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オーダーウェアとして大きなシェアを誇るチャンピオンシステム。今回は全日本王者の山本元喜と中島康晴、椿大志という日頃から同社製品を使うキナンサイクリングチームの3人に、その使用感やラインナップ、そして魅力について聞いた。チャンピオンが選ぶ、チャンピオンシステムウェアの本当の実力に注目してほしい。

プロ選手と同じウェアをオーダーできる、チャンピオンシステム

サイクリングウェアのカスタムオーダーブランドとして、既に日本国内でも大きな人気を誇るブランドがチャンピオンシステムだ。注文生産によるカスタムウェアビジネスに着手してまだ10年少々と日が浅いものの、新城幸也が所属していたランプレ・メリダやUAEチームエミレーツといったトッププロチームからのフィードバックを活かした高機能性や、ユーザーの希望を叶えるプリント技術、さらには各種サイクリングイベントへのサポート、シクロクロスレースの開催、カフェ店舗の設置といったコミュニティ創造によって、急速に信頼度を高めてきた。

チャンピオンシステムがサポートするUAEチームエミレーツ。ツールのTTステージでは背中ジッパーのスキンスーツを着用したチャンピオンシステムがサポートするUAEチームエミレーツ。ツールのTTステージでは背中ジッパーのスキンスーツを着用した photo:Makoto.AYANO
全日本王者の與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)もチャンピオンシステムのウェアを使う一人全日本王者の與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)もチャンピオンシステムのウェアを使う一人 photo:CorVos今シーズン勢いに乗るキナンサイクリングチーム。全日本選手権、ツアー・オブ・ジャパンなど格式高いレースを制した今シーズン勢いに乗るキナンサイクリングチーム。全日本選手権、ツアー・オブ・ジャパンなど格式高いレースを制した photo: Yuichiro Hosoda

しかし非常にコストパフォーマンスの高いエントリーモデルが人気を集めているために、あまりトップモデルが注目されていないこともまた事実。ダニエル・マーティン(アイルランド)とアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)のツール・ド・フランス勝利を支えたのと全く同じ最高峰ラインアップのAPEX(それでもジャージ1着あたり14,500円〜とリーズナブル)や、耐久性と実用性を高めたミドルグレードのPERFORMANCEに日の目が当たらないだなんて、これほど惜しいことはない。

そこで今回は、日頃からチャンピオンシステムウェアを、雨も、風も、暑さも、寒さも厭わず練習からレースまで使い倒すキナンサイクリングチームの選手に集合頂き、その使用感を聞いてみた。

お話を伺ったのは、言わずと知れた全日本王者の山本元喜、アジアツアーで着実に勝利を重ねる中島康晴、そして雨中ライドを愛する椿大志という、ウェアに求めることも異なる3名。チャンピオンシステムウェアに対する本音の評価を一切脚色無しで紹介しよう。月間100時間、距離にして3000kmを乗り込むプロ選手の話はウェア選びの上できっと参考になるはずだ。

山本元喜、中島康晴、椿大志に聞くチャンピオンシステムウェアの実力

「耐久性が高く、非常に種類が多い。ウェア選びに困ることが無い」

左から中島康晴、山本元喜、椿大志。日頃からチャンピオンシステムウェアを使う選手たちに、そのインプレッションを聞いた左から中島康晴、山本元喜、椿大志。日頃からチャンピオンシステムウェアを使う選手たちに、そのインプレッションを聞いた photo:So.Isobe
― 今日はお集まりいただきありがとうございます。早速ウェアについて聞きたいのですが、普段は何種類のジャージを使い分けているのですか?

