日本の天井たる日本アルプスの山麓を走り抜けるアルプスあづみのセンチュリーライド。数々のグルメと絶景を楽しんだ前編に引き続き、白馬岩岳エイドで折り返した桜のAACR実走レポート後編をお届けします。(レポート前編はこちら



ダイナミックな白馬連山の風景が美しいダイナミックな白馬連山の風景が美しい
白馬岩岳エイドを出ると、桜並木を下り、河川敷に入っていく。その入り口には白馬連山を一望できるパノラマスポットがあるため、多くの人が自転車を停め記念撮影。眼前に迫るアルプスのダイナミックな頂を眺めることが出来る。

その後は大町木崎湖エイドまで気持ちの良い白馬・安曇野の平坦路をサイクリングといきたいところだが、ここで忘れてはならないフォトスポットが稲尾駅だろう。小さな待合室や白壁にローマ字で「INAO」と書かれる駅自体に写真映えの要素があるのだが、この木崎湖周辺のエリアはアニメの聖地としても有名であるのだ。しかしあれから16年とは、月日が経つのも早いものである。

眼前に迫るアルプスの霊峰にテンションもマックスだ眼前に迫るアルプスの霊峰にテンションもマックスだ
ここで白馬連山とはお別れここで白馬連山とはお別れ
こじんまりとした待合室が特徴的な稲尾駅こじんまりとした待合室が特徴的な稲尾駅
そのまま行けば、往路にも現れた大町木崎湖エイドに再び到着。残り50kmほどを走り切るためのエネルギーを補給していく。ここでのメニューは野沢菜のおやきに、味噌の山菜汁。実は私が漬物バイキングと並んで楽しみにしていたのがこの野沢菜のおやきである。

あんこのおやきなど、甘い物は食べたことがあったが、野沢菜のおやきは初体験である私。野沢菜の薄めの醤油味が郷土料理としての奥深い味わいを出している。山菜が沢山入った味噌汁も疲労した身体に染み渡る美味さだ。普段は健康のために塩分は控えめでいくべきかもしれないが、今日のように沢山身体を動かす日はむしろ積極的に摂るべきということで、お代わりも頂いた。

木崎湖周辺の田園地帯を征く木崎湖周辺の田園地帯を征く
2度目の大町木崎湖エイドでは山菜汁と野沢菜のおやきが登場2度目の大町木崎湖エイドでは山菜汁と野沢菜のおやきが登場
ワイルド笑顔がチャーミングなお兄さんがおやきを渡してくれるワイルド笑顔がチャーミングなお兄さんがおやきを渡してくれる
ここからのルートは安曇野市に至る平坦のレイアウト。その上、後方から風が吹いているため、ペダルを漕がなくても前に進む楽チン区間だ。これまでの行程で脚を使い切ってしまい、帰るための力がなくなってしまっても、とりあえずサドルの上にいれば、勝手に前に進んでいくかのよう。

そんなこんなで走っていけば、最後の安曇野エイドに到着する。ここではキンキンに冷やした100%りんごジュースと、しそゼリーが振る舞われる。りんごジュースはもともとシャーベットにも出来るタイプで非常に濃厚なタイプ。そして自家製のしそゼリーは甘めに味が調整されているため、しそが苦手な人でも美味しく頂ける。

ラストエイドでは濃厚な100%アップルジュースと自家製しそゼリーが配られるラストエイドでは濃厚な100%アップルジュースと自家製しそゼリーが配られる
後方から風が吹いているためスピードが乗る後方から風が吹いているためスピードが乗る
ラストスパートも快調に飛ばすラストスパートも快調に飛ばす
ここまで来たら。フィニッシュまでは残り20kmほど。どんなに遅くとも1時間も走ればフィニッシュだ。いつもそうだが、ロングライドの終盤は少ししみじみとした気持ちになるのは何故だろう。楽しい1日が終わってしまうのが切ないのか、はたまた、辛い1日がようやく終わることにホッとしているのか、どちらにしろラストは、安曇野の豊かな自然を噛み締めながら走るのだ。

今日の早朝に通った桜並木をもう一度通過し、朝ぶりの梓水苑へ。フィニッシュ地点ではMCアケさんとちょこさんを筆頭にスタッフの方々が、参加者の帰りを待っていてくれる。レースさながらの実況をしてくれるため、気分も有頂天というもの。皆さん150kmの疲れも吹っ飛び、満点の笑顔で帰ってくる。どうやら最高の1日になったようだ。

2人で協力したからこその完走だ2人で協力したからこその完走だ
仲間4人と横並びでフィニッシュ仲間4人と横並びでフィニッシュ おそろいのジャージで肩を組みながらゴールおそろいのジャージで肩を組みながらゴール

150kmを走りきった達成感で気分も有頂天150kmを走りきった達成感で気分も有頂天
私にとっても初めての参加となったアルプスあづみのセンチュリーライド。基本的に平坦メインのコースレイアウトで初めてのロングライドイベントにぴったり。エイドで登場するグルメも全部美味しく、ボリューム満点なため、補給食マネジメントもいらないだろう。そしてコースの所々で姿を現す北アルプス山脈のダイナミックな景観と言ったら、写真では表現できない美しさがある。是非皆さんに1度は参加して欲しいロングライドイベントであった。

大会プロデューサー兼実行委員長である鈴木雷太さんにインタビュー

大会プロデューサー兼実行委員長である鈴木雷太さん大会プロデューサー兼実行委員長である鈴木雷太さん
ー今回初めてのチャリティーエントリーでしたが、反響はどうでしたか?

鈴木雷太さん:チャリティーエントリーは大きなチャレンジでしたが、賛同してくれる人が多かったです。特に自転車に乗っていない人からの反響が予想以上に多く、嬉しかったですね。例えば、地元の人も「凄いね」と言ってくれる人が増えたり、新聞に載ったり、県知事自ら贈呈式にお越し頂くなど良い反応が得られました。道路という公共の場を使用して行うイベントである以上、地域の人達から公共の場をお借りしているので、そこに還元できればいいと思います。

ー実際にチャリティーエントリーの参加者からはどのような反響がありましたか?

大会の参加者の方にも、こういうイベントを開催してくれてありがとう、という声も頂いています。感謝されるためにやっているというものではないですが、それでも参加者の方々が楽しんでくれたり、地域の人が喜んでくれるというのは良いことで、こういったチャリティー活動を継続して、自転車業界以外でも喜んでくれる人を増やしていきたいですね。

自身も参加者と一緒にAACRを走った自身も参加者と一緒にAACRを走った
ーみんなのAACRとすることで、一般の人にも自転車にフレンドリーになってもらおうと?

そうですね。一般の人にも自転車って良いものだなという認識が少しづつ増えて欲しいと思います。自転車がいっぱい走って危ないとか、邪魔という気持ちから、少しづつ変化してくれれば良いなと思います。ただ、そういう時に今回の大会でも交通ルールの遵守が徹底出来ていない点があったので、そこは改善していきたいです。

ー次の大会に向けて

緑のAACRは今回の桜のAACR同様に多くの参加者がより楽しめるように開催出来ればと思います。また先程も言ったように交通ルールの遵守は徹底できるよう、アナウンスをしっかり継続していきたいですね。

text&photo:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.Ayano

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