60年以上の歴史を持ち、イタリアの3大ブランドの1つとも称されるデローザ。その始まりから、自転車競技への情熱に満ちている生粋のレーシングバイクブランドだ。今回インプレッションをお届けするのは、そんなデローザのアルミモデル「TEAM」だ。イタリアでハンドメイドされるアルミフレームの真価を2名のインプレライダーが明らかにする。



デローザ TEAMデローザ TEAM (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
12歳の頃から自転車のフレーム作りに携わってきたウーゴ・デローザが、独立し自らの名を冠したブランドを立ち上げたのは18歳の時だった。それから60年もの歳月が経ち、いまでは傘寿になんなんとするウーゴ・デローザは、いまだにデローザのトップとして君臨している。現在もトーチを握ることがある彼のバイクフレームに対する哲学は、選手にフィットするバイクを提供するということ。

それは、往年の名選手であるエディメルクスが最終的に選んだ自転車がデローザであり、自身のブランドを立ち上げるにあたって、デローザに助言を仰ぐほどの信頼を置いていたという事実からも察せられるだろう。そして、そのフィロソフィーは現在もスチールフレームにおける豊富なサイズ展開や、BLACKLABELシリーズのサイズオーダーという形で受け継がれている。

滑らかな曲線を描くヘッドチューブ滑らかな曲線を描くヘッドチューブ トップチューブはヘッドチューブへとなめらかにつながっていくトップチューブはヘッドチューブへとなめらかにつながっていく わずかにベントしたマッシブなフロントフォークわずかにベントしたマッシブなフロントフォーク


スチールフレームから始まり、現在はカーボンフレームにその軸足を移しているデローザだが、アルミニウムの扱いについても長けているブランドだ。2000年にロマンス・ヴァインシュタインスによって世界選手権を制した初代MERAKをはじめ、MACROやDUALといったアルミフレームを手掛けておりアルミニウムというマテリアルに対する造詣はかなり深い。

その中でも今回インプレッションを行うTEAMは、2000年前半からデローザのエントリーバイクとしてロードレースを志す男女に向けて門戸を開いてきたアルミモデルだ。数度のマイナーチェンジが行われてきたが、基本的にモデル名は変わらず10年以上にわたって、そのポジションを堅持してきた。

誇らしげにエンブレムが輝くヘッドチューブは最新トレンドの上下異径規格誇らしげにエンブレムが輝くヘッドチューブは最新トレンドの上下異径規格 固定力の高い2本締めのシートクランプが装備される固定力の高い2本締めのシートクランプが装備される

チェーンステーブリッジは造作されないシンプルなBB周りチェーンステーブリッジは造作されないシンプルなBB周り シフトアウター受けは無駄をそぎ落としたデザインシフトアウター受けは無駄をそぎ落としたデザイン


カーボンフレーム全盛の現在においても、デローザがTEAMをラインナップに残している理由はただ一つ。それは同じグレードのカーボンフレームに対して、アルミフレームが決して性能で劣っているどころかむしろ勝っていると信じているからだろう。カーボンフレームの生産技術の進歩により、安価なカーボンフレームの供給が可能になった今も、コスト以外の部分でアルミフレームの良さをデローザは引き出している。

アルミフレームの特長である、剛性と反応性の良さ、そして軽さといったロードレーサーらしい基本的な性能に加え、少々のラフな扱いに耐える強度と耐久性は、ロードレースに入門したいと考える人にとって最適とデローザは考えているのだろう。もう一つのエントリーモデルであるR848に対して、よりレーシーなマインドの人にぴったりなはずだ。

オーソドックスな形状のチェーンステーを持つオーソドックスな形状のチェーンステーを持つ リアエンドも美しく仕上げられるリアエンドも美しく仕上げられる


フレームを構成する各チューブはオーソドックスな丸パイプで構成され、シンプルなたたずまいを見せる。以前はISPを採用していたこともあったが、現在のモデルでは通常のシートピラー仕様へと戻されている。遠目で見れば、何の変哲もない自転車であるが、近寄ってみればその高品質な仕上がりに圧倒される。特に溶接の美しさは特筆すべき点だろう。

そう、TEAMの製造においてはただアルミチューブを溶接するだけでなく、溶接によってできた溶接痕を職人がヤスリで丁寧に削り落としていくという工程が加えられるのだ。それは接合部の美しさを実現すると同時に、応力のかかりやすい接合部をスムーズにすることで、極端な応力の集中を防ぐ効果をも期待されている。まさに、機能美を備えたフレームだと言えるだろう。

