ツール開幕2日前の7月2日、オランダ第4の都市、そして自転車政策で先進のユトレヒトでチームプレゼンテーションが開催された。お祭りムードいっぱいの華やかな顔見世となった。
ユトレヒトで行われたチームプレゼンテーション photo:Kei Tsuji
恒例のチームプレゼンは18時30分から。日の長い欧州ではまだ昼のように明るい時間帯だ。プレゼン会場となったのはLepelengerg公園。ユトレヒトのほぼ中心にある、運河沿いにある緑多き市民の憩いの場だ。夕方から市民たちは自転車に乗って、徒歩で、続々と詰めかけた。
ミッフィーに見守られて登壇するティボー・ピノ(FDJ.fr) photo:Makoto.AYANO
プレゼン会場には多くの人たちが詰めかけた photo:Makoto.AYANO
選手たちの登場コースは運河を使い、チームごとにボートに乗って登場というもの。ボートで登場の演出はコルシカで開幕した2013年の100回記念大会を思い出させる。今回は青い海ではなく、深い緑の運河。そして沿岸には夕涼みを兼ねた観客がびっしりと、拍手で迎える。
声援を受けてAG2Rラモンディアールが登場 photo:Kei Tsuji
12連続グランツール出場のアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji
GoProで観客の様子を録画しながら向かうフィリッポ・ポッツァート(ランプレ・メリダ)
夕方になりいくぶん過ごしやすくなったとはいえ、欧州は今酷暑だ。昼は35度を超える気温で、しかも蒸し暑い。「今年のツールは暑さとの戦いか?」と言われ出しているが、日本から来ても湿気の多い蒸し暑さが堪えるほどだ。
ユトレヒトはアムステルダムにも近い人口33万の都市。ユトレヒト大学やサイエンスパークがあり、学術、医療関係者が多く、そしてラボバンク銀行の本拠があるインテリ都市だ。
そしてこの都市が力を入れているのが自転車活用政策。世界初の空き状況の分かる電光掲示板つき駐輪場が市街中心部に続々とでき、12,000代を収容できるという。車道脇のバイクレーンは充実し、自転車専用道も合計245kmある。自転車で通勤・通学する人の環境が整い、したがってクルマ利用者が減らせている。
ステージにたったツール総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏もユトレヒトといえば「Fits(フィッツ=自転車)ですね!」と挨拶。
ツール色に染まったユトレヒトの街 photo:Kei Tsuji
ユトレヒトの運河を空飛ぶ自転車が行く photo:Kei Tsuji
ベルナール・テブネ、ヨープ・ズートメルク、ベルナール・イノー、ヤン・ヤンセン氏 photo:Makoto.AYANO
SBS放送のコメンテーターとして登場のロビー・マキュアン photo:Makoto.AYANO
オランダ開幕のゲストは、ヤン・ヤンセン氏とヨープ・ズートメルク氏。ツール5勝の英雄ベルナール・イノー氏とツール2勝のベルナール・テブネ氏、パリ・ルーベ覇者ジルベール・デュクロラッサール氏に伴われて最前列に座る。ヤンセン氏は1968年のツール覇者で、ポイント賞を3度獲得。そしてズートメルク氏はメルクス、そしてイノーの両氏の黄金時代に重なったためツールでは総合2位の回数が6回を数えたことから「万年2位」の名で知られる。
ファンに手を振るロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji
ティンコフ・サクソのツール・ド・フランス限定ジャージはカモフラ柄だ photo:Makoto.AYANO
演奏や余興をはさみながら、ブルターニュ・セシュを皮切りに22チームが続々登場する。ツール・ド・フランスのために特別ジャージを用意したティンコフサクソカモフラージュ柄をあしらった、少し発色を抑えた淡イエローのジャージで登場。ロットNLユンボもイエローがマイヨ・ジョーヌと被るため、メインカラーを白ベースに変更。襟と袖にオランダ国旗の青白赤の3色ストライプを入れた。
撮影し返すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
パーマ&伸ばしてワイルドな髪型になったペーター・サガン photo:Makoto.AYANO
キンタナ率いるモビスターが登壇する photo:Makoto.AYANO
昨年同様イタリアチャンピオンジャージを着て登壇したヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ) photo:Makoto.AYANO
ジロを制したコンタドールには大きな喝采が送られ、コンタドールも英語で受け答え。2014年より調子がよく感じると話す。サガンには4度目のマイヨヴェールを狙うのかという質問が飛ぶが、「チームはマイヨジョーヌを狙うんだ」と受け流す。チームスカイのクリス・フルーム、モビスターのナイロ・キンタナ、アスタナのヴィンチェンツォ・ニーバリ(最後に登場)は今年「4強」と言われ、やはり大きな声援。
ウィルコ・ケルデルマン(ロット・ユンボ)が観客の声援に応える photo:Makoto.AYANO
TTスペシャリストのトム・ドゥムランにマイヨジョーヌへの期待が高まる photo:Makoto.AYANO
そしてオランダ人選手にも特別な声援が送られる。初日TTで優勝とマイヨ・ジョーヌ獲得のチャンスが有るトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)、バウケ・モレマ(トレックファクトリーレーシング)、ロバート・ヘーシンク(ロットNLユンボ)、ラース・ボーム(アスタナ)、初出場のワウト・ポエルス(チーム・スカイ)…。オランダ人選手はリストで18人にのぼる!。ジャイアント・アルペシンは現在ドイツ登録に変更になったが、「もともとはオランダ発祥のチームです!」とマイクを向けられたデゲンコルブが観衆にアピールした。
MTNキュベカがアフリカ国籍チームとしてツールに初出場し、ステージに並んだユーロップカーのメンバーのなかに新城幸也は居なかった。
ステージに立ったトレック・ファクトリーレーシング photo:Makoto.AYANO
ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)がステージで質問攻めにされる photo:Makoto.AYANO
MTNキュベカがアフリカ国籍チームとしてツールに初出場する photo:Makoto.AYANO
ユーロップカーがステージに並ぶが、新城幸也の姿は無し
タランスキーのインタビューの隙にセルフィーしちゃうハースとヘシェダル photo:Makoto.AYANO
楽しい時間は20時過ぎまで続いた。薄暗くなったユトレヒトの中心部はイエローの飾り付けが多く、グランデパールの5日間を楽しもうという雰囲気に満ち溢れていた。夜、酷暑を洗い流すかのような夕立が夜の街を涼しくしてくれた。
ミフィーを背負ってでてきたブラム・タンキンク(ロット・ユンボ) photo:Makoto.AYANO
クヴィヴィアトコウスキーとカヴェンディッシュが並ぶ photo:Makoto.AYANO
選手の様子は辻啓、綾野真2人による撮影のフォトギャラリーにてお楽しみください!
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI,Makoto.AYANO in Utrecht Netherland

