9月20日、イタリアのキャノンデールプロサイクリングはプレスリリースを出し、ドーピング陽性反応が出たステファノ・アゴスティーニ(イタリア)を解雇したと発表した。理由は禁止薬物クロステボルを配合したクリームをチームドクターの承諾を得ずに使用したこととされる。

ステファノ・アゴスティーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)ステファノ・アゴスティーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Cor Vos8月21日に行なわれた競技外ドーピング検査で採取された尿サンプルから、クロステボルの陽性反応が出たアゴスティーニ、24歳。クロステボルはテストステロンの一種で、筋肉増強効果のある合成アンドロゲン(男性ホルモン)性ステロイドと呼ばれるもの。WADA(世界アンチドーピング機関)が定める禁止薬物リストに入っている。

アゴスティーニは陽性反応について、発疹の治療のために母親から渡された「トロフォデルミン」と呼ばれるクリームが原因であると説明。夜遅くだったため配合物を確認せず、クロステボル配合とは知らずに塗布し、その数日後のドーピング検査でクロステボルの陽性反応が出た。

UCI(国際自転車競技連合)の発表を受け、アゴスティーニはすぐさま暫定出場停止処分に。キャノンデールプロサイクリングは即日プレスリリースを出し、チームの内規に沿ってアゴスティーニとの契約を終了すると発表した。ロベルト・アマディオGMは「アゴスティーニからの説明を受けた結果、プロ選手としてあるまじき軽率な行為であると結論づけた。我々のアンチドーピング防止に対するポリシーに反した行為であり、到底受け入れられるものではない」とコメントしている。アゴスティーニはBサンプルの再検査を申請しない予定。2年間の出場停止処分を受ける可能性が高い。

現在、各UCIプロチームは厳格なアンチドーピングのポリシーをもつ。今季キャノンデールプロサイクリングに加入した増田成幸も、チームプレゼンテーションの際に「アンチドーピングの厳格な姿勢を感じます。最初のトレーニングキャンプで、アンチドーピングに関する長いレクチャーを受けました」と語っていた。

text:Kei Tsuji

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