10月11日(日)、筆者の実家・長野から車を走らせ、県境を越え新潟へ。目的地は日本唯一の村営競輪場、弥彦競輪場だ。今回の特集はGI「第35回寬仁親王牌・世界選手権トーナメント」。翌12日(月・祝)の決勝レースまでの模様を、今回もしっかりたっぷりお伝えします。バイクチェックは、GI優勝3回を数える大ベテラン、成田和也選手。
西側に日本海と競輪場を隔てる弥彦山がそびえ、レースを見守る弥彦競輪場。その霊峰を祀る彌彦神社に隣接する周長400mの当場は、最大カント32°24′17″で、みなし直線は400バンクの中で武雄競輪場(64.4m)に次ぐ63.1mもの長さがある。そのため捲りや差しが決まりやすく、逃げを得意とする選手にとってはやや不利に働く。

爽やかな好天に恵まれた弥彦競輪場 photo: Yuichiro Hosoda
最寄り駅はJR弥彦駅で、本場へは徒歩で北へ15〜20分ほどの道のり。本場周辺には計2000台を収容する無料駐車場があるため、もちろん自家用車で行くのもアリ。シクロワイアード読者の皆さんであれば、自転車で出掛けて午前は弥彦山ヒルクライム、午後は競輪観戦なんてライドプランもオススメ。
燕三条駅、弥彦駅などから無料のファンバスも出ているが、開催により発着本数に増減があることも。事前に弥彦競輪場公式サイトや大会特設サイトのアクセスページをチェックをしておこう。

メインゲートの宝光院側入場口 photo: Yuichiro Hosoda

弥彦競輪場の神社側入場口。南側の駐車場からはこちらが近い photo: Yuichiro Hosoda 
弥彦競輪場の鹿苑側入場口 photo: Yuichiro Hosoda
その一角にあるイベントステージではお笑い芸人の原口あきまささんのライブや神山雄一郎さんのトークショーなどもあり、その開催時には通路が人で通れなくなるのでは?と思われる程の人だかり(もちろん係の方によって、動線はしっかり確保)。その向かいにあるバンク側の観覧席も、レース開始前には立ち見で後ろの柵ギリギリまで埋まるほどの観客が詰めかけていた。

宝光院側入場口をくぐるとすぐにあったのは、こども縁日。親子連れの皆さんは、まずはここで足止め(笑) photo: Yuichiro Hosoda

親子でヨーヨー釣りを楽しむ photo: Yuichiro Hosoda 
こちらはシューティングルーレット。ド真ん中に当てた子も photo: Yuichiro Hosoda

大勢の人が詰めかけたイベントステージ photo: Yuichiro Hosoda 
日曜のイベントステージでは神山雄一郎さん(栃木、元61期)のトークショーも photo: Yuichiro Hosoda
人の往来が絶えなかった中央アーケードにも様々なブースが立ち並んでいたが、実はこの屋根は開閉式。日差しが入らない時間帯には屋根幕が収納されて開放感が増し、爽やかな青空を見上げながら場内を散策することが出来た。
さて、こうして場内を歩いていればお腹も空くわけで。お次は本場へ行くもう一つの楽しみ、弥彦のグルメをご紹介。

弥彦のスタンド裏の中央アーケード。この屋根、実は開閉式 photo: Yuichiro Hosoda 
アーケードの屋根幕が収納されると、爽やかな青空が photo: Yuichiro Hosoda

この日の弥彦競輪場公式YouTubeは、吉井秀仁さん(千葉、元38期)が解説。MCは長谷川千恵さん photo: Yuichiro Hosoda 
中央アーケード沿いにあるガイダンスコーナーでのんびり photo: Yuichiro Hosoda
こちらはおでんが美味しいと言う噂を聞きつけ、店先の窓口で「おでんセット」を注文。280円。なぜ競輪場メシはこんなに安いのか。その謎を探りに我々は弥彦山の奥地…には行かず、席に座っておでんを頂いた。客足が大増加するGIとあって素材の回転が速いらしく、お姉さんが「あまり出汁が染みてないんですよ〜」と焦る姿を見せるも、その味はサラっと食べるに丁度良し、量もツマミやおやつに丁度良し。皆さんが車券を買う合間にも、私の取材の合間にも良き相棒なフードでした。

