2018/11/14(水) - 16:34
チャンピオンシステムウェアの機能性をプロ選手に聞く第2弾は、このところ来日を果たしたUAEチームエミレーツの選手たち。マヌエーレ・モーリ(イタリア)とアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)に、ウェアの選び方とお気に入りの製品、そしてこだわりについて聞いた。
11月1日に発表された7つの「コミットメント」によって、より一層ユーザーフレンドリーになったチャンピオンシステム。そのサイクリングウェアは単にリーズナブルなだけではなく、プロの要求にも応える機能性を備えていることは、全日本王者の山本元喜をはじめキナンサイクリングチームの選手たちに聞いた前章でご理解頂けただろう。
それでは、ツール・ド・フランスをはじめとする世界トップクラスの舞台を走り、フィードバックにおいてより密接にチャンピオンシステムと関わるワールドツアーチーム、UAEチームエミレーツの選手たちはウェアに対して何を求め、どのようにウェアを着こなしているのだろうか。
今回筆者はジャパンカップに参戦したマヌエーレ・モーリ(イタリア)、そしてさいたまクリテリウムに参戦したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)に話を聞く機会を得たので、そのインタビューをお伝えしたいと思う。
まず紹介するのは38歳にして現役バリバリのクラシックライダー、マヌエーレ・モーリ(イタリア)のインタビュー。2007年のジャパンカップ覇者であり、グランツール出場は14回。経験豊かな走りでファビオ・アル(イタリア)ら総合エースの山岳アシストを務める頼れる司令塔に、ウェアについて聞いてみた。チャンピオンシステム歴は2013年のランプレ・メリダから数えて6年にも及ぶという。
― もうチャンピオンシステムのウェアを着続けて長いですが、他のブランドとの違いは感じますか?
メリダがランプレのサポートについた2013年からなので、チャンピオンシステムのウェアとの付き合いは今年で6年、来年で7年になる。チャンピオンシステムの特徴は選手の声が上手く製品に落とし込まれていることで、加えて素材の進化には驚かされているよ。特にここ2年ほどの進化は特筆すべきものがあるね。
― 今のウェアラインアップの中でお気に入りは?
特に気に入っているのは夏用ジャージの涼しさと軽さ、そして通気性。特に今年受け取ったAPEX ライトジャージとビブショーツ(注:ショーツは市販化されていないテスト品)は良かったね。何があったんだろう?と思うほど進化の幅は大きかった。
それと、チームが今年のツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャで投入したジッパーレスジャージは凄かった。選手はみんな口を揃えてその機能性の良さに「なんだこれ!」と驚いていたよ。とかく「ジッパーレス」ということが注目されるけれど、それ以上に機能が良い。通気性が素晴らしいからジッパーを開ける必要性も感じないんだ。
それから雨に強いウェザーガードジャージだね。我々選手は極寒の雨でも走る必要があって、冷たい雨は体力をものすごい早さで奪ってしまう。そうした状況ではいかに体温を保つかがキモになるので、ウェアの良し悪しで明確に成績は変わるんだ。例えば今年走ったストラーデ・ビアンケは雨と泥でそれはそれは過酷だったよ。雨中で身体を完璧にドライに保つことは現時点で不可能だけど、ウェアの良し悪しで濡れた身体を冷やさないことはできる。それがウェザーガードの良いところ。これは僕らプロ選手が肌で感じている本当のことさ。
やはり僕らプロ選手は一般サイクリストが想像できないくらい過酷な走り方をするから、そこで鍛えられた製品は信頼感が違う。もうチャンピオンシステムは僕らのチームをサポートして長いから、そこから生まれるノウハウは間違いなくトップクラスにあると思っている。
今年初め、ミラノでチームキャンプを開催した時にウェアの空力テストも行ったんだ。その時は各社のTT用のスキンスーツを比較したけれど、チャンピオンシステムのスーツは5W低かったんだ。これには驚いたよ。同じ出力でより速く走れるんだから、選手にとってこれほど良いことはない。
例えばロード用のスキンスーツは近年プロトンに定着したアイテムの一つ。これはエアロ効果を狙うだけじゃなくて、特にアレクサンドル・クリストフのようなスプリンターが最大出力でもがくときに、ビブショーツと比べて身体の動きを妨げないというメリットもある。スプリンターたちがこぞってスキンスーツを使うのにはこのような理由もあるんだ。
― ウェアに対してどのようなことを望みますか?
