CONTENTS
RMZに乗って今シーズンを戦うチーム・ブリヂストン・アンカーの選手たち、飯島誠、山本雅道、清水良行、普久原奨、三瀧光誠、相川将、伊丹健治の7選手にインタビュー。彼らはRMZに何を望み、どうオーダーし、どの剛性を選んだのか? 7者7様のライディングインプレッションを、じっくり読んでほしい。

飯島誠 Makoto Iijima

固くて進む自転車を好む、スプリントが得意なオールラウンダー

生年月日 1971年2月12日
身長/体重 169cm/63kg
戦績 04,
05年
全日本ロードTT 優勝
06〜09年 全日本トラック
(ポイントレース)優勝
08年 北京五輪
(ポイントレース)8位
09年 ジョルジャ・マレーシア
第1ステージ 1位

ご自分の脚質は?

ロードレーサーと中距離トラックレースを兼ねて走っています。中長距離のスピードとスタミナが取り柄です。

自分の自転車に対する好み、要求は?

ロードレースは100kmを超えたり、時には200kmを超えることもあるスポーツです。そして、最後に1着にならなければいけない競技でもあります。だから、最後に力を出すということに主眼を置いて自転車を選びます。

アンカーフィッティングシステムでオーダーすると…

走りのタイプ オールラウンダー
剛性の好み 標準
運動性能 標準

飯島誠選手が選んだのは

SEL 7. 体重60kg以下のクライマー
ハンガー周りの横剛性と全体ねじり剛性を意図的に抑制し、脚疲労のみならず身体全身の疲労を軽減させ、軽量クライマーに適したモデルです。体重が重くパワーのあるライダーには不向きです。

乗車しての感想は?

このRMZは全体的にしっかりしているので、少し薄いパイプ(剛性感を下げたフレーム)の方が後半、力を出せるのかなと思って、一発の瞬発力は劣るかもしれないけど、最後に力を出せるということで7番にしました。

乗った感じは、4番くらいが自分の体重と踏み具合に合っていると思ったんですが、最後に力を出すということだと、自分の脚質から見て7番がいいかなと思ったんです。去年乗っていたRHM9に比べて、RMZのほうがさらに踏みやすくなりました。RMZは全体的にいいのですが、特にフロント回りがカッチリしたので乗りやすいです。

一般ユーザーへのアドバイスを

ホビーレースは距離が短いことが多いので、僕らが選ぶ剛性よりももう少し低い(剛性感の高い)番号を選ぶほうがいいかなと思います。

設計部からのアドバイス

飯島の場合はレース中にも結構動きますよね。それを考えると、脚へのダメージが小さくなるように考えて、柔らかいものを選びました。逆に山本(雅道)のようにスプリンターの場合は、ゴールスプリントだけにポイントを絞っている。山本は一時、6番に乗ったけれど、やはり4番に戻したりしています。動く選手ほど柔らかいものがいいみたいですね。

山本雅道 Masamichi Yamamoto

固くて進む自転車を好む、スプリントが得意なオールラウンダー

生年月日 1978年8月4日
身長/体重 171cm/64kg
戦績 99年,
00年
全日本選手権ロード(U23)優勝
08年 西日本チャレンジロード 優勝
08年 全日本実業団選手権 優勝
08年 ツール・ド・マルティニック
第2ステージ優勝

ご自分の脚質は?

上りが上れるときはオールラウンダーなんですけど、イメージがスプリンターで定着していますね(笑)。スプリントのときは重いギアを踏みますね。

自分の自転車に対する好み、要求は?

以前に他チームにいたときに乗っていた、硬いフレームが印象に残っています。とにかく平地で進む自転車が気に入っていました。

アンカーフィッティングシステムでオーダーすると…

走りのタイプ スプリンター
剛性の好み 硬め
硬めのほうがムダがない。パワーで押していく走りで、最後には重いギアを踏んでいくので、硬めを選びます
運動性能 直進安定性
平地で楽に進んでくれるというイメージがありますね

山本雅道選手が選んだのは

SEL 4. 体重60〜70kgのオールラウンダー
最もバランスのとれた癖のないモデルです。オールラウンドに対応でき、スプリンターからクライマーまで対応できるモデルです。

乗車しての感想は?

スプリントも含めて、申し分ない性能です。RHM9より「軽い」感じがします。何が軽いって、初速が軽いですね。例えて言えば、ホイールをいいのに換えたときのような感覚です。でも、これを海外のレースで乗って、デコボコの道を走るのは辛いかな、という気はしました。国内なら道がキレイだからいけると思います。ただ、これは選手としての悩みで、レースとか長距離とかを意識すれば、という意味です。

一般ユーザーへのアドバイスを

もともとRHM9を乗っている人は、剛性を比べやすいと思います。RHM9よりもちょっと硬めが欲しい人は「4」でしょうか。でも、初めてアンカーに乗る人は、無限に選べてしまうので、迷路に入ってしまう可能性もある。そんなときは、フィッティングシステムがはじき出す推奨データに素直に従ったほうが正解でしょうね。

設計部からのアドバイス

乗り心地をRHM9と比べると、フロントフォークが全然違うので、厳しい評価をされるだろうなとは思っていました。でも、選手は勝たなきゃいけないので、ある程度の振動吸収性はやむを得ない。じゃあRFX8に乗りますか、といえば乗らない。趣味で乗るにはRFX8はいいですよ。快適ですけど、求めるものは違います。

Photo: Hitoshi.OMAE

清水良行 Yoshiyuki Shimizu

高速巡航が得意。ギアは高・低まんべんなく使い分けるタイプ

生年月日 1982年12月1日
身長/体重 ---cm/67kg
戦績 07年 ツール・ド・コリア
第8ステージ 3位

ご自分の脚質は?