食堂や投票&休憩スペースが集まるセダーハウス photo: Yuichiro Hosoda

常設店舗の寶光院食堂 photo: Yuichiro Hosoda 
寶光院食堂の軒先では、お手軽におでんを買う事が出来た photo: Yuichiro Hosoda

何かと丁度良かった寶光院食堂のおでんセット photo: Yuichiro Hosoda
セダーハウスもう一方の店舗は、元競輪選手の池端将巳さん(いけばた まさみ、新潟、元79期)が営む「ラーメン輪(WA)」。池端さんは、新潟のガールズ1期、加瀬加奈子選手や田中麻衣美さん(元102期)の師匠でもある。2016年4月に40歳で競輪選手を引退すると調理師専門学校で基礎を学び、ワシントンホテルの厨房で修行した後、ラーメン作りのノウハウを身に着け2020年8月にこの店舗をオープンした。
そんなルーツを聞いて「これは是非食べなければ」と意気込んでいたのだが、準決勝開催日は客足の凄まじさを見誤って完全に出遅れ、途絶えぬ行列を前に悔し涙を流した。しかし、ここで諦めが付かぬ私は閉店後の店舗を再訪。翌日の取材をお願いするとご快諾頂いた。

常に賑わっていた「ラーメン輪(WA)」 photo: Yuichiro Hosoda 
「ラーメン輪」の向かいには9月に亡くなられた諸橋愛選手(新潟、79期)の献花台。多くの人達が手を合わせていた photo: Yuichiro Hosoda
そうして翌日、朝一番で開店前の店舗に訪れると、他のスタッフの皆さんと共に店のお手伝いをしている池端さんの弟子、田中麻衣美さん(新潟、元102期)が迎え入れてくれた。厨房では池端さんが手慣れた手つきで自家製チャーシューを捌く。池端さんは学年こそ違えど筆者と同じ1975年生まれ。この店を営む傍ら、競輪予想家としての一面も持つようになった現在は「現役時代より選手の名前や脚質をたくさん覚えました」と笑う。
食事は挨拶に訪れていた池端さんの知人、坂井湧斗さんと相席させて頂いた。撮影にも快く応じてくださった坂井さんは背脂ラーメン、私は池端さんがチャーシューを切る姿に誘われてチャーシュー麺を。柔らかな自家製チャーシューが載ったそれは、細麺にアッサリめのスープが合わせられ、私好み。サッパリとした口当たりで後味もヨシ。
坂井さんと会話をしながらその味を堪能すると、並び待つ人もいるため長居は無用。ごちそうさまでした!とお礼を述べて、共に店を後にした。美味しい食事に、こんな一期一会もまた愉しい。お忙しい中、手厚くご対応頂いた池端さんと皆様に改めて感謝したい。ありがとうございました。

壁には、店に訪れた選手や著名人のサイン色紙がズラリ photo: Yuichiro Hosoda 
手際良く自家製チャーシューを切っていく池端将巳さん photo: Yuichiro Hosoda

見ただけで美味しそうなチャーシュー麺 photo: Yuichiro Hosoda 
撮影のモデルを買って出てくれた坂井湧斗さん photo: Yuichiro Hosoda

開催中スタッフとして働いていた弟子の田中麻衣美さん(新潟、元102期)とのツーショット、頂きました photo: Yuichiro Hosoda
1番車は昨年のグランプリウィナー、郡司浩平(神奈川)。失格や不調が重なり、今年のGI戦線で思うような走りを見せられなかったが、前節・松阪GIIIの蒲生氏郷杯王座競輪で優勝を遂げて調子を取り戻すと、今節準決勝でも阿部拓真(宮城)とのSSコンビで1着、決勝進出を決めた。
同様にS級S班としての大役を担い苦しんでいた阿部が、郡司と再びタッグを組んで5番車に。こちらは今年初のGI決勝とあり、前日インタビューでは安堵の表情を見せていた。3番手には昨年の日本選手権競輪以来2度目のGI優出となった8番車・阿部力也(宮城)が付く。

