2月18日、UCI(国際自転車競技連合)はCAS(スポーツ仲裁裁判所)の判決の通り、カチューシャにUCIワールドツアーライセンスを与え、2013年シーズンのUCIプロチームを規定上限数を上回る19チームとすると発表した。チームにとっては朗報だが、レース現場では混乱が予想される。

エースのホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)はすでにツアー・オブ・オマーンで1勝エースのホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)はすでにツアー・オブ・オマーンで1勝 photo:A.S.O.「カチューシャマネジメント会社の訴えを2月15日にCASが認めたことを受け、本日、UCIは2013年シーズンのUCIプロチーム数を例外的に19チームとすると発表する」。UCIはプレスリリースの中でそう明らかにした。

“倫理的な理由”からUCIワールドツアーライセンス更新を逃したロシアのカチューシャは、UCIプロコンチネンタルチームとしてすでに2013年シーズンをスタートさせている。理不尽なUCIの判断に対する訴えが認められ、晴れてUCIプロチームとしての活動を再開。UCIプロチーム登録が叶わなかった場合、契約通りチームを移籍することを示唆していたエースのホアキン・ロドリゲス(スペイン)はチームに残留する。

UCIの規定によると、UCIプロチームの上限数は18チーム。CASによるカチューシャ勝訴が伝えられた際、1チームがカチューシャに代わってUCIプロコンチネンタルチームに降格するという話も囁かれたが、UCIは例外としてUCIプロチーム数を19チームとした。

ただ、問題となるのは、UCIワールドツアーレースの出場チーム枠だ。すでにイタリアのRCSスポルトはジロ・デ・イタリアの招待22チームを発表済み。自動的に出場権が与えられるカチューシャが加わることで、合計23チームとなる。ジロが23チームを出場させるのか、それともワイルドカード枠で招待予定のUCIプロコンチネンタルチームを1チーム外すのか。その他にも、出場チームに関して調整を迫られるレースが続出するだろう。

text:Kei Tsuji