中島康晴:ファン心を掴む笑顔と、アジアレースで着実に勝利を重ねるスプリント力が持ち味。今年はスリランカTカップで総合優勝し、熊野でもアシストとして大活躍した。ウェアに求めることは、脱ぎ着のしやすさも含めた着心地。中島康晴:ファン心を掴む笑顔と、アジアレースで着実に勝利を重ねるスプリント力が持ち味。今年はスリランカTカップで総合優勝し、熊野でもアシストとして大活躍した。ウェアに求めることは、脱ぎ着のしやすさも含めた着心地。 中島:半袖ジャージだけで5種類、長袖はレインジャケットを含めて4種類、そしてジャケット、ベスト、それらを1セットとして、3セットをサポートして頂いています。大きなクローゼット1つ分くらいありますが、使わないものはありません。

最高峰のAPEXグレードはもちろん、練習用としてPERFORMANCEも愛用しています。キナンジャージは白くて汚れた場合目立つので、レース用は人前に出てもおかしくないようキープしているんです。一口に半袖ジャージといってもチャンピオンシステムにはたくさん種類があって驚きますね。どれを使おうか迷うことはあっても、使えるものがなくて困ることはまずありませんから。

― それは凄いですね。普段の走行距離はどのくらいですか?

椿:月間2500〜3000km、時間にすると月間60〜100時間くらいですね。それだけ乗るからモノによってはテロテロになったり、型崩れやほつれ、切りっぱなしの袖口が丸まったり、日焼けで色落ちしたりするんですが、チャンピオンシステムの製品にはそれが少なく頑丈です。ずっと身体にフィットする感じが続くんですよ。

中島:特にレーサーパンツの裾は傷みやすい場所なんです。伸びると風になびくので空力的にも嫌ですが、チャンピオンの製品は強いですよ。

山本:以前使っていたブランドの製品はシーズン後半になるとビブ部分がゆるゆるになってしまうので、肩のところで結んだりしていました。パッドのヘタりも少なくて良いですね。

椿大志:チーム所属2年目のパンチャーで「雨の日のライドは集中しやすいというか、静かでしとしとしているのが好き」。昨年はツール・ド・モルッカでステージ優勝。身体に心地良くフィットするウェアが好み。椿大志:チーム所属2年目のパンチャーで「雨の日のライドは集中しやすいというか、静かでしとしとしているのが好き」。昨年はツール・ド・モルッカでステージ優勝。身体に心地良くフィットするウェアが好み。 山本元喜:言わずと知れた全日本王者。NIPPO時代にはジロ・デ・イタリアを完走し、詳細を綴ったブログは人気に火が付き書籍化された。エアロのために小さめサイズのウェアを着用することがこだわり。ウェアへの要求は色落ちしないこと。山本元喜:言わずと知れた全日本王者。NIPPO時代にはジロ・デ・イタリアを完走し、詳細を綴ったブログは人気に火が付き書籍化された。エアロのために小さめサイズのウェアを着用することがこだわり。ウェアへの要求は色落ちしないこと。

椿:パッドは全然ヘタりませんね。1つをハードに使ってガシガシ洗濯しても半年くらいは新品同様です。前に使っていたメーカーは2,3ヶ月で下手したらダメになる。パッドやパッドの周りの生地が伸びちゃって、それが原因で股ずれになったりするんです。ミドルグレードのPERFORMANCEだってとてもしっかりしていますし、エントリーグレードにも同じパッドが使われているんですよね?それって良いことだなと思います。

「パッドは全然ヘタりませんね。使い倒していても半年は新品同様です」「パッドは全然ヘタりませんね。使い倒していても半年は新品同様です」 「切りっぱなしの袖も、ほつれてくるタイミングが他社製品よりずっと遅い」「切りっぱなしの袖も、ほつれてくるタイミングが他社製品よりずっと遅い」

「サマージャージを初めて着た時の驚きは忘れられません。ホントですよ」「サマージャージを初めて着た時の驚きは忘れられません。ホントですよ」 メッシュ生地にも関わらず、くっきりとロゴが表現されていることに驚くメッシュ生地にも関わらず、くっきりとロゴが表現されていることに驚く

― 東南アジアのレースが多いキナンだけに、ウェアの涼しさは大切だと思うのですが、その辺りはいかがでしょう?