快晴の空の下、選手紹介のステージに上がった決勝出場選手達。車番の色に応じた花輪が贈られた photo: Yuichiro Hosoda
6番車の木村皆斗(茨城)は、準決勝で取手一高の先輩である吉田拓矢(茨城)を背に、縦横無尽の走りを見せて吉田とのワンツー。こちらは生涯初のGI決勝。勝って2番車に入った吉田と再び同校の先輩・後輩が連携し、他地区との戦いに挑む。
前回GI・オールスター競輪覇者の犬伏湧也(徳島)は、7番車で四国ラインの前を駆ける。準決勝では松本貴治(愛媛)を決勝へ押し上げる走りで3着。1着で勝ち上がった松本は、9番車として昨年2着の雪辱を期し四国3番手に。その2番手を務めるのは3番車・石原颯。四国1番手で走ることを希望したが、犬伏が「オールスターも(石原が前で)獲らせてもらっているし、自分が前で」と話し、この並びとなった。

決勝出場選手の名がコールされる度、鼓動の和太鼓が鳴り響く photo: Yuichiro Hosoda 
スモークと炎柱が選手達をバンクへと送り出す photo: Yuichiro Hosoda
4番車・荒井崇博(長崎)はこのレース唯一の単騎。2日目のローズカップで古性優作(大阪)と組んで1着を決め、準決勝も内から強襲して吉田、木村の3着。強い姿を見せてここまで上がってきた。
この中で過去にこの大会の決勝へと進んだ事があるのは郡司浩平、吉田拓矢、松本貴治、犬伏湧也がいるが、優勝者はゼロ。ここで勝てば、いずれの選手も当大会初優勝となる。
西側に日本海と競輪場を隔てる弥彦山がそびえ、レースを見守る弥彦競輪場。その霊峰を祀る彌彦神社に隣接する周長400mの当場は、最大カント32°24′17″で、みなし直線は400バンクの中で武雄競輪場(64.4m)に次ぐ63.1mもの長さがある。そのため捲りや差しが決まりやすく、逃げを得意とする選手にとってはやや不利に働く。

最寄り駅はJR弥彦駅で、本場へは徒歩で北へ15〜20分ほどの道のり。本場周辺には計2000台を収容する無料駐車場があるため、もちろん自家用車で行くのもアリ。シクロワイアード読者の皆さんであれば、自転車で出掛けて午前は弥彦山ヒルクライム、午後は競輪観戦なんてライドプランもオススメ。
燕三条駅、弥彦駅などから無料のファンバスも出ているが、開催により発着本数に増減があることも。事前に弥彦競輪場公式サイトや大会特設サイトのアクセスページをチェックをしておこう。



縁日の雰囲気に開閉自在なアーケード 弥彦独特の場内を散策
山と神社、場外を静謐な雰囲気が包む競輪場も、この日ばかりは賑やかに。神社のお祭りの如く、子供達は射的や輪投げと言った昔ながらの遊びを楽しみ、景品を受け取って大喜び。その一角にあるイベントステージではお笑い芸人の原口あきまささんのライブや神山雄一郎さんのトークショーなどもあり、その開催時には通路が人で通れなくなるのでは?と思われる程の人だかり(もちろん係の方によって、動線はしっかり確保)。その向かいにあるバンク側の観覧席も、レース開始前には立ち見で後ろの柵ギリギリまで埋まるほどの観客が詰めかけていた。





人の往来が絶えなかった中央アーケードにも様々なブースが立ち並んでいたが、実はこの屋根は開閉式。日差しが入らない時間帯には屋根幕が収納されて開放感が増し、爽やかな青空を見上げながら場内を散策することが出来た。
さて、こうして場内を歩いていればお腹も空くわけで。お次は本場へ行くもう一つの楽しみ、弥彦のグルメをご紹介。




寶光院食堂とラーメン輪、セダーハウスに並ぶ名物2店舗を訪問
入場口にもその名が付いている事でおわかりの通り、この競輪場の隣には、宝光院と言う寺院がある。そして場内のセダーハウスと言う施設内にも「寶光院食堂」と言う名の食堂が常設されている。こちらはおでんが美味しいと言う噂を聞きつけ、店先の窓口で「おでんセット」を注文。280円。なぜ競輪場メシはこんなに安いのか。その謎を探りに我々は弥彦山の奥地…には行かず、席に座っておでんを頂いた。客足が大増加するGIとあって素材の回転が速いらしく、お姉さんが「あまり出汁が染みてないんですよ〜」と焦る姿を見せるも、その味はサラっと食べるに丁度良し、量もツマミやおやつに丁度良し。皆さんが車券を買う合間にも、私の取材の合間にも良き相棒なフードでした。




