宇都宮ブリッツェン対マトリックスパワータグ。ロードレース開幕戦の西日本チャレンジロードは、同人数を先頭と追走に送り込んだ2チームの決戦に。8割の距離を逃げ続けた阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)と永良大誠(マトリックスパワータグ)の戦いは、ゴールスプリントで決着がついた。

阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が永良大誠(マトリックスパワータグ)を抑えて優勝阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が永良大誠(マトリックスパワータグ)を抑えて優勝 photo:Hideaki TAKAGI
マトリックスパワータグの新加入選手。セバスチャン・モラ(左)とアラン・フェルナンデス(右)マトリックスパワータグの新加入選手。セバスチャン・モラ(左)とアラン・フェルナンデス(右) photo:Hideaki TAKAGI3月16日(日)、日本のロードレースの開幕戦、第19回西日本チャレンジサイクルロードレース(主催:広島県自転車競技連盟)が広島県中央森林公園で行われた。登録者クラスと未登録者クラスのそれぞれがあり、各チーム、選手ともにこの開幕戦で今シーズンの動向を占う重要な大会だ。

特に登録者エリートクラス(A-E)には、前年覇者のマトリックスパワータグから2人の新加入スペイン人選手が登場。そして翌週には地元で重要な実業団開幕戦を控える宇都宮ブリッツェンが参加。さらにコンチネンタルチームのシエルヴォ奈良ミヤタ・メリダサイクリングチーム、新体制のクラブチーム・斑鳩アスティーフォも参戦、戦いぶりが注目された。

A-Uクラス
3周回の登録者アンダー23クラスは常に数人が逃げる展開に。1周目からアタックがかかり、野島遊(TeamEurasia-IRC TIRE)、小西優大(岩井商会レーシング)、米田彰(ネクストリーム)の逃げに雨乞竜己(TeamEurasia-IRC TIRE)が合流。その後、雨乞、小西、廣瀬元輝(立命館大)、廣瀬翔太(同志社大)の4人となり、3周目の最終周回へ。最後の上り区間で後方から抜け出した中西健児(同志社大)がアタックするが決まらずゴールへ。

A-U 1周目上り、野島遊(TeamEurasia-IRC TIRE)ら先頭集団A-U 1周目上り、野島遊(TeamEurasia-IRC TIRE)ら先頭集団 photo:Hideaki TAKAGIA-U 優勝の廣瀬元輝(立命館大)A-U 優勝の廣瀬元輝(立命館大) photo:Hideaki TAKAGI

4人のゴールスプリントを制したのは廣瀬元輝(立命館大)。その廣瀬は「冷静に回りを見て走ろうと思った。少人数の逃げに持ち込みたかった。最後の上りでは自分の脚に余裕があるのがわかった。今年はロードチームTTとインカレを頑張りたい」と語る春江工高(福井)出身の1年生。2012年インターハイ・チームスプリントの覇者だ。

A-Eクラス
登録者エリートは5周する61.5km。レースは1周目で大勢が決まる展開に。スタート後からアタックがかかり数人が逃げと吸収を繰り返す。上り区間では一つにまとまるがおもに鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)が速いペースを作り集団を絞る。その下り区間で阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、永良大誠(マトリックスパワータグ)、中山卓士(ロヂャースレーシングチーム)の3人が逃げる。1周目のラップタイムは18分01秒。

1周目序盤、逃げと吸収の繰り返し1周目序盤、逃げと吸収の繰り返し photo:Hideaki TAKAGI2周目へ、先頭の3人2周目へ、先頭の3人 photo:Hideaki TAKAGI


2周目に入り先頭から1分近く開いたメイン集団からセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)らが抜け出し、上り区間でメイン集団は追いつくがそのままモラ、鈴木譲、向川尚樹(斑鳩アスティーフォ)の3人が抜け出して追走集団を作る。中山は先頭から下がりメイン集団へ。3人の追走は協調して追うものの先頭の2人との差は30秒から20秒程度まで詰めるがそこから先が詰まらない。いっぽうでメイン集団はさらにペースを落とし先頭から2分となる。上りで増田成幸(宇都宮ブリッツェン)らが仕掛けるがマークされて抜け出せず、結果として差は縮まらずに勝負は前方の2人+3人に絞られる。

3周目、追走の3人3周目、追走の3人 photo:Hideaki TAKAGI4周目、2分差のメイン集団4周目、2分差のメイン集団 photo:Hideaki TAKAGI


