ミュール・ド・ブルターニュで、フランスに念願のステージ優勝をもたらしたヴィエルモ。「勝つ自信はあったけど、さすがにフィニッシュしてから現実を受け入れるのに時間がかかった。ツールに熱狂していた亡き父も誇りに思ってくれるはず」とコメントしています。



ステージ優勝を飾ったアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)

今ツールのフランス人最初のステージ優勝者となったアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)今ツールのフランス人最初のステージ優勝者となったアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Makoto.AYANO
ミュール・ド・ブルターニュ最終盤でアタックしたアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)ミュール・ド・ブルターニュ最終盤でアタックしたアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Makoto.AYANO最初からミュール・ド・ユイとミュール・ド・ブルターニュを狙っていたんだ。ユイでも3着になれたのが僕にとってとても良かった。今日はリスクを承知でアタックしようと決めていたし、最も勾配がある区間でアタックして、リカバリーしてからクリス・フルームのペースアップに乗じて仕掛けるという2段構えの攻めが功を奏した。自分はパンチ力のあるクライマーであり、今日のようなコースが得意。勝つ自信はあったけど、さすがにフィニッシュしてから現実を受け入れるのに時間がかかった

ステージ優勝を飾ったアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)ステージ優勝を飾ったアレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Tim de Waele今までたった3勝とキャリアの中でもあまり勝利数が無い。でもMTBから転向して3年目のシーズンでもある。まだまだキャリアが少ないけれど、ジャンクリストフ・ペローやロメン・バルデ、そしてクリストフ・リブロンのような経験豊富な選手がチームメイトであることがとても大きい。まだチームリーダーになるにはキャリアが少なすぎるけれど、チャンス一つ一つをしっかりと見定めたい。キャリアの上で早とちりはしたくないし、ゆっくりと、でも着実に学んでいきたい。

届かなかったダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)届かなかったダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン) photo:CorVosフルームは偉大なチャンピオンだし、僕よりも素晴しい選手だ。自転車競技の美しい部分はスマートな試合運びができることだと思う。素晴しい気分だ。この勝利は3年前に亡くなった父親に捧げたいと思う。彼はツールに熱狂していたし、僕がステージ優勝したことを誇りに思ってくれると思う。僕が小さかった頃は、僕といとこをツール観戦に連れ出してくれたんだ。

届かなかったダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)

ヴィエルモのアタックは最高のタイミングだったと思う。あの場所で僕も仕掛けようと思っていた。今日は絶好調だと思っていたが、届かなかった。右側に位置していたので抜け出す事ができず、集団が左に動いた瞬間に仕掛けた。飛び出すタイミングを待ちに待ったよ。絶好調だったのにポジション取りが悪かった。残念と言わざるを得ない。

マイヨヴェールを着たペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)

10秒遅れの集団はアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)を先頭にフィニッシュ10秒遅れの集団はアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)を先頭にフィニッシュ photo:Tim de Waele
グライペルからマイヨヴェールを奪ったペーター・サガン(ティンコフ・サクソ)グライペルからマイヨヴェールを奪ったペーター・サガン(ティンコフ・サクソ) photo:Makoto.AYANOミュール・ド・ブルターニュの麓から頂上まで全力だったので非常に厳しいレースだった。最終盤ではフルームの隣にいようと決めていたものの、その時点でレッドゾーンに入ってしまっていた。上手くスプリントに持ち込めずにいるとバルベルデが先着した。

アルベルト・コンタドール擁するティンコフ・サクソは常に固まって護衛しながら走るアルベルト・コンタドール擁するティンコフ・サクソは常に固まって護衛しながら走る photo:Makoto.AYANOマイヨジョーヌを着てスタートを待つクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) マイヨジョーヌを着てスタートを待つクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO第8ステージで10秒を失ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)第8ステージで10秒を失ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Makoto.AYANOステージ優勝が欲しかったが、ヴィエルモとマーティンはベストなタイミングで抜け出していたので、追いつくのは難しい。その分マイヨヴェールを着用できて嬉しく思っているんだ。今日の結果のどこに落ち込む必要があるだろう?たった3ポイントのリードだが、このジャージをキープするために全力を尽くしたい。もっと多くのポイントを貪欲にねらっていきたいが、ここまでのレース運びを満足と考えている。明日のチームTTでも上手く走れると思う。マイヨジョーヌは僕の11秒先。マイヨジョーヌの獲得は簡単ではないが、それを実現できるだけのチーム力はある。

明日のチームTTについて語るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)

10秒を失ったニーバリを除いて他の強豪勢は皆一緒にゴールした。これはまごうことなき事実。今日のステージはそこまで混沌としていなかったし、ミュール・ブルターニュの前だってスピードこそ早かったものの、状況は落ち着いていたと思う。ペーターのために走りたかったが、あの場面では不可能だった。ともかくステージの結果には満足しているし、明日のチームTTが楽しみだ。ツールの序盤で力を使ってしまったが、僕は現実的だ。

クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

今日は既に持っている以上のタイム差が付くとは思っていなかった。サガンに対して11秒という差は大きくないが、明日からようやく本当のレースが始まる。チームTTでマイヨジョーヌを掛けた本当の戦いが始まるんだ。チームTTに対してチームは一丸となった超コンサバティブに準備を重ねてきたし、僕らにとって非常に重要なステージとなる。条件次第では30秒以内の戦いになると考えている。とてもタフなレースになることは間違いないし、BMCは非常にスピードをもっていて、そこにはティージェイ(ヴァンガーデレン)がいる。しかしチームスカイだってタイムトライアルでのチーム力では全く負けていない。きっと良い結果に繋がると思う。

10秒を失ったヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)

バッドデーだったと言わざるを得ない。ステージの前半では全く問題無かったが、最後の勝負どころで感覚をつかめず、加速についていけなかったんだ。

ミュール・ド・ブルターニュで遅れたティボー・ピノ(フランス、FDJ)

25秒遅れでフィニッシュ。これ以上の結果は望めない。この坂はパンチャーのための坂であって、クライマー向けではない。結果からも分かる通り、ヴィエルモはフランスの誇る素晴らしいクライマーであり、パンチャーだ。ピレネーまでの2日間でなるべく回復に努めたい。

各選手のコメントはチーム公式サイト、レース公式サイトより。

text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele

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