セダーハウスもう一方の店舗は、元競輪選手の池端将巳さん(いけばた まさみ、新潟、元79期)が営む「ラーメン輪(WA)」。池端さんは、新潟のガールズ1期、加瀬加奈子選手や田中麻衣美さん(元102期)の師匠でもある。2016年4月に40歳で競輪選手を引退すると調理師専門学校で基礎を学び、ワシントンホテルの厨房で修行した後、ラーメン作りのノウハウを身に着け2020年8月にこの店舗をオープンした。
そんなルーツを聞いて「これは是非食べなければ」と意気込んでいたのだが、準決勝開催日は客足の凄まじさを見誤って完全に出遅れ、途絶えぬ行列を前に悔し涙を流した。しかし、ここで諦めが付かぬ私は閉店後の店舗を再訪。翌日の取材をお願いするとご快諾頂いた。


そうして翌日、朝一番で開店前の店舗に訪れると、他のスタッフの皆さんと共に店のお手伝いをしている池端さんの弟子、田中麻衣美さん(新潟、元102期)が迎え入れてくれた。厨房では池端さんが手慣れた手つきで自家製チャーシューを捌く。池端さんは学年こそ違えど筆者と同じ1975年生まれ。この店を営む傍ら、競輪予想家としての一面も持つようになった現在は「現役時代より選手の名前や脚質をたくさん覚えました」と笑う。
食事は挨拶に訪れていた池端さんの知人、坂井湧斗さんと相席させて頂いた。撮影にも快く応じてくださった坂井さんは背脂ラーメン、私は池端さんがチャーシューを切る姿に誘われてチャーシュー麺を。柔らかな自家製チャーシューが載ったそれは、細麺にアッサリめのスープが合わせられ、私好み。サッパリとした口当たりで後味もヨシ。
坂井さんと会話をしながらその味を堪能すると、並び待つ人もいるため長居は無用。ごちそうさまでした!とお礼を述べて、共に店を後にした。美味しい食事に、こんな一期一会もまた愉しい。お忙しい中、手厚くご対応頂いた池端さんと皆様に改めて感謝したい。ありがとうございました。





石原颯がGI初制覇 寬仁親王牌・世界選手権トーナメント[GI]
最終日も秋晴れ。バンクに西陽が差し込み、佐渡を拠点とする太鼓芸能集団「鼓動」の和太鼓が鳴り響く中、決勝進出を決めた選手達が順番に敢闘門から出てくる。1番車は昨年のグランプリウィナー、郡司浩平(神奈川)。失格や不調が重なり、今年のGI戦線で思うような走りを見せられなかったが、前節・松阪GIIIの蒲生氏郷杯王座競輪で優勝を遂げて調子を取り戻すと、今節準決勝でも阿部拓真(宮城)とのSSコンビで1着、決勝進出を決めた。
同様にS級S班としての大役を担い苦しんでいた阿部が、郡司と再びタッグを組んで5番車に。こちらは今年初のGI決勝とあり、前日インタビューでは安堵の表情を見せていた。3番手には昨年の日本選手権競輪以来2度目のGI優出となった8番車・阿部力也(宮城)が付く。

6番車の木村皆斗(茨城)は、準決勝で取手一高の先輩である吉田拓矢(茨城)を背に、縦横無尽の走りを見せて吉田とのワンツー。こちらは生涯初のGI決勝。勝って2番車に入った吉田と再び同校の先輩・後輩が連携し、他地区との戦いに挑む。
前回GI・オールスター競輪覇者の犬伏湧也(徳島)は、7番車で四国ラインの前を駆ける。準決勝では松本貴治(愛媛)を決勝へ押し上げる走りで3着。1着で勝ち上がった松本は、9番車として昨年2着の雪辱を期し四国3番手に。その2番手を務めるのは3番車・石原颯。四国1番手で走ることを希望したが、犬伏が「オールスターも(石原が前で)獲らせてもらっているし、自分が前で」と話し、この並びとなった。