溶接痕にやすりがけすることでこの美しい接合部を実現する溶接痕にやすりがけすることでこの美しい接合部を実現する 丁寧な仕上げによりシートステー集合部もすっきりしたルックスを持つ丁寧な仕上げによりシートステー集合部もすっきりしたルックスを持つ リアエンドは剛性を確保すべく厚めだリアエンドは剛性を確保すべく厚めだ


ボトムブラケットはトラディショナルなねじ切りのITA規格を採用する一方で、ヘッドチューブはここ数年で主流となった、上下異径ヘッドを採用する。下ワン1.5インチのヘッドチューブとそれに対応するステアラーを持つマッシブなカーボンフォークによって、よりしっかりとしたフロント周りの剛性を獲得している。ハンドリングやブレーキ性能に直結するこの部分の強化によって、よりエントリーライダーの安心感は高くなるだろう。

時代に合わせてアップデートが施され、常に最良のエントリーレーシングバイクとして設計されているデローザ TEAM。今回のテストバイクのコンポーネントはデローザらしく、同郷のカンパニョーロ VELOCEが搭載され、ホイールには同社のZONDAがアッセンブルされる。タイヤはミシュランのPRO4エンデュランスを使用した。それでは、インプレッションに移ろう。



―インプレッション

「ロードレーサーの楽しさに導いてくれるデローザの想いが込められたバイク」山崎嘉貴(ブレアサイクリング)

何も言われずに乗ってしまえば、カーボンフレームかと感じてしまうようなヒラヒラとした乗り味のバイクです。とくにフロント周りのひらひらした感覚が強く、よく言われるアルミフレームのガチッとした感覚はあまりありません。

25km/h~35km/hあたりに加速性が集約されており、その速度域を超えると少し頭打ち感がでるものの、低速から中速域では非常に気持ちよく加速していくことができます。剛性バランスとしては初心者や若いレーサー向けに、走る速度域を想定した設計というように感じました。

デローザは若い女性にも人気であるが、小さいサイズにありがちな嫌なヘッド周りの堅さはないため、扱いやすくお勧めできるバイクでしょう。一方で、ベテランサイクリストにとってもカーボンフレームとは別に金属フレームが欲しいという欲求が出てきたときに十分その脚力や所有欲に応えてくれるポテンシャルを持っています。

「ロードレーサーの楽しさに導いてくれるデローザの想いが込められたバイク」山崎嘉貴(ブレアサイクリング)「ロードレーサーの楽しさに導いてくれるデローザの想いが込められたバイク」山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
ベテランサイクリスト向けに例えるならば、コロンバスのMAXで組まれた良質なクロモリバイクに通じる乗り味と言えばわかっていただけるでしょうか。金属フレームへの憧れがあって手に入れても、結局はカーボンバイクに乗ってしまうような結果にならず、上りでも軽く進んでいけるフレームです。

登り返しで、フロントギアをインナーへと変速した際も失速する感覚は少ないです。1時間を超えるような長いヒルクライムにおいても、斜度の変化に対応しやすいフレームです。斜度がきついところで足がいっぱいになってしまっても、斜度が緩やかになったところでもう一度踏みなおすことができるような感覚があります。

平坦もそつなくこなすバイクです。コーナーリングがクイックな性格なので上級者にとってはコントロールする面白さがあり、初心者にとってはバイクがコーナーをトレースしてくれるので自然に曲がれる良さがあります。流石に大きな段差などは苦手ですが、快適性もオーソドックスな見た目に反し、細かく路面が荒いところではフレームがいなしてくれます。おそらくフォークが前後に衝撃をいなしてくれる様なカーボン積層なのでしょう。

おすすめのシチュエーションとしては、ロングライドでいえば中級者なら150km、初心者なら100kmといった様に限界の一歩手前の距離・強度で乗っていくような、グランフォンド的な乗り方が最も合っているのではないでしょうか。登りも得意なため、その長距離の中で出てくる峠も気持ちよく越えていくことができるはずです。

アッセンブルとしては、フレームの加速域が25km/h~35km/hと低めのため、そこから先の速度域でも加速を助けてくれるような堅めのホイールと相性が良いと思います。中でもお国柄もあり、カンパニョーロのシャマルやユーラス、フルクラムのレーシングゼロやレーシングワンといったホイールがぴったりなのではないでしょうか。

昔のトップモデルとして作られていたアルミの初代MERAKに比べると、よりマイルドで性格としてはコンフォートアルミバイクのような位置づけでしょう。見た目をきっかけにTEAMを選ばれた人でも乗っていくうちにロードレーサーの本質、楽しさに導いてくれるようなデローザの思いが込められたバイクです。


