン検出)、18ヶ月の出場停止処分を与える」とUCIはプレスリリースで発表した。

ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ) photo:Kei Tsuji2015年7月7日のツール第4ステージ後に行われたドーピング検査で、同年ヘント〜ウェヴェルヘム優勝者であるパオリーニのコカイン陽性が発覚。すぐさまパオリーニはツールを離脱し、暫定的に出場停止状態にあった。パオリーニは同年12月にコカイン使用や睡眠薬依存をガゼッタ紙のインタビューで打ち明けている。コカイン陽性発覚以降、パオリーニは薬物依存症外来に通って解毒とリハビリを続けていた。

今年3月にUCIアンチドーピング裁決機関とのヒアリングに出席したパオリーニは、2015年6月の個人トレーニングキャンプ中にコカインを使用したことを自白。数年間に及んだ睡眠薬依存によって精神的に沈んだ状態での使用だったことを明らかにした。

当初は2年間(24ヶ月間)の出場停止処分が下されると見られていたが、パフォーマンス向上を目的としていない薬物使用と判断され、処分期間が18ヶ月間に短縮された形。なお、WADA(世界アンチドーピング機関)の規定によると、レース外ドーピング検査でコカインなどのソーシャルドラッグの陽性が発覚した場合、出場停止処分は適用されない。

現在39歳(1977年1月17日生まれ)のパオリーニはその去就を明らかにしていないが、現役引退の道を選択する可能性が高い。パオリーニはロンド・ファン・フラーンデレンの前日(4月2日)に行われた市民レースに参加する姿が目撃されている。

text:Kei Tsuji