4番車・荒井崇博(長崎)はこのレース唯一の単騎。2日目のローズカップで古性優作(大阪)と組んで1着を決め、準決勝も内から強襲して吉田、木村の3着。強い姿を見せてここまで上がってきた。
この中で過去にこの大会の決勝へと進んだ事があるのは郡司浩平、吉田拓矢、松本貴治、犬伏湧也がいるが、優勝者はゼロ。ここで勝てば、いずれの選手も当大会初優勝となる。
寬仁親王牌・世界選手権トーナメント[GI]出走表
| 車番 | 選手名 | 期 | 級班 |
|---|---|---|---|
| 1 | 郡司浩平(神奈川) | 99期 | SS |
| 2 | 吉田拓矢(茨城) | 107期 | SS |
| 3 | 石原颯(香川) | 117期 | S1 |
| 4 | 荒井崇博(長崎) | 82期 | S1 |
| 5 | 阿部拓真(宮城) | 107期 | SS |
| 6 | 木村皆斗(茨城) | 119期 | S1 |
| 7 | 犬伏湧也(徳島) | 119期 | S1 |
| 8 | 阿部力也(宮城) | 100期 | S1 |
| 9 | 松本貴治(愛媛) | 111期 | S1 |
スタート直後、9番車の松本貴治がペダルを踏み込み前へ出て行く。これに2番車・吉田もSを譲らぬ姿勢を見せ、両車並走。1番車・郡司も最内でこれに絡むも、2コーナーを抜けて番手を下げる。バックストレッチまで先頭を争っていた2人は、3コーナーへ差し掛かる頃には松本が車を下げ、吉田がSを取った。
3-4コーナーにかけては郡司が吉田、松本の外から再び上がりを見せ、これに3番車・石原が追走。さらにはその外から6番車の木村が上がっていく。

9番車・松本貴治(愛媛)と2番車・吉田拓矢(茨城)が見合いながらSを取りに行く photo: Yuichiro Hosoda

松本貴治(愛媛)がやや先行するも吉田拓矢(茨城)が内で譲らず photo: Yuichiro Hosoda 
並びが決まらぬまま選手達が2周目へと入っていく photo: Yuichiro Hosoda
位置取りの牽制で混沌としたまま1周目を終えたレースは、2周目に入って吉田が木村を前に迎え入れた事で整い始める。バックで吉田の後ろに入ったのは単騎の荒井で、その後に石原、松本が続きつつ犬伏の上がりを待つ態勢。郡司、阿部拓、阿部力の南関東―北日本ラインが後方に並んだ。
3コーナーで犬伏が石原の前に収まると、ようやく集団は一列に。⑥木村―②吉田、④荒井、⑦犬伏―③石原―⑨松本、①郡司―⑤阿部拓―⑧阿部力と連なって、2周目を終える。

バックで荒井崇博(長崎)が関東2車の後ろ、3番手に photo: Yuichiro Hosoda 
2周目3コーナーで犬伏湧也(徳島)が4番手に収まり、並びが決まる photo: Yuichiro Hosoda

スタンドの声援を受けながら、隊列が青板周回を迎える photo: Yuichiro Hosoda
3周目をこの状態で終えると、残り3周回となった4周目の1センターから郡司が2人の阿部を連れて上昇開始。バックストレッチで犬伏の横まで上がると、四国3車に蓋をするように外並走。ホームに戻って郡司が犬伏に肩で牽制を入れながら荒井の後ろを確保すると、赤板の残り2周回へと入った。
加速する集団の中、一旦犬伏率いる四国ラインは1コーナーで後方に番手を下げ、6番手に居た阿部力との車間を大きく空けていく。そして2コーナーを超えバックに入るタイミングで犬伏が発進。先頭誘導員もこれと同時に離脱し、犬伏は勢いよく郡司らの地区混成ラインを捲っていく。

犬伏湧也(徳島)ら四国勢の外に郡司浩平(神奈川)が引く混成ラインが並ぶ photo: Yuichiro Hosoda 
郡司浩平(神奈川)が肩を入れ、犬伏湧也(徳島)を内へ押しやる photo: Yuichiro Hosoda

