2018/04/30(月) - 09:21
4月21・22日に開催された「アルプスあづみのセンチュリーライド」。国内屈指の人気を誇るロングライドイベントとして、すぐに募集定員に達してしまう同大会だが、今年からチャリティーエントリーが登場。その寄付金贈呈式とウェルカムイベントの模様をお届け。
サイクリストだけでなく日本人にとって春は始まりの季節。桜舞い散る中に忘れようとした記憶が戻ってくることもあるかもしれないが、ここは気持ち新たに春の息吹を感じたいところ。サイクリングもそんな調子でシーズンインを決めたいところだが、そんな時に最適なロングライドイベントが「アルプスあづみのセンチュリーライド=(AACR)」である。
日本屈指の人気を誇り、毎年、エントリー開始直後に定員が埋まってしまうことで知られる「アルプスあづみのセンチュリーライド」。去年から4月と5月の2ヶ月連続開催を実施することで、参加人数を倍増させ、より多くの人が参加できるロングライドイベントとして発展した。
そして10年目という節目を迎える今年は新たに「みんなのAACR」というテーマを掲げ大会を開催していく。大会に参加する1500名のサイクリストだけでなく、AACRが開催される地域の方々や世界中の”みんな”が楽しめる大会を目指していくというコンセプトだ。今回はその一環として、チャリティーエントリーが実施され、地域道路整備、地域医療、世界医療といった3つの分野に寄付が行われた。
大会前日となる4月21日(土)にはウェルカムイベントの合間に、その寄付金を各団体に贈呈するセレモニーが行われた。まず大会プロデューサーであり、大会実行委員長の鈴木雷太さんから「AACRもお陰様で10年目を迎えた。この節目に何か出来ないかなと考えた時にみんなのAACRというテーマを思いついた。チャリティーで地元や世界に還元していくことで、大会に参加するサイクリストだけでなく、地元地域や世界中の人々にとってAACRが良いものでありたいと思う。」と”みんなのAACR”へかける想いが話された。
チャリティーエントリーは本来のエントリー費にプラス1万円。鈴木さんは実際にチャリティーエントリーを行うのは良いが、1人もエントリーが来なかったらどうしようと気もそぞろだったという。実際には200名を越える方々からチャリティーエントリーも申込みがあり、少し驚きながらもAACRの底力を改めて実感したそうだ。「このチャリティーエントリーをすることで、地元の方々からサイクリストに対する見方も変わってくると思う。良い共存関係を繋がるスタートになることを願っている。」と鈴木さん。
その後は寄付金の贈呈先となる各団体の長が登壇。地域道路整備として長野県の阿部守一知事。地域医療発展として、障がい児童対する医療支援を行っているNPO法人未来の風代表、北野とみ江さん。世界医療発展として松本空港ロータリークラブ会長、前田祐一さんが壇上に上がった。
阿部知事は「多くのサイクリストがこのAACRを機に長野県に来て頂いていること、県知事として大変嬉しく思う。私は昔、愛媛県庁で働いていたこともあり、しまなみ海道の良さも知っているが、このアルプスも負けず劣らず良い場所だと自負している。今回頂いた多額の寄付金を基により、サイクリストに優しい道路作りを進めていきたい。」という。多忙な長野県知事自らセレモニーに登壇したこともあり、長野県のAACRやサイクリングへの関心の高さが伺える。
障がい児童に対する医療支援を行っている北野さんは「私どもは障がいを持つ子供たちとその家族が、住み慣れた地域で安心して生活出来るよう支援を行っているNPO団体。今回の寄付は子供たちがよりのびのびと生活し成長できるよう、7年前に設立された療育センター『未来』の大型遊具購入に使用させて頂く。今後も10年目を迎えたAACRが発展することを願ってやまない。」と語る。自転車で楽しくイベントに参加することで、地域の障がいを持った子供たちを支援することが出来るというのはとても素晴らしいことだと感じる。
最後に挨拶をしたのは松本空港ロータリークラブの前田会長だ。「ロータリークラブは30年前からユニセフやWHOと協力してポリオを地球上から撲滅しようという運動をしている。今回の寄付で2万3千人以上の子供たちをポリオ小児麻痺から救う事が出来る。本当に有り難いこと。」とコメント。その救える子供たちの数に驚きながら、自転車というスポーツの可能性をより大きく感じることが出来ただろう。
その他にもセンターステージではバルセロナオリンピック日本代表の藤田晃三さんによるロードバイクライディング講座、ケミカルブランド、ワコーズによる洗車講座、マヴィックによるロードUSTのススメなど、様々なステージコンテンツが行われ、多くの人が耳を傾けていた。特に藤田晃三さんと鈴木雷太さんという一時代を築いたオリンピアンの共演はレアだったのではないだろうか。
また、会場ではブース出展も盛りだくさん。オーダーウェアのウエイブワンではAACR公式ジャージの見本を展示していた。今年は桜と緑という2大会に合わせたピンクとグリーンの2色をラインアップ。アルプス山脈を表したホワイトと、青空のブルーを入れ、清々しい気持ちになれる鮮やかな色合いのジャージだ。同デザインのウインドブレーカーも用意されている。
ワコーズのブースではサイクルイベント恒例の洗車サービスを展開。愛車を洗浄してもらおうと長蛇の列ができており、スタッフの皆さんが急ピッチで作業していた。マヴィックブースではタイヤやソックス、フレンチトリコロールをあしらったCosmic Pro限定シューズなどを展示。その横には大会当日に参加者のサポートをしてくれるマヴィックカー&モトもあり、熱心に観察する人も多かった。
