5月11日から18日までの8日間、北米最大級のステージレースである第9回ツアー・オブ・カリフォルニア(2.HC)が開催される。ジロ・デ・イタリアと開催期間が重複するものの毎年多くの有力選手が集結し、今年のスタートリストにはジロを回避した有力スプリンターが勢揃いした。



"ゴールデンステイト" カリフォルニア州を舞台とする北米最大級のステージレース

昨年はゴールデンゲートブリッジがコースに組み込まれた昨年はゴールデンゲートブリッジがコースに組み込まれた (c)CorVos
ツアー・オブ・カリフォルニア2014コースマップツアー・オブ・カリフォルニア2014コースマップ (c)Tour Of California2006年から開催され、今年で9回目となる北米最大級のステージレースがツアー・オブ・カリフォルニアだ。従来は温暖な気候から2月に開催されていたものの、2010年からはジロ・デ・イタリアと同時期の5月半ばとしている。しかしながら例年多くのUCIワールドツアーチームが参加し、その多くがエース級の選手を引き連れてくる。

ツアー・オブ・カリフォルニア2014第1ステージコースプロフィールツアー・オブ・カリフォルニア2014第1ステージコースプロフィール (c)Tour Of Californiaレース名の通り、アメリカ西海岸の大部分を占め、日本よりも広大な土地面積を誇るカリフォルニア州が舞台。2014大会は例年同様にサンフランシスコ周辺からロサンゼルス周辺へ南下するコースが取られ、州都であるサクラメントをスタートし、ロサンゼルスから西に約60kmのサウザンドオークスにゴールする。

ツアー・オブ・カリフォルニア2014第3ステージコースプロフィールツアー・オブ・カリフォルニア2014第3ステージコースプロフィール (c)Tour Of California第1~3ステージは州北部で、第6~8ステージは州南部で、そして第4~5ステージはその中間にあたる州中心部で開催される。全8ステージ、1155.8kmに渡る行程で総合争いは決着する。

ツアー・オブ・カリフォルニア2014第6ステージコースプロフィールツアー・オブ・カリフォルニア2014第6ステージコースプロフィール (c)Tour Of California開幕となる第1ステージはサクラメントを発着点とする193.1km(120マイル)で争われる。97km地点からは山岳ポイントが設定される急勾配の登りが登場するものの、ゴールまでの約65kmは大部分が下り。リダージャージ獲得を目論むスプリンターたちによる激しいゴール勝負によって決着する可能性が高い。

第2ステージは序盤にして早くも総合優勝の行方を左右する20.1kmの個人タイムトライル。細かなアップダウンのみのため、オールラウンダー以外にも脚がフレッシュな重量級のクロノマンにもチャンスがある。翌第3ステージはマウントディアブロに到達する今大会初の山頂ゴール。ゴール前約40kmがひたすら登りという、悪魔の山という異名に違わぬ過酷なレイアウトだ。

州中心部で開催される第4、第5ステージはいずれも総合順位が動くレイアウトでは無い。しかしながら、アップダウンを利用して逃げ切りの狙いたいと考えているライダーや、タイム差次第ではサプライズ的な総合勢の動きがある可能性は捨てきれない。

州南部に舞台を移す第6ステージは大会2度目の山頂フィニッシュにして総合優勝を決する可能性が高い。ゴールが設定されるマウントハイの頂上の標高は2000mを越え、第3ステージと同じくゴール前約40kmがひたすら登りという過酷さ。ここで大きなマージンを築いて首位に立つことができれば、後の2ステージは走り切るのみだ。

標高1500m以上の山岳をこなす第7ステージと、サウザンドオークスに設けられた周回コースで争われる第8ステージはいずれも登りからゴールまでの距離が長いため集団スプリントによる決着となる可能性が高そうだ。


ツアー・オブ・カリフォルニア2014ステージリスト
第1ステージ サクラメント~サクラメント 193.1km
第2ステージ フォルサム~フォルサム 20.1km(ITT)
第3ステージ サンノゼ~マウントディアブロ 174.5km(山岳)
第4ステージ モントレー~カンブリア 165.6km
第5ステージ ピズモビーチ~サンタバーバラ 174km
第6ステージ サンタクラリタ~マウンテンハイ 151.8km(山岳)
第7ステージ サンタクラリタ~パサデナ 142.8km
第8ステージ サウザンドオークス~サウザンドオークス 134.4km