個人的にあまり要求はしないタイプということもあって、あまり無いよ。チャンピオンシステムの特徴はとにかくバリエーションが豊富であること。だからその中で色々試して、実際にどんな違いになるのかを興味深く試している。製品テストはプロ選手の仕事の一つだけど、個人的にも比較は大好きだし、実際に選手たちも監督を通してウェアへの改善点を伝えている。
― 他ブランドの製品を羨ましく思ったりすることはありますか?
正直に言って無い。以前は裾のグリッパーがきつくて足の動きを阻害するようなビブショーツもあるにはあったけれど、すぐストレスフリーなものに改善された。フィードバックまでの時間が短いことも選手として気に入っているポイントで、製品は年を追うごとに良くなっているし、その進化は止まっていない。僕はもう一年UAEで選手として走ることを決めたけど、来年はどんなジャージを試せるのか楽しみだよ。
― いつもレースではワンピースタイプのスキンスーツを着ていますが、その理由は?やっぱりエアロダイナミクスのため?
そう。僕らスプリンターにとってエアロダイナミクスは非常に重要な要素だからね。ぴったりとフィットするスキンスーツを気に入って使っているよ。抵抗を抑えることはエネルギーロスを防ぎ、結果的に速く走ることに繋がる。スプリント勝負では例え僅かな差であろうと順位が変わってくるからね。
― さいたまクリテリウム本番でもスキンスーツでしたね。
フラットコースだったからね。いつも通りの選択をしただけさ。それにワンピースジャージのメリットは、エアロダイナミクスだけじゃなくて、着心地の良さにもあると感じているんだ。例えばセパレートタイプだと常にお腹周りは生地が重なり合っているから通気性も悪いし、ビブが存在することでどうしても動きが窮屈になる。ワンピースならそれらの問題を全部解決してくれるんだ。少しでもチャンスがあるならワンピース。それが僕の勝つための選択さ。
トップ選手に聞く、チャンピオンシステムウェアの機能性とその魅力
11月1日に発表された7つの「コミットメント」によって、より一層ユーザーフレンドリーになったチャンピオンシステム。そのサイクリングウェアは単にリーズナブルなだけではなく、プロの要求にも応える機能性を備えていることは、全日本王者の山本元喜をはじめキナンサイクリングチームの選手たちに聞いた前章でご理解頂けただろう。
それでは、ツール・ド・フランスをはじめとする世界トップクラスの舞台を走り、フィードバックにおいてより密接にチャンピオンシステムと関わるワールドツアーチーム、UAEチームエミレーツの選手たちはウェアに対して何を求め、どのようにウェアを着こなしているのだろうか。
今回筆者はジャパンカップに参戦したマヌエーレ・モーリ(イタリア)、そしてさいたまクリテリウムに参戦したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)に話を聞く機会を得たので、そのインタビューをお伝えしたいと思う。
マヌエーレ・モーリ(イタリア、2007年ジャパンカップ覇者)
「ジッパーレスジャージの機能性に驚いた。エアロスーツは他社と5ワット違う」
まず紹介するのは38歳にして現役バリバリのクラシックライダー、マヌエーレ・モーリ(イタリア)のインタビュー。2007年のジャパンカップ覇者であり、グランツール出場は14回。経験豊かな走りでファビオ・アル(イタリア)ら総合エースの山岳アシストを務める頼れる司令塔に、ウェアについて聞いてみた。チャンピオンシステム歴は2013年のランプレ・メリダから数えて6年にも及ぶという。
― もうチャンピオンシステムのウェアを着続けて長いですが、他のブランドとの違いは感じますか?
メリダがランプレのサポートについた2013年からなので、チャンピオンシステムのウェアとの付き合いは今年で6年、来年で7年になる。チャンピオンシステムの特徴は選手の声が上手く製品に落とし込まれていることで、加えて素材の進化には驚かされているよ。特にここ2年ほどの進化は特筆すべきものがあるね。
― 今のウェアラインアップの中でお気に入りは?