中島:タイのレースでは40℃くらいあって、APEXシリーズにはメッシュ生地を使う範囲を変えた製品がいくつかあるので凄く重宝しています。例えばアシスト選手は背中にボトルをたくさん詰めるから、背中がメッシュじゃ無い方がいい。そういうニッチな要望にも応えてくれるラインアップですし、それらが全部一般オーダーできるっていうのが凄い。

椿:僕はAPEXサマージャージの涼しさは最初の1mでびっくりしました。ホントですよ。だいぶいい感じにスケスケなんですが(笑)、ちょっと風を受けただけで積極的に汗を揮発させてくれるから涼しいんです。着心地も良くて突っ張らないから気持ちの面でも軽く走れますね。それでいてメッシュ上のプリントもこんなに(画像参照)くっきりしている。

「全日本選手権で選んだのはAPEXエアロジャージ。適度に水分をキープしてくれるから涼しいんです」「全日本選手権で選んだのはAPEXエアロジャージ。適度に水分をキープしてくれるから涼しいんです」
5月のスリランカTカップで総合優勝を果たした中島康晴5月のスリランカTカップで総合優勝を果たした中島康晴 (c)KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU 全日本選手権の終盤で独走する山本元喜全日本選手権の終盤で独走する山本元喜 photo:Satoru Kato


― 山本選手、全日本選手権で勝った時のジャージチョイスを教えて下さい。

山本:一番ベーシックなAPEXエアロジャージでした。あの時は32℃と暑すぎない気温だったのが理由ですね。十分にエアロでフィット感が良いことに加え、あっという間に汗を乾かすメッシュ生地と違い、ちょうど良く水分を保つから涼しさをキープできる。発汗も体力を使う作業ですし、現地で事前合宿を重ねる中でウェアを決めました。

― なるほど。まさにチャンピオンのためのシステムですね。椿選手は雨ライドが好みだそうですが、どんなジャージを着ているのでしょう?

椿:APEXのウェザーガードジャージですね。雨の場合はある程度内側からの湿気を逃しつつ、雨からも身体を守れるウェアが欲しいんですが、それがまさにこれ。サマージャージと同じくらい感動したし、ほかのブランドでこの機能は体感したことがありません。もう雨練習では欠かせないアイテムなんです。

「小物のできも優秀です。グローブは中でごわごわしないし快適です」「小物のできも優秀です。グローブは中でごわごわしないし快適です」 「気づけば細部がアップデートされているのも良い。プロにとってもリフレクターの存在はありがたいですよ」「気づけば細部がアップデートされているのも良い。プロにとってもリフレクターの存在はありがたいですよ」

それに、同じ製品でも常にアップデートされているのも良いですね。以前のAPEXエアロジャージとAPEXサマージャージはポケット部分が薄い生地だから、たくさん補給食やボトルを詰めたり、ゼッケンピンを付けると伸びたりボロボロになってしまっていました。でも今は厚手の生地に変更されているので安心して使えるようになりました。ジャージにリフレクターが付いたり、ジッパーが変わったりと色々気づくことがありますね。

― それぞれ、お気に入りアイテムを一つ挙げるとしたら?

山本:薄い長袖ジャージ。インナーの組み合わせで幅広い気温・天候に対応できますから。例えば春秋に標高の高い峠に行く場合、僕は上下半袖ジャージにこれを携帯して行くんです。頂上に着いたら下りのために重ね着するんですが、半袖+アームウォーマーの組み合わせよりも体幹の冷えを防げるので理にかなっているんです。

「一押しはベスト。使い勝手が良いし、チーム感を高められるアイテムです」「一押しはベスト。使い勝手が良いし、チーム感を高められるアイテムです」 「APEXサマージャージとウェザーガードジャージがお気に入り。一つ選べと言われても決められません(笑)」「APEXサマージャージとウェザーガードジャージがお気に入り。一つ選べと言われても決められません(笑)」

中島:僕はベスト。一般の方に1番オススメしたいです。体幹の冷えを防ぐので秋冬はもちろん、夏の雨の日にも使える。こういう防寒着を揃えるだけで「チーム感」が出るし、それができて、しかもベストだけで3種類もあるのはチャンピオンシステムならではでしょうね。

椿:僕はもう言っちゃいましたね(笑)。APEXサマージャージとウェザーガードジャージ。一つに絞れと言われたら...できません!(笑)。ウェザーガードと似たものとして「リペルジャケット」がありますが、通気性に優れている分ウェザーガードを推したいです。

― チャンピオンシステムの場合、エントリーグレードの購入率が高いそうなんです。上から順にAPEX、PERFORMANCE、Techと3グレード用意されているわけですが、正直、その性能差はどれくらい違うのでしょう?