スピード系、高速巡航を得意としています。ギアは軽いのから重いのまで踏み分ける感じです。

自分の自転車に対する好み、要求は?

ハンドルが低くて、サドルが高いのが好みです。つまり落差を出したいんです。そちらのほうが体幹を使えるように思います。

アンカーフィッティングシステムでオーダーすると…

走りのタイプ オールラウンダー
剛性の好み 標準
運動性能 クイックな乗り味
かかりがいいというか、集団内でアタックしやすいというか、切り返しが効くというか、そんな感じが希望です

清水良行選手が選んだのは

SEL 4. 体重60〜70kgのオールラウンダー
最もバランスのとれた癖のないモデルです。オールラウンドに対応でき、スプリンターからクライマーまで対応できるモデルです。

Photo: Hitoshi.OMAE

乗車しての感想は?

好みとしてはクイックにしたかったので、シート角を立てたりしました。踏んだらそれがダイレクトに伝わる感じが好き、逆にいうと脚がなくなったらスカスカになる硬さが好きで、それがこのRMZで実現しました。自分の求める硬さというか、踏んでいるときはガンガンにいく感じ。これは自分にすごく合っています。

一般ユーザーへのアドバイスを

可能なことなら、前もってRMZに試乗することですね。試乗する機会があれば、ぜひ乗って感覚を確かめてほしい。「4」は、僕は好きな硬さです。これ以上柔らかくしようとは思わないです。

設計部からのアドバイス

清水良行選手は、彼の希望である落差を出すためにヘッドの位置を下げる必要がありました。選択肢の中でヘッドチューブ長140mmでなく120mmを選ぶなど、小さいサイズを選ぶとこういう結果が得られます。彼は67kgという体重なので、剛性の好みで「硬め」を選んだら「3」になったはずですね。


普久原奨 Masaru Fukuhara

展開で勝負するオールラウンダー。反応性の良いバイクが好き

生年月日 1981年10月15日
身長/体重 172cm/65kg
戦績 07年 東日本実業団ポイント 優勝
07年 東日本実業団4km個人追抜 優勝
07年 ツール・ド・おきなわ 7位
09年 ジョルジャ・マレーシア
総合12位

ご自分の脚質は?

自分はオールラウンダーです。走りとしてはレース中はアタックで逃げに乗ったり、そこから展開していくような走りをします。ギアは、重くもなく軽くもないものを選んでいるつもりですね。

自分の自転車に対する好み、要求は?

硬いフレームは、踏んだ分だけフレームが応えてくれて、すごくイイなと思ったのですが、練習で長距離を走ったりすると、硬すぎるフレームは自分には合わないと思いました。

アンカーフィッティングシステムでオーダーすると…

走りのタイプ オールラウンダー
剛性の好み 標準
柔らかいとか硬いという表現が、現在自分が乗っているものと比べてどうか、ショップの店員さんに聞いて決めます
運動性能 クイックな乗り味

普久原奨選手が選んだのは

SEL 4. 体重60〜70kgのオールラウンダー
最もバランスのとれた癖のないモデルです。オールラウンドに対応でき、スプリンターからクライマーまで対応できるモデルです。

Photo: Makoto.AYANO

乗車しての感想は?

求めていたものが手に入ったというか、それに近いものができあがったという印象があります。RHM9よりももう少し硬くて、アタックしたときの掛かり具合も絶妙です。自分は瞬発系じゃないので、踏んだと同時に前に進むというのが、RHM9よりももう少し欲しかった。それが実現しました。

一般ユーザーへのアドバイスを

とりあえず何番でも、まず乗ってみて下さい。きっと、もう一台欲しくなると思います(笑)。いえ、気に入らないという意味ではないです。まず「4」に乗ってみて、じゃあ「1」にしてみようかな、とか、そういう風に欲しくなるんです。できて乗らないとわからない、それがすごく楽しい! 見た目も他社に負けないカッコ良さだし、ぜひ、二台乗ってみて下さい!

設計部からのアドバイス

RMZのインプレは、3、40分くらいだと「脚に来る」というのがわからないと思うんです。だから、最初は硬いほうが良く感じて当然です。普久原選手も最初は「1」がいいと言っていました。硬い方がダイレクト感があるし、踏めば踏むだけ走る感じを受けます。でも、フィッティングシステムが推奨する剛性は、いろんなことを加味して算出されるので、かなり正確だと思います。




次のPage.2は三瀧光誠、相川将、伊丹健治3選手のインプレッション!

提供:ブリヂストンサイクル株式会社 企画/制作:シクロワイアード