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続いてフレームジオメトリーと剛性パターンを、これまで測定した数値に基づいて決めていく。
これが終わるといよいよ発注だ。

ジオメトリー候補と剛性パターンの決定

7.ジオメトリー候補の選択

フレームジオメトリー/パーツ情報画面フレームジオメトリー/パーツ情報画面
ここで出されるジオメトリー候補は、ポジション=身体の位置としては同一のものだが、そこにトップチューブ長とステム長の組み合わせや、ヘッドチューブ長とスペーサーの組み合わせなどが選べるものだ。ステム長やハンドル高の将来的な変更などを考慮して選択しよう。なお、設計上余裕のない寸法のフレームの場合は、この候補が1つしか表示されない、あるいは「ヘッドチューブ長が足りず、バランスの良いフレームにするにはハンドルの高さを○mm以上上げて再計算が必要です」といった警告が出るケースもある。

ジオメトリー候補選択画面ジオメトリー候補選択画面
こうしてフレームジオメトリー候補が決まると、続いて細部を決めることになる。「フレームジオメトリー/パーツ情報」の画面だ。ステム長やコラムスペーサーの厚さ等がここで微調整でき、さらにここでトップチューブ長を5〜10mm調整できる場合もある(設計上の余裕による)。最後は「フレームジオメトリーを決定してください」をプルダウン。ここでは「PCで計算されたジオメトリーにする」を選び、次の画面に移行しよう。


ここがポイント!

ジオメトリー候補が複数出されたとき、そのどれを選ぶかは誰もが迷ってしまうところだ。フレームサイズの違い、トップチューブ長の違い、ヘッドチューブ長の違い、ステム長の違い、コラムスペーサーの違い。ライディングポジションとしてはほぼ同一の位置だが、異なるフレームディメンションがいくつか提示されるのだ。ここはショップスタッフとしっかり相談したいところ。たとえば他の部分の寸法が同じでコラムスペーサーが0mmと5mmを選べるということは、推奨ポジションはその中間にあると考えられるのだ。



8.フレーム剛性提案のための体力測定

次は体力測定(有酸素能力測定)だ。剛性選択テストを行いますか? という文字がパソコンの画面に出る。これは、最大有酸素パワーを測定し、その値に見合った剛性を推奨するためのテストだ。

これは、10分ほど巡航可能な速度域を選んでください、というもので、オーナーの脚力を見極める上で重要な役割を果たす。だから、「10分ほど巡航可能な<もっとも高い>速度域を選んでください」と言い換えてもいいだろう。選択肢は時速26km未満から40km以上までの9ランクに分かれ、負荷が設定される。

最大心拍数を入力し、いざ、スタート!

ここがポイント!

アンカー・フィッティングマシンでは、レバーによる負荷と回転数を指示してテストを行う。このとき、マシンのモニタに表示される心拍・実パワー(ワット)を記録してもらい、それを入力して推定有酸素パワーを調べるのだ。このテストの結果、あなたの推定有酸素パワーや推定最大酸素摂取量、そして有酸素パワーの年代別評価などが表示される。
剛性選択をするために必要な体力測定の開始を尋ねる画面剛性選択をするために必要な体力測定の開始を尋ねる画面 体力(有酸素パワー)測定画面体力(有酸素パワー)測定画面


フィッティングマシンに装着されたコンソール。心拍数やワット数を記録し、推定有酸素パワーなどを割り出すフィッティングマシンに装着されたコンソール。心拍数やワット数を記録し、推定有酸素パワーなどを割り出す Photo: Hitoshi.OMAE 必要な項目の入力が終わったら、測定スタート!必要な項目の入力が終わったら、測定スタート! Photo: Hitoshi.OMAE



9. フレームジオメトリーと剛性を提案

アンケート調査(好みの剛性)、身体寸法(身長・体重・股下)の測定とその後のアジャスト、有酸素パワー(能力)のデータから、アンカーが推奨する剛性パターンが提示される。

まずはアンケート結果(走りのタイプ、レベル、好みの剛性)だけに基づいたオススメの剛性パターンが表示され、その下に続いて、アンケート結果に剛性選択テスト(有酸素能力テスト)を反映させたオススメ剛性パターンが表示される。これらをよく読んで、ついにアナタの剛性を決めるのだ! 右の表が、RMZの全7パターンの剛性の全貌だ。