木村皆斗(茨城)が先頭誘導員との車間を空けながら先頭で残り2周回へ photo: Yuichiro Hosoda

赤板2コーナー出口、犬伏湧也(徳島)の踏み込みを見て、先頭の木村皆斗(茨城)も加速 photo: Yuichiro Hosoda
先頭を走る木村もこれに合わせて加速するが、勢い止まぬ犬伏がホームでこれを飲み込み、最終周回へ。犬伏に連れ立って走る石原、松本も1-2コーナーのうちに木村を捲り切り、四国3車がバックで先頭に立つ。その後方では木村の後ろから発射した吉田が郡司と並走し、競り合う。
バックストレッチ半ばで脚を使い切った犬伏が車を下げていくと、石原が満を持して先頭に。身体を左右に振りながら最終コーナーを抜けると、その番手にいた松本も横に車を出して踏み込む。内で吉田もこれに追随、外から荒井も追い込んできたが、石原が渾身のハンドル投げで松本に1車輪先着。今年2つめのGIタイトルを四国勢にもたらした。

四国勢を引き連れ、犬伏湧也(徳島)が気迫の籠もった表情で最終周回1コーナーへと突入する photo: Yuichiro Hosoda

犬伏湧也(徳島)が引く四国勢が最終2コーナー出口で先頭へ出切る photo: Yuichiro Hosoda 
3コーナー手前で石原颯(香川)が先頭に立つ photo: Yuichiro Hosoda

身体を左右に振りながら石原颯(香川)が先頭で直線を立ち上がる photo: Yuichiro Hosoda 
松本貴治(愛媛)とハンドルを投げ合い、石原颯(香川)が先着、寬仁親王牌を制した photo: Yuichiro Hosoda
自身初のGIタイトルを奪取した石原。同期の寺崎浩平(福井)には前日「ここで獲れなかったら一生獲れないぞ」と言われ気持ちが入ったと言う。一旦後方に引いてからの動きとなった四国勢の動きについては「ああなる事も想定して作戦を立てていた」と話す。
自分が仕掛けた場面については「後ろを振り返る余裕がなく、いつ来るかわからなかったので、車間が詰まったところで出させてもらった」。2年連続で同大会2着となった松本との最後の踏み合いは、四国勢として「どっちが獲っても良かったので、一生懸命2人で頑張りました」と振り返った。
終始緊張の面持ちで話していた石原には、インタビュー終盤に「もっと喜べよー!」とファンから声が飛び、顔をほころばせる場面も。選手になった動機が「KEIRINグランプリを観てとてもかっこよかったから」と言う石原が、その憧れの舞台への出場権を得た。

右拳を掲げて観客の祝福に応える石原颯(香川) photo: Yuichiro Hosoda

彬子女王殿下がご臨席された表彰式 photo: Yuichiro Hosoda 
彬子様より寬仁親王牌を下賜された石原颯(香川)と、2着の松本貴治(愛媛)、3着の吉田拓矢(茨城) photo: Yuichiro Hosoda

ガッツポーズをしながら敢闘門へと戻っていく石原颯(香川) photo: Yuichiro Hosoda

石原颯(香川)を四国の仲間たちが胴上げ photo: Yuichiro Hosoda
3-4コーナーにかけては郡司が吉田、松本の外から再び上がりを見せ、これに3番車・石原が追走。さらにはその外から6番車の木村が上がっていく。



位置取りの牽制で混沌としたまま1周目を終えたレースは、2周目に入って吉田が木村を前に迎え入れた事で整い始める。バックで吉田の後ろに入ったのは単騎の荒井で、その後に石原、松本が続きつつ犬伏の上がりを待つ態勢。郡司、阿部拓、阿部力の南関東―北日本ラインが後方に並んだ。
3コーナーで犬伏が石原の前に収まると、ようやく集団は一列に。⑥木村―②吉田、④荒井、⑦犬伏―③石原―⑨松本、①郡司―⑤阿部拓―⑧阿部力と連なって、2周目を終える。



3周目をこの状態で終えると、残り3周回となった4周目の1センターから郡司が2人の阿部を連れて上昇開始。バックストレッチで犬伏の横まで上がると、四国3車に蓋をするように外並走。ホームに戻って郡司が犬伏に肩で牽制を入れながら荒井の後ろを確保すると、赤板の残り2周回へと入った。
加速する集団の中、一旦犬伏率いる四国ラインは1コーナーで後方に番手を下げ、6番手に居た阿部力との車間を大きく空けていく。そして2コーナーを超えバックに入るタイミングで犬伏が発進。先頭誘導員もこれと同時に離脱し、犬伏は勢いよく郡司らの地区混成ラインを捲っていく。