特に気に入っているのは夏用ジャージの涼しさと軽さ、そして通気性。特に今年受け取ったAPEX ライトジャージとビブショーツ(注:ショーツは市販化されていないテスト品)は良かったね。何があったんだろう?と思うほど進化の幅は大きかった。
それと、チームが今年のツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャで投入したジッパーレスジャージは凄かった。選手はみんな口を揃えてその機能性の良さに「なんだこれ!」と驚いていたよ。とかく「ジッパーレス」ということが注目されるけれど、それ以上に機能が良い。通気性が素晴らしいからジッパーを開ける必要性も感じないんだ。
それから雨に強いウェザーガードジャージだね。我々選手は極寒の雨でも走る必要があって、冷たい雨は体力をものすごい早さで奪ってしまう。そうした状況ではいかに体温を保つかがキモになるので、ウェアの良し悪しで明確に成績は変わるんだ。例えば今年走ったストラーデ・ビアンケは雨と泥でそれはそれは過酷だったよ。雨中で身体を完璧にドライに保つことは現時点で不可能だけど、ウェアの良し悪しで濡れた身体を冷やさないことはできる。それがウェザーガードの良いところ。これは僕らプロ選手が肌で感じている本当のことさ。
やはり僕らプロ選手は一般サイクリストが想像できないくらい過酷な走り方をするから、そこで鍛えられた製品は信頼感が違う。もうチャンピオンシステムは僕らのチームをサポートして長いから、そこから生まれるノウハウは間違いなくトップクラスにあると思っている。
今年初め、ミラノでチームキャンプを開催した時にウェアの空力テストも行ったんだ。その時は各社のTT用のスキンスーツを比較したけれど、チャンピオンシステムのスーツは5W低かったんだ。これには驚いたよ。同じ出力でより速く走れるんだから、選手にとってこれほど良いことはない。
例えばロード用のスキンスーツは近年プロトンに定着したアイテムの一つ。これはエアロ効果を狙うだけじゃなくて、特にアレクサンドル・クリストフのようなスプリンターが最大出力でもがくときに、ビブショーツと比べて身体の動きを妨げないというメリットもある。スプリンターたちがこぞってスキンスーツを使うのにはこのような理由もあるんだ。
― ウェアに対してどのようなことを望みますか?
個人的にあまり要求はしないタイプということもあって、あまり無いよ。チャンピオンシステムの特徴はとにかくバリエーションが豊富であること。だからその中で色々試して、実際にどんな違いになるのかを興味深く試している。製品テストはプロ選手の仕事の一つだけど、個人的にも比較は大好きだし、実際に選手たちも監督を通してウェアへの改善点を伝えている。
― 他ブランドの製品を羨ましく思ったりすることはありますか?
正直に言って無い。以前は裾のグリッパーがきつくて足の動きを阻害するようなビブショーツもあるにはあったけれど、すぐストレスフリーなものに改善された。フィードバックまでの時間が短いことも選手として気に入っているポイントで、製品は年を追うごとに良くなっているし、その進化は止まっていない。僕はもう一年UAEで選手として走ることを決めたけど、来年はどんなジャージを試せるのか楽しみだよ。
アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、ツールステージ3勝、2015年ロンド覇者)
「少しでも勝つチャンスがあるならスキンスーツ一択」
次に紹介するのは、世界トップレベルのスプリンターであり、今年ツール・ド・フランス最終ステージのスプリントを制したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)。さいたまクリテリウムの翌日、タイトなスケジュールを縫って質問に答えてくれた。時速70km/hを超える極限の世界で競り合うトップスプリンターは、スキンスーツに並々ならぬこだわりがあるようだ。― いつもレースではワンピースタイプのスキンスーツを着ていますが、その理由は?やっぱりエアロダイナミクスのため?
そう。僕らスプリンターにとってエアロダイナミクスは非常に重要な要素だからね。ぴったりとフィットするスキンスーツを気に入って使っているよ。抵抗を抑えることはエネルギーロスを防ぎ、結果的に速く走ることに繋がる。スプリント勝負では例え僅かな差であろうと順位が変わってくるからね。
― さいたまクリテリウム本番でもスキンスーツでしたね。
フラットコースだったからね。いつも通りの選択をしただけさ。それにワンピースジャージのメリットは、エアロダイナミクスだけじゃなくて、着心地の良さにもあると感じているんだ。例えばセパレートタイプだと常にお腹周りは生地が重なり合っているから通気性も悪いし、ビブが存在することでどうしても動きが窮屈になる。ワンピースならそれらの問題を全部解決してくれるんだ。少しでもチャンスがあるならワンピース。それが僕の勝つための選択さ。
モーリとクリストフがオススメする、チャンピオンシステムジャージ4選
さて、最後にモーリとクリストフがインタビュー中に語った4つの製品をピックアップして紹介したい。忘れてはならないのが、これらも含めてチャンピオンシステムのウェアは全てがオーダープリントが可能で、そしてプロユースながら1着14,500円からと魅力的な価格を実現していることだろう。トッププロ選手によって鍛え上げられた高機能をぜひ一度体感してほしい。APEX Eliteジャージ
APEX ライトジャージ
APEX サマーレーススーツ
提供:チャンピオンシステム photo&text:So.Isobe