「玄人好みのレーシングバイク」 三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

一言でいえば、玄人好みのレーシングバイクでしょう。最近の高度な解析技術をもとにして生まれるカーボンモデルのような一台で何でもできるというようなオールラウンドなバイクではありません。フロント周りの剛性が高いため、タイヤのグリップや路面の状態という自転車を操るために必要な情報が判断しやすく自転車を操る喜びを感じさせてくれます。

一方で、ハンドル操作や体重移動といった入力に対して、自転車が余計なフィルターを掛けることなく挙動に反映してしまうため、しっかりとした乗り方をすればしっかりと進みますが、ふらついた乗り方だとそのままふらついてしまうピーキーさを持っています。

「玄人好みのレーシングバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)「玄人好みのレーシングバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI) 集団走行時において、この反応性の良さは機敏な判断力をもつライダーにとっては大きな武器となるでしょう。

少し空いたスペースに自転車をねじ込むような、熾烈な位置取り争いがおきるようなシチュエーションで非常に有利に働くと感じます。

コーナーリングに関しても、余計な仕事はせずにライダーが操作した分だけ倒れこんで旋回していく、素直な特性を持っています。ライダーの意図に忠実に動く自転車といえるでしょう。逆にいえば、テクニックがなく意図した操作ができないビギナーには曲がらない自転車という印象があるかも知れません。

ビギナーであるならば、デローザでいえばR838やR848といったエントリーカーボンフレームのほうが、ライダーの技術不足をアシストしてくれるような懐の広さがあります。

このTEAMは近年主流になっている「ロードバイク」という言葉は似合わず、所謂古き良き「ロードレーサー」という表現がぴったりくるバイクです。

カーボン全盛期のこの時代、アルミフレームでも乗り心地の良さを重視して設計されるモデルが多い中、古き良きアルミレーシングバイクを作リ続けるデローザのフィロソフィーに共感できる、ベテランの方にこそぴったりくる自転車ではないでしょうか。初心者の方の1台目の自転車として選ばれるのならば、デローザのレースに対するスピリットがこめられたこのバイクに相応しいライダーになるという覚悟が必要とされるでしょう。

カーボンフレームに比べると細身のチュービングですが、しなりを生かして登るようなバイクではなく、高い剛性を生かして反応よくきびきびと登っていくタイプの自転車です。踏みぬくようなペダリングよりも、低回転でしっかりと全周にトルクをかけていくようなペダリングがしっくりきます。

かなりスパルタンな乗り味なので、体にはダメージが残りやすいものの、短い時間でキビキビと練習し濃密な時間を過ごすのにはうってつけ。シチュエーションとしては短距離で強度の高いレースがぴったりでしょう。クリテリウムや距離の短いロードレースでは反応性の良さと、クイックなハンドリングで活躍できるはずです。また、競技時間という面では路面状況のよいヒルクライムレースもおススメできるかもしれません。

デローザ TEAMデローザ TEAM (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
デローザ TEAM(フレームセット)
サイズ : 45・48・52・54
カラー: Red・Military Green
価 格 :292,950円(税抜)



インプレライダーのプロフィール

山崎嘉貴(ブレアサイクリング)山崎嘉貴(ブレアサイクリング) 山崎嘉貴(ブレアサイクリング)

長野県飯田市にある「ブレアサイクリング」店主。ブリヂストンアンカーのサテライトチームに所属したのち、渡仏。自転車競技の本場であるフランスでのレース活動経験を生かして、南信州の地で自転車の楽しさを伝えている。サイクルスポーツ誌主催の最速店長選手権の初代優勝者でもあり、走れる店長として高い認知度を誇っている。オリジナルサイクルジャージ”GRIDE”の企画販売も手掛けており、オンラインストアで全国から注文が可能だ。

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三上和志(サイクルハウスMIKAMI)三上和志(サイクルハウスMIKAMI) 三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

埼玉県飯能市にある「サイクルハウスMIKAMI」店主。MTBクロスカントリー全日本シリーズ大会で活躍した経験を生かし、MTBに関してはハード・ソフトともに造詣が深い。トレーニングの一環としてロードバイクにも乗っており、使用目的に合った車種の選択や適正サイズに関するアドバイスなど、特に実走派のライダーに定評が高い。

サイクルハウスMIKAMI



ウェア協力:GRIDE

text:Naoki.YASUOKA
photo:Makoto.AYANAO

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