先頭を走る木村もこれに合わせて加速するが、勢い止まぬ犬伏がホームでこれを飲み込み、最終周回へ。犬伏に連れ立って走る石原、松本も1-2コーナーのうちに木村を捲り切り、四国3車がバックで先頭に立つ。その後方では木村の後ろから発射した吉田が郡司と並走し、競り合う。
バックストレッチ半ばで脚を使い切った犬伏が車を下げていくと、石原が満を持して先頭に。身体を左右に振りながら最終コーナーを抜けると、その番手にいた松本も横に車を出して踏み込む。内で吉田もこれに追随、外から荒井も追い込んできたが、石原が渾身のハンドル投げで松本に1車輪先着。今年2つめのGIタイトルを四国勢にもたらした。





自身初のGIタイトルを奪取した石原。同期の寺崎浩平(福井)には前日「ここで獲れなかったら一生獲れないぞ」と言われ気持ちが入ったと言う。一旦後方に引いてからの動きとなった四国勢の動きについては「ああなる事も想定して作戦を立てていた」と話す。
自分が仕掛けた場面については「後ろを振り返る余裕がなく、いつ来るかわからなかったので、車間が詰まったところで出させてもらった」。2年連続で同大会2着となった松本との最後の踏み合いは、四国勢として「どっちが獲っても良かったので、一生懸命2人で頑張りました」と振り返った。
終始緊張の面持ちで話していた石原には、インタビュー終盤に「もっと喜べよー!」とファンから声が飛び、顔をほころばせる場面も。選手になった動機が「KEIRINグランプリを観てとてもかっこよかったから」と言う石原が、その憧れの舞台への出場権を得た。





寬仁親王牌・世界選手権トーナメント[GI]結果
| 着 | 車番 | 選手名 | 級班 | 着差 | 上りタイム |
|---|---|---|---|---|---|
| 1着 | 3 | 石原颯(香川) | S1 | 11.1秒 | |
| 2着 | 9 | 松本貴治(愛媛) | S1 | 1車輪 | 11.1秒 |
| 3着 | 2 | 吉田拓矢(茨城) | SS | 1車身 | 11.1秒 |
| 4着 | 4 | 荒井崇博(長崎) | S1 | 3/4車輪 | 11.0秒 |
| 5着 | 1 | 郡司浩平(神奈川) | SS | 1/2車輪 | 11.2秒 |
| 6着 | 5 | 阿部拓真(宮城) | SS | 3/4車輪 | 11.1秒 |
| 7着 | 8 | 阿部力也(宮城) | S1 | 1車身1/2 | 11.2秒 |
| 8着 | 6 | 木村皆斗(茨城) | S1 | 7車身 | 11.9秒 |
| 9着 | 7 | 犬伏湧也(徳島) | S1 | 大差 | 13.6秒 |
あなたの自転車見せてください 〜特別競輪4勝の大ベテラン、成田和也編〜
筆者の独断と偏見でチョイスしているバイクチェックの第28回目は、いぶし銀の大ベテラン、成田和也選手(福島、88期)のLEVELをご紹介しよう。成田選手は2010年GII・サマーナイトフェスティバルに優勝すると、翌年からGIを計3勝。2009〜11年に開催された「SSシリーズ風光る」を2011年に、2012年に日本選手権競輪、2013年には高松宮記念杯競輪を制した。個人的には、GIの勝利もさることながら、雨中決戦となった京王閣でのKEIRINグランプリ2012、最後の直線で浅井康太選手(三重)と競り合いながら、優勝した村上義弘さん(京都、元73期)にタイヤ差まで迫り2着となったレースも思い出される。

白にメタル調のブルーロゴが際立つフレームは、師匠の佐藤一朗さん(福島、元63期)に最初に作ってもらった時のカラーリングを継承している。写真では伝わりにくいのだが、白い部分にも微かに青ラメが入っており、青光りする。「僕は大雑把なので(笑)、これをやってくださいと言うのもなく、デビューしてずっとこのままです。師匠もこれだったので丁度いいかなと。師匠のおかげですね」と感謝する。
LEVELに乗り続ける理由は「少し重たい感じはありますけど、ちょっと硬めの反応と言うか、自分が力を出す時にしっかり反応してくれるので好きですね」。各チューブも自ら指定しており、発注頻度としては年2本程だとか。今年制作したものは先日落車で壊れてしまったそうで、これは昨年のフレーム。「一旦使ってイマイチだったんですけど、練習で使っていたら感触が良くなってきたので、レースで使い出して。今いい感じですね、不思議なんですけど」と笑う。



