女子だけのサイクリング「チャリーナの休日」第2回が、快晴の3月25日、南房総のフラワーラインで開催された。ナビゲーターを務めた絹代さんによるレポートをお届けしよう。

チャリーナとは「自転車を自分のスタイルで楽しむ女子」のこと。朝日新聞購読家庭に配布されている「スタイルアサヒ」に昨年連載された女性向けロードバイク講座「チャリーナ誌上教室」のスピンアウトイベントだ。

参加者は総勢28名 野島崎灯台をバックに記念撮影参加者は総勢28名 野島崎灯台をバックに記念撮影

スポーツバイク初心者の女性を対象に一般公募したところ、自転車貸し出し希望者の応募が多く寄せられた。なんとか希望を叶えようと急遽ジャイアントが女性サイズの自転車をかき集め、なんと17台もの自転車を用意してくれたのだ。しかも、参加者のサイズに合わせたものを。

幸運にも参加できることになった女子は全部で28名。スタッフを入れると32名の女性が走ることになる。女子サイクリングとしてはかなり大きな規模だ。走るのはJR千倉駅から館山駅までの房総フラワーライン。およそ40kmのサイクリングだ。

ジャイアントの貸し出しバイクは総計17台!参加者のサイズに合わせて準備ジャイアントの貸し出しバイクは総計17台!参加者のサイズに合わせて準備 参加チャリーナが集合 華やかです!参加チャリーナが集合 華やかです!


早朝から駅前駐車場にはカラフルなスポーツバイクが並んだ。集合時刻を前に徐々に女子参加者が集まって来る。カラフルなジャケットや風になびくスカート!サイクルイベントにない華やいだ雰囲気に、スタッフ一同のテンションが上がる。だって、こんなに女子が集まることって、ないもん!

今日初めてスポーツバイクに乗る参加者たちは、ジャイアントのスタッフから、乗り方、扱い方のレクチャーを受け、周囲を試走。マイバイク持参で集まった参加者は、「これかわいい!」とバイク&ウェアーのチェック!さすが女子。タイヤやアクセサリー、ウェアーの色使いがうまい。今日のためにウェアーを新調したという方も!

細やかなサポート体制で安心細やかなサポート体制で安心 女子バイクのコーディネート。アクセサリーはピンクで統一です女子バイクのコーディネート。アクセサリーはピンクで統一です 県内の主要スポットにはサイクルラックが準備されている県内の主要スポットにはサイクルラックが準備されている


全員集まって、挨拶と準備体操。初ライドになるひとも多いため、集団走行の注意点を確認する。またこの日は激しい強風が吹き付けており、予想される危険についても、しっかりお話をして注意をお願いした。

3つのグループに分けてスタート。千葉県サイクリング協会(CCA)のスタッフさんが走行管理で加わり、ジャイアントからサポートカーが2台、パンク等の対応もバッチリ!と、手厚いサポート体制だ。走行スピードは抑えめにコントロール。女子ということで、お手洗いや化粧直し休憩も細かく入れ込んである。


晴れ渡った空に、南房総の海は真っ青!絵に描いたように美しい景色

3班に分かれて順次出発3班に分かれて順次出発 だが、待ち受けていたのは予想を超える強風。吹き付ける向かい風と横風に、女子の軽いカラダは容易にあおられてしまう。ペダルを踏んでも、思うように進まない…。

今日初めてロードバイクにまたがった参加者にとっては、かなり厳しいスタートになってしまった。無理を強いないよう、ゆっくりペースで集団は進む。会話も笑顔もない。楽しんでもらえているのかとヒヤヒヤする私たち。

数キロ走って最初の休憩。笑顔が広がり、ガールズトークが始まるものの、安堵感に座り込む参加者も。ジャイアントのスタッフさんたちが、笑顔でみんなに声かけをし、走ってみてポジションに違和感がないか確認してくれている。次の休憩はランチだ!「ごはんまでがんばろう!」と声をかけあってスタート。やはり自転車の最大の敵は、風だ。

強風の中、青い海をバックに走る強風の中、青い海をバックに走る 先頭のみなさんは風の中でも余裕そうです先頭のみなさんは風の中でも余裕そうです


左手には真っ青な海。いい香りが漂って来て、ふと右を見ると花摘み園や花畑が広がっている。そう、今日のルートは房総フラワーライン。一足先に、春の景色が楽しめるコースなのだ!ただ、ほとんどの参加者が、バイクのコントロールに必死で花には気がつけなかったみたいだけど…

ついに待ちに待ったランチ!今日のランチはオドーリキッチン。小径を上って行った隠れ家的なイタリアンだ。小さなレストランは貸し切り状態。ガーデンは色とりどりの女子バイクで埋め尽くされた。ある意味絶景!

白基調で明るい光が差し込む店内は、笑顔のチャリーナたちと笑い声で埋まり、なんとも華やかなパワーがみなぎる空間に。サラダにチャパティー、パスタにデザートと、走った後+同じ興味を持つみんなで食べる楽しさでおいしさは数倍!

待ちに待ったランチ。参加者のみなさんのの表情もやわらぐ待ちに待ったランチ。参加者のみなさんのの表情もやわらぐ ランチメニューも春色 美味しそう!ランチメニューも春色 美味しそう!