剛性選択画面剛性選択画面

剛性パターン

SEL 1.
体重70kg以上のスプリンターで硬めの剛性を好むライダー

最高剛性モデルで、スプリンターやパワーのあるライダーに適しています。軽量ライダーやパワーのないライダーには硬すぎて脚へのダメージが大きくなることがあります。

SEL 2.
体重70kg以上のスプリンター、またはオールラウンダー

高剛性ながら、ややねじり剛性を軽減することで、オールラウンダーにも適したモデルです。軽量ライダーやパワーのないライダーには硬すぎて脚へのダメージが大きくなることがあります。

SEL 3.
体重60〜70kgのスプリンター、またはオールラウンダー

バランスのとれたモデルながら、ややねじり剛性を上げることでスピードの変化に対し、素早い反応を可能にしたモデルです。軽量ライダーには上半身の疲れが大きくなることがあります。

SEL 4.
体重60〜70kgのオールラウンダー

最もバランスのとれた癖のないモデルです。オールラウンドに対応でき、スプリンターからクライマーまで幅広く対応できるモデルです。

SEL 5.
体重60〜70kgのクライマー、または体重60kg以下のオールラウンダー

バランスのとれたモデルながら、ややねじり剛性を抑制することで中量クラスのクライマーや軽量クラスのオールラウンダーに適し、体重の軽い細身のライダーでも扱いやすいモデルです。体重が重くパワーのあるライダーにはやや不向きです。

SEL 6.
体重60kg以下のクライマーで硬めの剛性を好むライダー

ハンガー周りの横剛性を意図的に抑制し、脚疲労を軽減させるモデルです。しかし、ねじり剛性を適度に保つことで、スピードの変化に対し、反応性を良くしたモデルです。体重が重くパワーのあるライダーにはやや不向きです。

SEL 7.
体重60kg以下のクライマー

ハンガー周りの横剛性と全体ねじり剛性を意図的に抑制し、脚疲労のみならず身体全身の疲労を軽減させ、軽量クライマーに適したモデル。体重が重くパワーのあるライダーには不向きです。


ここがポイント!

自分のフレームの剛性を決定するのはなかなか難しい。たとえあなたがガチガチの剛性を好むパワフルライダーでも、体重の軽いヒルクライム好きでも、7つの剛性のなかからどれを選ぶかは、大いに迷ってしまうところだ。試乗したことのない剛性の自転車なら、なおさらだろう。もちろん、フィッティングシステムの推奨剛性に従ってもよいし、「任意に剛性を決める」を選び、希望の剛性をオーダーすることも可能だ。ショップスタッフの助言をよく聞いて、最適な剛性を選んでみよう。

カラーパターンを選んで正式発注

10. 発注までの流れ

剛性をセレクトしたら、「測定結果一覧」の画面に推移する。最後はフレームカラーとネームカラーのセレクトをしよう。フレームカラーとネームカラーはアンカーのウェブサイトや、アンカーのカタログを参考にしながら選ぼう。

測定結果一覧画面1測定結果一覧画面1 測定結果一覧画面2(実際は1、2が繋がって表示される)測定結果一覧画面2(実際は1、2が繋がって表示される) ページの最下段にフレームカラーやネームカラーなどを入力する欄がある。これらの入力が終わると、結果を保存して仮発注となる

フレームの色、そして名入れの文字と色(黒か白)を選んで、これでOK! そして、この結果を保存、あるいはプリントアウトすることが可能だ。プロショップと十分に相談がすめば、仮発注ボタンを押してくれるはず。そして、アンカーとプロショップとが連絡を取り合い、晴れて正式発注となるのだ。RMZの納期は通常2ヶ月を予定している。

ここがポイント!

RMZのペイントバリエーションはかなり豊富で、45種類のカラーパターンから選ぶことができる。そして欧文2行のネーム入れは、チーム名や記念日、姓と名を2行で書くなど、いろいろと楽しめる。これらの点も従来のハイエンドフレームではあり得なかったことだ。逆にいえば、性能とともに手に入れる喜びを与えてくれる、とてもオーダーメイドらしいオーダーができるのがRMZだ。

ポジションはもちろん、デザインも自由自在。あなたも自分専用のRMZを!ポジションはもちろん、デザインも自由自在。あなたも自分専用のRMZを! Photo: Hitoshi.OMAE
提供:ブリヂストンサイクル株式会社 企画/制作:シクロワイアード