フォークブレードには昨今のエアロ化の流行に反して、昔ながらの丸パイプを用いる。エアロフォークだとやや行き過ぎたりする事があったそうだが、丸パイプだと「自分の思ったところにしっかり持っていけますね。番手なので外に内にと動いたり、前へ行くにも、スピード調整するのにこの方が扱いやすいです」。ポジションについては「フレームのサイズを変える事はあるんですけど、基本的にポジションはあまり変えず、身体を自転車に合わせていくタイプ」と話す。
そんな成田選手のハンドル周りは、ステム長120mm、ハンドル幅360mmにソーヨーのロンググリップ。このグリップはショートタイプに比べ、表面の凹凸が細かめ。これを田辺ボーグ製の薄手の競輪用グローブに合わせており、「グリップもグローブも薄く、手に近い感覚でハンドルを持てるので好きですね。」とその理由を教えてくれた。



サドルは「細身のファイブゴールド7よりは落ち着いて座れる」とカシマックス ファイブゴールドに。フレームが白のため、サドルカラーも白をチョイスし続けていると言うが「黒の方がツルっとした感触はありますね」とカラーによるグリップの違いも把握している様子。
ドライブトレインは、51×13Tの組み合わせ。「47(×12T)にしたこともあるんですけど、自分の脚質的に51の方が色々な展開に対応しやすい」と言う。165mm長にしたクランクは、170あたりは回しにくく、やはり165の方が使いやすいとの判断から。チェーンリングは「スギノ禅は引っかかりすぎて」とデュラエース。
タイヤはソーヨー ゴールドスターを前後に履く。そこまで拘りはないと話すが「基本これが好きなので、これがあれば(ホイールを)これで作っちゃいますね」。そのホイールは、リアスポークを結線すると硬すぎて自転車が跳ねてしまうそうで「少したわむ事で接地が良くなる」と後輪は無結線。前輪は安全性と進みを意識し、潰れにくいようにと結線を行う。




以前はMKS RX-1を使っていたと言うペダルは、現在MKS SUPREME。「自分の感触に従って選んでいて、これはしっかり嵌る感じがあります。RX-1は軽いんですけど、ちょっとフワっとなる感じ」。また、成田選手は足が小さいためストラップを締めても動いてしまうそうで、結束バンドでストラップを動かないよう留めている点が興味深いポイントだった。
最後に息子さんの話を少し。「成田」と言えばお聞き及びの方もいるであろう、その御子息はロードやシクロクロスで活躍する成田光志選手だ。ジュニアカテゴリで昨年の全日本ロードを優勝、全日本シクロクロスでも2024と2025と連覇。今年はU23となり新城幸也選手も所属するチームソリューションテック・NIPPO・ラーリに加入し、欧州でレース活動を行っている。


余談ながらその光志選手の様子も尋ねると、欧州で彼が走る姿を見に行きたい気持ちはあるそうだが、「強くなるまで来ないで」と言われているそうで、今年の活動成果について触れつつ「まだ行くことはなさそうです」と選手目線の厳しさの中に、もどかしい親心も覗かせていた。
成田選手はレース直後でも疲れた姿を見せず、普段の落ち着いた雰囲気のまま丁寧に取材に応じてくださいました。成田選手、ありがとうございました。

JKA協賛プレゼントキャンペーン第28弾
優勝選手サイン入りQUOカード
28回目となる公益財団法人 JKA協賛によるプレゼントキャンペーン。今回も応募フォームのアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で、大会オリジナルQUOカードが当たります。フォームには、宛先に加えて任意で感想を入力するだけ。最短1分ほどで入力が完了します。今回も大会限定QUOカード2枚1セットを5名様に。2枚のうち1枚は、GI初優勝を遂げた石原颯選手の直筆サイン&日付入りです。ぜひ、ご応募&コメントをお寄せください!

※QUOカードは1枚あたり500円分となります。
※ご応募は、お一人様1回限りとさせていただきます。複数回ご応募された場合は、抽選対象から除外となりますので、ご注意ください。
※当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。電話やメールでの当選結果のご質問にはお答えできませんので、ご了承ください。
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提供:公益財団法人 JKA text&photo: Yuichiro Hosoda