昨年覇者ヴァンガーデレンは不在 カヴェンディッシュやサガンら豪華スプリンターが集結

ツール・ド・サンルイス第2ステージで2位に入ったピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)ツール・ド・サンルイス第2ステージで2位に入ったピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング) (c)www.toursanluis.com今年のツアー・オブ・カリフォルニアに出場するのは全16チーム。BMCレーシング、ガーミン・シャープ、オメガファーマ・クイックステップ、トレック・ファクトリーレーシング、チームスカイ、オリカ・グリーンエッジ、キャノンデール、ベルキン、ジャイアント・シマノの9つのUCIワールドツアーチームと、3つのプロコンチネンタルチーム、4つのコンチネンタルチームから128名がエントリーした。

プレスカンファレンスに臨むブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)プレスカンファレンスに臨むブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) (c)CorVos過去の総合成績を見ると、その殆どがアメリカ国籍のオールラウンダー若しくはクロノマンが多く占め、アメリカ人以外で総合表彰台に登ったのは僅かに5人だけ。つまり、イタリア人選手にとってのジロと同じく、アメリカ人にとっては特別な存在のレースとえよう。今大会ではもちろん国別では最多となる39名のアメリカ人が参加する。

ツアー・オブ・ターキー2014を制したアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)ツアー・オブ・ターキー2014を制したアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiしかしながら、昨年覇者ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)はツールへ向けた調整のために回避した。代わりに同チームのアメリカ人オールラウンダー、ピーター・ステティーナ(アメリカ)がゼッケンNo.1をつけ、エースを務める。

ツアー・オブ・カリフォルニアと相性抜群のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)ツアー・オブ・カリフォルニアと相性抜群のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール) photo:Riccardo Scanferla総合勢で最注目されているのが2012年のツール・ド・フランス覇者であるブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)だ。近年はオールラウンダーとして活躍していたものの、今年4月のパリ~ルーベへ向けて体重を増やしたことから登坂能力が心配される。しかし、9日金曜日に開催されたプレスカンファレンスでは「経験と強力チーム力を武器に戦う」と自信を見せた。

直近のツアー・オブ・ターキーでポイント賞を獲得したをマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)直近のツアー・オブ・ターキーでポイント賞を獲得したをマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Kei Tsujiその他、昨年総合3位のハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)や、ツアー・オブ・ターキーを制したばかりの新鋭アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)、ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)、トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)らも総合争いに絡んでくるだろう。

スプリンター勢はジロ・デ・イタリアを凌ぐ程のメンバーが集結している。中でも出場4回でステージ10勝とツアー・オブ・カリフォルニアとの相性が抜群なのがペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)だ。今大会でスプリントと予想されるステージはいずれもアップダウンがあるため、登りもこなせるサガンにとってはやはり分がある。はたして、今年は6つのスプリントステージのうち幾つを勝利で飾ることができるのだろうか。

そのサガンに待ったをかけるのが、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)だ。ここ数年はジロ・デ・イタリアを重視していため、ツアー・オブ・カリフォルニアは2010年以来の出場となる。アシストにはマーク・レンショウ(オーストラリア)やトム・ボーネン(ベルギー)、ニキ・テルプストラ(オランダ)ら強力なメンバー引き連れており、カリフォルニアにかける思いは並大抵ではない。

その他マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)や、トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシング)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)、ファンホセ・アエド(アルゼンチン、ジェイミス)らが虎視眈々とスプリントステージ制覇を狙う。

総合勢とスプリンター以外には、昨年第6ステージで独走勝利を飾ったイェンス・フォイクト(ドイツ、トレック・ファクトリーレーシング)や、現アメリカチャンピオンのフレッド・ロドリゲスと復活を果たしたマシュー・ロイド(オーストラリア)の元ロットコンビを擁するジェリーベリーにも注目だ。


text:Yuya.Yamamoto

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