恒例のチームプレゼンは18時30分から。日の長い欧州ではまだ昼のように明るい時間帯だ。プレゼン会場となったのはLepelengerg公園。ユトレヒトのほぼ中心にある、運河沿いにある緑多き市民の憩いの場だ。夕方から市民たちは自転車に乗って、徒歩で、続々と詰めかけた。


選手たちの登場コースは運河を使い、チームごとにボートに乗って登場というもの。ボートで登場の演出はコルシカで開幕した2013年の100回記念大会を思い出させる。今回は青い海ではなく、深い緑の運河。そして沿岸には夕涼みを兼ねた観客がびっしりと、拍手で迎える。



夕方になりいくぶん過ごしやすくなったとはいえ、欧州は今酷暑だ。昼は35度を超える気温で、しかも蒸し暑い。「今年のツールは暑さとの戦いか?」と言われ出しているが、日本から来ても湿気の多い蒸し暑さが堪えるほどだ。
ユトレヒトはアムステルダムにも近い人口33万の都市。ユトレヒト大学やサイエンスパークがあり、学術、医療関係者が多く、そしてラボバンク銀行の本拠があるインテリ都市だ。
そしてこの都市が力を入れているのが自転車活用政策。世界初の空き状況の分かる電光掲示板つき駐輪場が市街中心部に続々とでき、12,000代を収容できるという。車道脇のバイクレーンは充実し、自転車専用道も合計245kmある。自転車で通勤・通学する人の環境が整い、したがってクルマ利用者が減らせている。
ステージにたったツール総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏もユトレヒトといえば「Fits(フィッツ=自転車)ですね!」と挨拶。




オランダ開幕のゲストは、ヤン・ヤンセン氏とヨープ・ズートメルク氏。ツール5勝の英雄ベルナール・イノー氏とツール2勝のベルナール・テブネ氏、パリ・ルーベ覇者ジルベール・デュクロラッサール氏に伴われて最前列に座る。ヤンセン氏は1968年のツール覇者で、ポイント賞を3度獲得。そしてズートメルク氏はメルクス、そしてイノーの両氏の黄金時代に重なったためツールでは総合2位の回数が6回を数えたことから「万年2位」の名で知られる。


演奏や余興をはさみながら、ブルターニュ・セシュを皮切りに22チームが続々登場する。ツール・ド・フランスのために特別ジャージを用意したティンコフサクソカモフラージュ柄をあしらった、少し発色を抑えた淡イエローのジャージで登場。ロットNLユンボもイエローがマイヨ・ジョーヌと被るため、メインカラーを白ベースに変更。襟と袖にオランダ国旗の青白赤の3色ストライプを入れた。




ジロを制したコンタドールには大きな喝采が送られ、コンタドールも英語で受け答え。2014年より調子がよく感じると話す。サガンには4度目のマイヨヴェールを狙うのかという質問が飛ぶが、「チームはマイヨジョーヌを狙うんだ」と受け流す。チームスカイのクリス・フルーム、モビスターのナイロ・キンタナ、アスタナのヴィンチェンツォ・ニーバリ(最後に登場)は今年「4強」と言われ、やはり大きな声援。


そしてオランダ人選手にも特別な声援が送られる。初日TTで優勝とマイヨ・ジョーヌ獲得のチャンスが有るトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)、バウケ・モレマ(トレックファクトリーレーシング)、ロバート・ヘーシンク(ロットNLユンボ)、ラース・ボーム(アスタナ)、初出場のワウト・ポエルス(チーム・スカイ)…。オランダ人選手はリストで18人にのぼる!。ジャイアント・アルペシンは現在ドイツ登録に変更になったが、「もともとはオランダ発祥のチームです!」とマイクを向けられたデゲンコルブが観衆にアピールした。
MTNキュベカがアフリカ国籍チームとしてツールに初出場し、ステージに並んだユーロップカーのメンバーのなかに新城幸也は居なかった。





楽しい時間は20時過ぎまで続いた。薄暗くなったユトレヒトの中心部はイエローの飾り付けが多く、グランデパールの5日間を楽しもうという雰囲気に満ち溢れていた。夜、酷暑を洗い流すかのような夕立が夜の街を涼しくしてくれた。


選手の様子は辻啓、綾野真2人による撮影のフォトギャラリーにてお楽しみください!
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI,Makoto.AYANO in Utrecht Netherland
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