ここで、参加者の皆さんに相談。まだ10km程度しか走っていないのだけれど、残された時間は4時間を切っている。最終集団のスピードは時速10km程度。休憩を挟むこと、体力の消耗を考えると、全員の完走は難しいかもしれない。スピードと元気度で3グループに分け、最終集団は完走を最大の目標にはすえないことにした。でも、本当は全員でゴールしたい。

頼もしきサポート隊。若干疲労の色が…頼もしきサポート隊。若干疲労の色が… 予定より1時間遅れて再スタート。慣れてきた先頭グループはきれいに1列になって快調に飛ばす。打ち解けたこともあり、みんなの顔に笑顔が見えてきた。少し、風もおさまって来たようだ。

参加者はだんだん「自分のペース」が分かって来たようだ。快調なペースで飛ばす先頭集団の後は、可能なペースを保ちながら自由に走る小集団が続く。
 
まもなく房総最南端の白い灯台、野島崎灯台で休憩。参加者の表情は明るい。全員ではっちゃけ記念撮影!

ルート内で、時々襲って来るのが砂嵐。海岸から風が吹き付けるエリアでは道路に砂が積もり、強風が砂を顔に打ちつけて来るのだ。こりゃ、アイウェアーなしには無理だ!リップクリームに砂が付着し、砂絵みたいなくちびるになってしまった。やはり自転車の敵は風だ!

フラワーパークでもう一度集合。ジャイアントのスタッフさんが、しっかりとケアをしてくれているため、最終集団のペースがあがり、ちゃんと集まれるようになって来ている。一度は諦めた「全員完走」が見えてきた。だんだんみんなの空気が変わって来て、休憩するたびに「早くスタートして、もっと走りたい」というソワソワ感が伝わって来るようになっている。いざ、最後の全員休憩ポイント「南房パラダイス」へ!

こまめに休憩をはさみますこまめに休憩をはさみます 南房パラダイス名物、ストロベリーマンゴーソフトは美味!南房パラダイス名物、ストロベリーマンゴーソフトは美味!


実はこの白浜フラワーパーク付近が、皆が恐れていたコース内最大の上り坂エリアだったのだが、強風と戦いすぎたため「コース内のどこが上りだったのかよくわからなかった」らしい。よかったんだか、悪かったんだか..。やはり一番の敵は風に違いない(しつこい!)。

そんな風も、かなり集団に優しくなった。トロピカルな緑の垣根を見ながら走ることしばし、南房パラダイスに到着!女子たちは余裕で手信号すら出すまでに成長していた!

春の南房総、着実にゴールは近づいている春の南房総、着実にゴールは近づいている

サイクリングステーションでもあるこの道の駅には自転車ラックがある。がんばったごほうびにマンゴーストロベリーソフトをほおばりながら、ここまでを振り返った。風が厳しかったけど、そんな試練も楽しかった。

菜の花の中を駆け抜ける菜の花の中を駆け抜ける もうここまで来れば全員の完走は確実だ。一同、かなりのハイテンションで最後の再スタート!

次第に太陽も傾いて来た。AKB48が「会いたかった」のPVを撮影したという洲崎の灯台を越え、夕陽の絶景で有名な館山の海岸を目指してひた走る。もう風の影響はほとんどない。

館山駅に入る最後の交差点脇で、なんだか名残惜しくて、一緒になったみんなと記念撮影。風はきつかったけど、みんながんばったよね!

全員の完走を記念して集合写真をパチリ全員の完走を記念して集合写真をパチリ (c)Fitness Journal / 菱田諭士夕陽の中、全員がゴール。見事完走だ!今日を戦ったバイクを持って記念撮影。みんなの表情に自信があふれているようだ。渾身のサポートをしてくれたジャイアントさん、CCAの皆さん、主催のスタイルアサヒの皆さんの顔にも「やり切った」満足感が漂っている気がした。

最後はLivGiantのウェアー争奪じゃんけん大会。かわいいものを見たときの女子のテンションは高いのだ!無事、全員の手になんらかの記念品が渡り、CCA、スタイルアサヒからもお土産が渡された。

女子だけを集めてのライド。開催のためにスタイルアサヒのスタッフは大阪から自分の休日をつぶして試走に来ていたし、当然収益なんて、どこにもみじんもない。サポートスタッフはいつも以上に気を遣ったろうし、この実現のために、大勢のひとが利益度外視で一生懸命に動いた。

最後はじゃんけん大会でヒートアップ最後はじゃんけん大会でヒートアップ だけど、終了後は参加者だけでなくスタッフもみなとてもしあわせそうだった。女子に自転車の楽しさを知ってもらう機会が、どれだけ重要かわかっていたし、参加者の皆さんが心から楽しんで、自転車をいっそう好きになってくれたことが、本当に嬉しかったから。

朝日新聞さんは「今後もこういうイベントを続けていきたい」と語ってくれたし、ジャイアントさんも、CCAさんも、私も、たぶんみんな同じ思いだったと思う。実現できて、本当によかった。

これからも、小さなものでも、女子が楽しんでくれるような企画を打ち出して行こう!チャリーナの皆さん、盛り上げて行きましょう!そして男性の皆さん、エスコートと、ご協力をよろしくお願いいたします!


text&photo:Kinuyo

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