2月21日(日)、元プロ選手の三船雅彦によるロードライディングスクールが奈良県北部で行なわれた。スクール第3弾の今回は、元ミヤタスバルレーシングチームで活躍した西村拓也氏を迎えてのヒルクライム講座だ。

何度も実際にコースを往復して見本を見せる三船雅彦氏何度も実際にコースを往復して見本を見せる三船雅彦氏 photo:Kei Tsuji
今回ヒルクライムスクールが開催されたのは、奈良県北部の某所。奈良盆地を見下ろす300mほどの短い上りで、平均勾配は8%ほど。上り区間の麓と頂上がガードレールで封鎖されているため、クルマの進入は皆無だ。

メイン講師を務めるのは、前日に愛知県で行なわれた300kmのブルベを完走した三船氏。アシスタントの伊勢直人(Team MASSA)と大石建二(masahikomifune.com)に加え、今回は特別講師として元ミヤタスバルレーシングチームの西村拓也も参加した。西村氏は公務員としてフルタイムで働きながら、2001年と2003年の実業団栂池ヒルクライムでトップレーサーを抑えて優勝したヒルクライマーだ。

ヒルクライムを実演してみせる三船雅彦氏ヒルクライムを実演してみせる三船雅彦氏 photo:Kei Tsuji奈良盆地を見下ろすクローズドコースでスクールは行なわれた奈良盆地を見下ろすクローズドコースでスクールは行なわれた photo:Kei Tsuji精力的にライディングスクールを行なう三船雅彦氏とFOCUS IZALCO EXTREME精力的にライディングスクールを行なう三船雅彦氏とFOCUS IZALCO EXTREME photo:Kei Tsuji

スクール内容は、ダンシング時の腕の使い方や、目線の方向、上半身の重心の置き方など、ヒルクライムには必須のテクニックばかり。三船氏が見本を見せ、それを参加者が実践し、アドバイスを与える方法で行なわれた。

三船氏は突出したヒルクライマーでは無い。しかし「僕の考えでは、上りは平坦路の延長に過ぎない。上りに入った途端に走り方が変わる人が多いけど、基本的にペダリング等は平地と一緒」という言葉には説得力がある。三船氏は「基本が出来ていないと応用なんて出来ない。まずは基本練習をしっかりとこなし、そこで初めて次のステップに進むことが出来る」ということを強調していた。

元ミヤタスバルレーシングチームで活躍した西村拓也氏からアドバイスを受ける元ミヤタスバルレーシングチームで活躍した西村拓也氏からアドバイスを受ける photo:Kei Tsuji
午前中のスクールが終了すると、新薬師寺の近くにある「まんま亭」に移動。ロードレース好きのオーナーが経営する関西では有名なレストランだが、今回は名物のカレーではなく、おにぎりと豚汁が振る舞われた。確かにヒルクライム後のカレーはヘビー過ぎるし、午後の走りにも響きそうだ。

昼食後は三船氏と西村氏の即席トークショー。フルタイムで働きながら日本のトップシーンで活躍した西村氏のトレーニング方法など、貴重な話を聞くことが出来た。なお、参加費用4000円の中には「まんま亭」での昼食代や、イベント中の普通傷害保険含まれている。更に今回は日本食研株式会社と株式会社メダリストジャパンが特別協賛につき、参加者にはシトリックのお試しセットが提供された。

コース近くのまんま亭で昼食コース近くのまんま亭で昼食 photo:Kei Tsuji
午後からは午前中のおさらいと、参加者の中で最速を決める「山岳王決定戦」を開催。急勾配の300mを5名ずつダッシュし、1位に入った選手で決勝戦を行なった。決勝戦には2008年のツール・ド・熊野U23優勝の伊勢直人(Team MASSA)が参戦し、本気の走りで何とか面目を保った。

ライディングスクール山岳王決定戦の決勝で先頭に立つ伊勢直人(Team MASSA)ライディングスクール山岳王決定戦の決勝で先頭に立つ伊勢直人(Team MASSA) photo:Kei Tsuji
今後も三船氏はライディングスクールを継続的に開催する。次回は3月末に行なわれる予定。スクールの告知は随時三船氏のブログに更新されるので是非チェックして欲しい。

ライディングスクールの模様はフォトギャラリーで!

text&photo:Kei Tsuji