地球を遊び尽くすをモットーに開催されるグレイトアースシリーズ。中でも今回は北海道の南端、函館大沼で行われた駒ヶ岳1周ライドへお邪魔しました。前夜祭「出汁は”昆布”で取らナイト!」とともにその様子をレポートしましょう。


函館といえば五稜郭 函館といえば五稜郭 
津軽海峡を挟んで対岸、かつての北海道の玄関口であり、戊辰戦争の涯の地でもあった函館。羽田から90分ほどとアクセスも良く、五稜郭やイカで有名な函館港、日本三大夜景にも数えられる函館山など名所密集地帯ということもあって、なんとなれば日帰りで楽しめる(ちょっともったいないけれど)観光地としても人気を集めるまちでもある。

そんなふうに、普通に観光に訪れるだけでも満足できるのが函館だけれども、少し違った視点から道南エリアを捉えなおせば、きっとよりディープな体験ができるはず。例えば少し北へと視線を動かせば、そこは既に雄大な自然が広がっている。

函館から一つ峠を越えた先、トンネルを抜けると目の前にそびえ立つユニークなシルエット。現在も活動を続ける活火山、北海道駒ヶ岳の山嶺だ。そして、その活動により堰き止められたという湖、大沼は近年ラムサール条約に加盟した湿地として豊かな自然が広がっている。

近年ラムサール条約に加盟した湿地として豊かな自然が広がっている大沼 鏡のように景色を映し出していた近年ラムサール条約に加盟した湿地として豊かな自然が広がっている大沼 鏡のように景色を映し出していた
七飯町、鹿部町、森町と駒ヶ岳を取り囲む3つのまちを舞台とするコースを巡るのが、今回開催されたグレイトアース函館大沼駒ヶ岳一周ライドだ。函館空港から車で50分ほど、大沼国定公園内の婦人会館に設けられた受付会場にサイクリストが集まった。前日受付やメカニックサービス、さらにはセーフティー講座が行われた後、さらに一部は別の会場に再集合。

そう、函館大沼プリンスホテルにて「鹿部町主催 出汁は“昆布”で取らナイト!」と称した豪華な前夜祭が行われるのだ。北海道といえば外せないサッポロクラシックで乾杯し、プリンスホテルのシェフが腕を奮ったビュッフェを頂く。

受付会場となった大沼国定公園内の婦人会館受付会場となった大沼国定公園内の婦人会館 受付会場ではゼッケンに名前を記入中受付会場ではゼッケンに名前を記入中

前夜祭会場となった函館大沼プリンスホテル前夜祭会場となった函館大沼プリンスホテル
ちなみにこの前夜祭、駒ヶ岳を取り囲む3つの町が持ち回りで主催しており、昨年は森町が主催したイカナイト、一昨年は七飯町が主催のあっぷるナイトだったそう。そうそう、グレイトアースの看板MCであった片岡由衣さんが育休から復帰されたのも今大会のグッドニュース。陽気で朗らかなトークで昆布ナイトはのっけから暖かい雰囲気に包まれた。

昆布ナイト、ということで鹿部町の盛田町長が鹿部の真昆布の素晴らしさをプレゼンテーション。もともと、まちの成り立ちにも昆布は深くかかわっていて、青森から昆布を獲るために入植したことが鹿部町の始まりなのだとか。

沢山の人が集まった前夜祭沢山の人が集まった前夜祭
片岡さんのMC復帰初戦となった片岡さんのMC復帰初戦となった 明日のコースについて簡単にブリーフィング明日のコースについて簡単にブリーフィング

北海道のFM局AIR-G'から 松尾亜希子さんも登場北海道のFM局AIR-G'から 松尾亜希子さんも登場
切り口が淡いクリーム色となることから「白口」と呼ばれる真昆布は、最高級の昆布として天皇家に献上されるほどの逸品だったという。「昆布といえば利尻や日高が有名になってしまったけれど、白口浜の真昆布も負けず劣らずの名品なのだということを知ってほしいんです」と鹿部町の盛田町長。

そんな真昆布を味わえるようにと用意されていたのが、真昆布を薄く削った「おぼろ昆布」。甘酢に浸した真昆布をうすーく削り取ったおぼろ昆布は、透かして見ると月が朧に見えるくらいの薄さからくる命名なのだとか。ちなみに数値でいうと0.05㎜!!さらに言うと一口200円くらいするのだとか。まさにハイエンド昆布。自転車のカーボン素材も薄く軽くなるにつれて価格が上がるのだから、なんとなく親近感。

おぼろ昆布の職人さんの妙技に興味津々の皆さんおぼろ昆布の職人さんの妙技に興味津々の皆さん
おぼろ昆布は一口200円くらいするのだとかおぼろ昆布は一口200円くらいするのだとか これが美味しいんですよねーと白戸さんこれが美味しいんですよねーと白戸さん

