ツール前哨戦クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)が開幕。大集団スプリントを阻止したピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)が逃げ切り勝利を飾り、黄色いリーダージャージに袖を通しました。



アルベールヴィルの街並みを抜けるアルベールヴィルの街並みを抜ける photo:Tim de Waele


クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2015第1ステージクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2015第1ステージ image:A.S.O.ドーフィネ初日はオート=アルプ県のユジーヌから1992年の冬季オリンピック開催地アルベールヴィルまでの132km。コースの大半はアルベールヴィルを発着する周回で、3級山岳ヴィラール(1.2km/8.7%)を含む1周16kmの周回を6周する。フィニッシュの12km手前に位置するこの3級山岳ヴィラールでレースは動いた。

ドーフィネ初日はオートドーフィネ初日はオート photo:Tim de Waele序盤に形成されたマールテン・ワイナンツ(ベルギー、ロットNLユンボ)、ロメン・ギユモワ(フランス、ユーロップカー)、ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)、ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)の4名逃げは7分20秒のリードを築き上げたが、周回コースをこなすうちにタイム差はぐんぐん縮小する。

アルベールヴィル近郊の周回コースを走るアルベールヴィル近郊の周回コースを走る photo:Tim de Waeleエリトリア出身のテクレハイマノが山岳ポイントを量産しながら周回を重ねる一方で、数少ないスプリンターのチャンスをものにしようと、コフィディスやランプレ・メリダ、オリカ・グリーンエッジ、キャノンデール・ガーミンが集団牽引。最終周回が近づくとタイム差は1分を切った。

先頭で粘り強く逃げるビョルン・トゥラウ(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)先頭で粘り強く逃げるビョルン・トゥラウ(ドイツ、ボーラ・アルゴン18) photo:Tim de Waele先頭では昨年までユーロップカーに所属していたトゥラウが独走を開始し、他の逃げメンバーは吸収される。最後の3級山岳ヴィラールに差し掛かると集団ではアタックが続発。ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)が真っ先に動き、続いてゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)、ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)、アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、ダニーロ・ウィス(スイス、IAMサイクリング)が飛び出した。

最後の3級山岳ヴィラールでアタックするダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)最後の3級山岳ヴィラールでアタックするダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング) photo:Tim de Waele先頭を守ったまま3級山岳ヴィラールをクリアしたトゥラウに、残り4kmで追走5名(オス、イサギーレ、ケノー、グリブコ、ウィス)がジョイン。登りをこなしたスプリンター擁するMTNキュベカやコフィディス、オリカ・グリーンエッジ率いるメイン集団とのタイム差は15秒。フレッシュな脚が揃った5名逃げはここから粘った。

迫り来るスプリンターを振り切ってフィニッシュするピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)迫り来るスプリンターを振り切ってフィニッシュするピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waeleタイム差が10秒まで縮まり、集団の足音が聞こえてくる残り2.4kmで逃げグループの中から飛び出したのはケノー。他の逃げメンバーが飲み込まれる中、イギリスチャンピオンジャージが下り区間を終え、平坦区間を独走する。

ペースが上がりきらないメイン集団からは残り1kmでオスが再び飛び出すも先頭ケノーには届かず失速。そのまま独走を続けたケノーは、最終ストレートで迫り来るサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)らを振り切った。

「決してプラン通りではないよ。集団スプリントを予想していたから」。ドーフィネ初日に独走逃げ切り勝利を飾ったケノーは驚きの表情を浮かべながらインタビューに応える。「今日はフルームを安全に走らせて、タイムを失わないようにすることが最優先だった。最後の3級山岳を前から10番手で登り始めて、アタックがかかったので反応したんだ。自分にチャンスがあると判断して残り2.5kmを切ってからアタック。そこからコーナーを攻めて全開で走った。スプリンターではない脚質の選手が勝つ唯一の方法だった」。

ケノーは身長173cmと決して大柄な選手ではないが、ジュニア時代からトラックレースの団体追い抜きを中心に活躍。2012年のロンドン五輪とトラック世界選手権メルボルン大会の団体追い抜きで金メダルを獲得している。チームスカイには2010年から所属しており、昨年コッピ・エ・バルタリとオーストリア一周で総合優勝し、イギリス選手権ロードでナショナルチャンピオンに輝いた。

「残り1kmの時点で『後ろを振り向くな、フィニッシュラインを過ぎるまでは絶対に両手を挙げるな』と自分に言い聞かせ、フィニッシュまで全力で走り続けた。トラックレースからロードレースに転向してから4〜5年は勝てず、昨年ようやく勝つことが出来た。イギリスチャンピオンジャージを着て走る最後のレースでこうして勝つことが出来て本当に嬉しい」。表彰台でケノーはチャンピオンジャージの上にマイヨジョーヌ(総合リーダージャージ)とマイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)をまとっている。

選手コメントはレース公式サイトより。



マイヨジョーヌに袖を通したピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌに袖を通したピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele





クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2015第1ステージ
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)             3h06’51”
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)             +02”
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)
4位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
7位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
8位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
9位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)
10位 シリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)
114位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)          +2’50”

個人総合成績
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)             3h06’41”
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)             +06”
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)       +08”
4位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)            +12”
5位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
7位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
8位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
9位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)
10位 シリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)

ポイント賞
ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)

山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)

ヤングライダー賞
ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)

チーム総合成績
チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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