4周目には山下貴宏(シエルヴォ奈良ミヤタ・メリダサイクリングチーム)が単独でメイン集団から抜け出すもののその後に吸収。先頭は阿部と永良が逃げ続ける。最終の5周目、上り区間に入り追走から向川が下がり、いっぽうで先頭では最後の展望台への坂で永良がアタック、これに阿部が食らいつき永良のアタックは不発に。そのままゴールへ2人で向かう。ロングスプリントを仕掛けたのは永良だったが阿部のスピードが勝り優勝。チームとしても嬉しい白星スタートを飾った。

5周目上り、最後の坂で仕掛ける永良大誠(マトリックスパワータグ)と食らいつく阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)5周目上り、最後の坂で仕掛ける永良大誠(マトリックスパワータグ)と食らいつく阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki TAKAGI

優勝の阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)のコメント
幸先よくシーズンのスタートが切れたのは嬉しい。この調子でチームも自分もいければと。今日は来週の地元でのレースに向けていかに追い込めるかが課題で、頑張った結果で勝てればと臨んだ。永良さんとのスプリントならば勝機は見えていたと思う。永良さんのほうが上りに余裕があるように見えたので、上りで離されないように走ることが大事だった。

宇都宮ブリッツェンは逃げでもスプリントでも勝てる体制で臨んだ。まだ3月だがメンバーどうしの信頼と結束は強く、チームとして完全に機能していた。「チーム史上最強メンバー」の形容をまさしく証明したレースとなった。マトリックスパワータグは強力なスペイン人選手2名が加入し実力の片鱗を見せたが優勝という結果には結びつかなかった。だがライバルチームが異口同音に「今日の走りではまだ判断できないし、要所でその力を見せていた」と語るように、これからの走りに注目だろう。そもそも2位となった永良は38歳の会社員。これだけでも驚きだ。

レース後、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)のパワー値に驚くチームメイトレース後、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)のパワー値に驚くチームメイト photo:Hideaki TAKAGIA-E 表彰A-E 表彰 photo:Hideaki TAKAGI


ジュニア世代だがエリートレースに出場した選手3人が好走を見せた。集団の3番手ゴールで9位の黒澤虎南(VC Fukuoka)は中学3年。11位の武智気吹(松山中央高)は高校2年、23位の日野竜嘉(松山聖陵高)は高校1年で3人とも6位以下の集団ゴールだったが、トップ選手たちからも「強い走りをしていた」と評されるほど。彼らの今後も楽しみだ。



A-F 中原泰恵が優勝A-F 中原泰恵が優勝 photo:Hideaki TAKAGIA-J 岡部祐太(右、広島城北高)が優勝A-J 岡部祐太(右、広島城北高)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI結果

A-Eクラス 61.5km
1位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)1時間33分44秒
2位 永良大誠(マトリックスパワータグ)
3位 セバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)+23秒
4位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)+29秒
5位 向川尚樹(斑鳩アスティーフォ)+49秒
6位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+2分18秒
7位 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)+2分23秒
8位 アラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
9位 黒澤虎南(VC Fukuoka)
10位 中西重智(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)

A-Fクラス 24.6km
1位 中原泰恵 46分36秒
2位 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)+1分14秒
3位 宇野寛子(チーム岡山)+1分57秒
4位 松井優佳(吹田トライアスロン)+2分53秒
5位 田村舞(倉吉総産高)+3分33秒
6位 後藤桃子(倉吉総産高)+5分47秒
A-J 表彰A-J 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
A-Uクラス 36.9km
1位 廣瀬元輝(立命館大)56分47秒
2位 雨乞竜己(TeamEurasia-IRC TIRE)
3位 廣瀬翔太(同志社大)
4位 小西優大(岩井商会レーシング)+02秒
5位 中西健児(同志社大)+13秒
6位 柳瀬慶明(チームアヴェル)+16秒
A-M 1周目A-M 1周目 photo:Hideaki TAKAGI
A-Jクラス 36.9km
1位 岡部祐太(広島城北高)58分54秒
2位 野本空(松山工業高)
3位 中井唯晶(瀬田工業高)+02秒
4位 安川義道(榛生昇陽高校)+19秒
5位 岡崎陸登(松山聖陵高)+46秒
6位 金田優作(倉吉総産高)+53秒
A-M 優勝は田中修一(Lumiere KOBE)A-M 優勝は田中修一(Lumiere KOBE) photo:Hideaki TAKAGI
A-Mクラス 36.9km
1位 田中修一(Lumiere KOBE)59分35秒
2位 酒居良和(WILD PIGs)
3位 後藤孝太郎(VC Fukuoka Oceans)
4位 幡司勝(Team BioGaiac Bike)
5位 ゼイ田貴要博(ダックスフンド)
6位 大倉重良(クラブシルベスト)


photo&text:高木秀彰
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