おぼろ昆布作りにチャレンジおぼろ昆布作りにチャレンジ
会場にはおぼろ昆布の職人さんがやってきており、シャッシャと手際よく包丁を動かすたびに、ふわっふわのおぼろ昆布が次々に削り取られていく。ずっと見ていて飽きない様はまさに職人芸といえるもの。

ちなみに、前夜祭の後半には3名の希望者がおぼろ昆布作りにチャレンジし、腕を競い合うなんてイベントも。何気ない様子でどんどんと昆布を削っているので、一見簡単そうに見えていた職人技が、実際のところどれほど難しいのか身をもって体験する機会に。ただ削ることすら難しいようで、ながーくうすーいおぼろ昆布が、どれだけの修練の賜物なのか窺いしれた。

盛りだくさんのビュッフェを楽しむ盛りだくさんのビュッフェを楽しむ
森町特産のプルーン森町特産のプルーン 七飯町産のリンゴ七飯町産のリンゴ


今回の大会を語る上で、外せないのは震災の影響だろう。北海道胆振東部地震とその影響による全道停電を経験する中で、開催の是非については議論があったとも。しかし、自粛ムードではなく、無事な姿を知ってほしい、函館大沼エリアにぜひ遊びに来てほしいという地元の方々の思いが強く、今年も途切れることなく開催することを決定したのだという。その気持ちは大会のオフィシャルTシャツにも込められているのだとか。

そして、明日は台風24号が迫っている予報だけれども、幸い足が遅く昼まで天気は持ちそうな予報。なので頑張って走ってくださいね!ということで、鹿部町の小学生が集まったチアダンスグループ「アンジュ」のみなさんが明日に向けてチアしてくれた。何曲か披露してくれたあとは、みんなで一緒に「YMCA!」高まる一体感を感じつつ、夜は更けていくのであった。

年々技術を増しているというチアダンスグループ「アンジュ」のみなさん年々技術を増しているというチアダンスグループ「アンジュ」のみなさん
片岡由衣さんも一緒に踊ります片岡由衣さんも一緒に踊ります
名産のプルーンをゲット名産のプルーンをゲット 函館大沼プリンスホテルの宿泊権をかけてじゃんけん大会函館大沼プリンスホテルの宿泊権をかけてじゃんけん大会

前夜祭に集まったみなさん 明日も頑張りましょう!前夜祭に集まったみなさん 明日も頑張りましょう!


さて、翌朝。日本各地では軒並み自転車イベントが中止されたという報が相次ぐ中、ホテルの窓から見た空は曇り。それも今にも泣きだしそう、というような低く垂れこめた雲ではなく、ところどころには青空も覗くような空模様だ。

グレイトアースの朝はラジオ体操から始まるグレイトアースの朝はラジオ体操から始まる 片岡さんと白戸さんの掛け合いで会場はだいぶ温まってきた片岡さんと白戸さんの掛け合いで会場はだいぶ温まってきた

AIR-G'の松尾亜希子さんはショートコースでの参戦AIR-G'の松尾亜希子さんはショートコースでの参戦 大会を支えてくれたサポートライダーのみなさん大会を支えてくれたサポートライダーのみなさん


スタート地点には続々とサイクリストたちが集まってくる。台風の接近が予報されていたのというのに、300名以上の参加者たちがスタート列に並ぶことに。「午後から雨予報なので、ちょっと急ぎ目で走った方がいいですね!」と大会ナビゲーターの白戸太朗さんのアドバイスを受けつつ、スタートセレモニーが行われた。

毎回恒例のラジオ体操で身体をほぐしつつ、片岡さんと白戸さんのMCコンビの掛け合いで場もほぐれていく。準備運動が終われば、いよいよ待ちに待ったスタートだ。

300名の参加者が集まった300名の参加者が集まった
白戸さんを先頭にスタート!!白戸さんを先頭にスタート!!
スタートして、まずは大沼をぐるりと反時計回りに一周する。早朝には霧が立ち込めていて、幻想的な風景を生み出していた大沼だったが、走り出すころには霧も晴れ美しい湖面も明らかに。

水面からぽつりぽつりと突き出している小島は、駒ヶ岳の噴火によってできた溶岩島。まるで浮島のような大きさと数で、ファンタジックな雰囲気の湖だ。湖畔を巡る周遊道路は、意外にアップダウンがあるので、はやる気持ちは抑えめに。

大沼の美しい景色に目を奪われる 大沼の美しい景色に目を奪われる 
ぐるり大沼を一周し、もう一度スタート地点の前を通過。まだショートコースの皆さんはスタートしていない。みなさんの声援を受けつつ、一路南へ向かうのだった。

text&photo:Naoki.YASUOKA