中島:いやもう全然違いますよ。Techが悪いわけではないのですが、グレードが上がるごとに涼しくてフィットが良いから、速く走れるのに苦しさが無いんですから。今までリーズナブルなモデルしか使ったことが無ければ、APEXを一度着たら異次元だと思いますよ。耐久性を求めて練習用にPerformanceジャージも使っていますが、やっぱり性能で言えば圧倒的にAPEX。それでもTechの+7000円と、海外ブランドと比べれば圧倒的に安いから良いと思いますよ。

それぞれのジャージに着替えてもらった。全日本チャンピオンジャージが眩しいそれぞれのジャージに着替えてもらった。全日本チャンピオンジャージが眩しい
「上位モデルは涼しくてフィットが良いから、速く走れるのに苦しさが無いんですよ」「上位モデルは涼しくてフィットが良いから、速く走れるのに苦しさが無いんですよ」 これら半袖ジャージはどれも仕様が異なるもの。袖部分だけでも一目瞭然だこれら半袖ジャージはどれも仕様が異なるもの。袖部分だけでも一目瞭然だ

山本:空力性能は40km/hくらいで走らないと明確に分からないと思うのですが、確実に差はあります。フレームやホイールで10万円分くらいの性能差を1万円以内のアップチャージで稼げますから、脚力レベルに関係無く試してほしいですね。

中島:僕も選手を10数年続けてきましたが、特にここ最近のウェアの進化は大きいなと実感しています。遠目で見たらタイトフィットになったくらいに見えるかもしれませんが、中身の性能向上は物凄いものがあります。10年前は雨の日にカッパを着て蒸れながら、バタバタさせながら練習していましたが、それが今やウェザーガードジャージのおかげで快適に走れるんです。ウェアブランドによって身体のパフォーマンスも変わりますが、その中で確かな性能と幅広いラインナップを備えているのがチャンピオンシステムだと思っています。

あとがき

チャンピオンシステム・ジャパンの棈木社長を交えて話を聞いたチャンピオンシステム・ジャパンの棈木社長を交えて話を聞いた インタビューは以上の通り。チャンピオンシステムのウェアを使う国内トッププロ3人のリアルな声はいかがだっただろうか。幾多のトップ選手の声を元にして鍛え上げられたウェアラインナップと、それらをトップダウンして作られるミドル、エントリーグレード製品の数々。無数に広がるアイテムの中には、きっとあなたのニーズを満たすアイテムがあるはずだ。

「興味を持ったけれど、全部APEXで揃えるのは金額的に厳しい...」という方もきっと少なく無いだろう。でも安心してほしい。チャンピオンシステムではオーダーの最小ロット(10アイテムもしくは5アイテム)の中身を自由に組み合わせられる画期的なオーダー体系を取っているのだ。だからロット内に1着でもOKだし、オーダー前にはサンプル品を取り寄せることができるため、サイズ感もしっかりと選ぶことができる。キナンサイクリングチームが絶賛するウェア各種を、この機会にぜひ検討してみてはいかがだろうか?

話を聞いた場所:CROSS COFFEE

CROSS COFFEE外観CROSS COFFEE外観 言わずと知れた、チャンピオンシステムが運営するカフェ。「尾根幹」の入り口であるJR南武線矢野口駅すぐ、オープンから僅かな期間でサイクリストの憩いの場となった場所だ。美味しい食事やカフェメニューが用意されるのはもちろん、チャンピオンシステムの全ラインナップの試着が可能。セミナーやイベントも随時開催中で、オリジナルジャージやキャップ、補給食やスペアチューブなども発売している。

HP:http://cross.coffee/

提供:チャンピオンシステム photo&text:So.Isobe