サイクルブランド各社が出展するエリアも賑わっており、ジロではシューレースのロードシューズ、EMPIREの試着を実施。東京サンエスではソーマのバイク、ミズタニ自転車ではナイナーとE-バイクのSeraphの試乗が可能となっていた。フカヤはスミスのヘルメットやブライトンのGPSコンピューターなどが展示され、実際に手に取り細部を確認することができた。
前日から賑わいを見せた桜のアルプスあづみのセンチュリーライド。次回はいよいよ4月下旬にしては記録的な夏日となった大会当日の実走レポートをお送りしよう。
text&photo:Kosuke.Kamata
photo:Gakuto Fujiwara
サイクリストだけでなく日本人にとって春は始まりの季節。桜舞い散る中に忘れようとした記憶が戻ってくることもあるかもしれないが、ここは気持ち新たに春の息吹を感じたいところ。サイクリングもそんな調子でシーズンインを決めたいところだが、そんな時に最適なロングライドイベントが「アルプスあづみのセンチュリーライド=(AACR)」である。
日本屈指の人気を誇り、毎年、エントリー開始直後に定員が埋まってしまうことで知られる「アルプスあづみのセンチュリーライド」。去年から4月と5月の2ヶ月連続開催を実施することで、参加人数を倍増させ、より多くの人が参加できるロングライドイベントとして発展した。
そして10年目という節目を迎える今年は新たに「みんなのAACR」というテーマを掲げ大会を開催していく。大会に参加する1500名のサイクリストだけでなく、AACRが開催される地域の方々や世界中の”みんな”が楽しめる大会を目指していくというコンセプトだ。今回はその一環として、チャリティーエントリーが実施され、地域道路整備、地域医療、世界医療といった3つの分野に寄付が行われた。
大会前日となる4月21日(土)にはウェルカムイベントの合間に、その寄付金を各団体に贈呈するセレモニーが行われた。まず大会プロデューサーであり、大会実行委員長の鈴木雷太さんから「AACRもお陰様で10年目を迎えた。この節目に何か出来ないかなと考えた時にみんなのAACRというテーマを思いついた。チャリティーで地元や世界に還元していくことで、大会に参加するサイクリストだけでなく、地元地域や世界中の人々にとってAACRが良いものでありたいと思う。」と”みんなのAACR”へかける想いが話された。
チャリティーエントリーは本来のエントリー費にプラス1万円。鈴木さんは実際にチャリティーエントリーを行うのは良いが、1人もエントリーが来なかったらどうしようと気もそぞろだったという。実際には200名を越える方々からチャリティーエントリーも申込みがあり、少し驚きながらもAACRの底力を改めて実感したそうだ。「このチャリティーエントリーをすることで、地元の方々からサイクリストに対する見方も変わってくると思う。良い共存関係を繋がるスタートになることを願っている。」と鈴木さん。
その後は寄付金の贈呈先となる各団体の長が登壇。地域道路整備として長野県の阿部守一知事。地域医療発展として、障がい児童対する医療支援を行っているNPO法人未来の風代表、北野とみ江さん。世界医療発展として松本空港ロータリークラブ会長、前田祐一さんが壇上に上がった。
阿部知事は「多くのサイクリストがこのAACRを機に長野県に来て頂いていること、県知事として大変嬉しく思う。私は昔、愛媛県庁で働いていたこともあり、しまなみ海道の良さも知っているが、このアルプスも負けず劣らず良い場所だと自負している。今回頂いた多額の寄付金を基により、サイクリストに優しい道路作りを進めていきたい。」という。多忙な長野県知事自らセレモニーに登壇したこともあり、長野県のAACRやサイクリングへの関心の高さが伺える。
障がい児童に対する医療支援を行っている北野さんは「私どもは障がいを持つ子供たちとその家族が、住み慣れた地域で安心して生活出来るよう支援を行っているNPO団体。今回の寄付は子供たちがよりのびのびと生活し成長できるよう、7年前に設立された療育センター『未来』の大型遊具購入に使用させて頂く。今後も10年目を迎えたAACRが発展することを願ってやまない。」と語る。自転車で楽しくイベントに参加することで、地域の障がいを持った子供たちを支援することが出来るというのはとても素晴らしいことだと感じる。
最後に挨拶をしたのは松本空港ロータリークラブの前田会長だ。「ロータリークラブは30年前からユニセフやWHOと協力してポリオを地球上から撲滅しようという運動をしている。今回の寄付で2万3千人以上の子供たちをポリオ小児麻痺から救う事が出来る。本当に有り難いこと。」とコメント。その救える子供たちの数に驚きながら、自転車というスポーツの可能性をより大きく感じることが出来ただろう。
その他にもセンターステージではバルセロナオリンピック日本代表の藤田晃三さんによるロードバイクライディング講座、ケミカルブランド、ワコーズによる洗車講座、マヴィックによるロードUSTのススメなど、様々なステージコンテンツが行われ、多くの人が耳を傾けていた。特に藤田晃三さんと鈴木雷太さんという一時代を築いたオリンピアンの共演はレアだったのではないだろうか。
また、会場ではブース出展も盛りだくさん。オーダーウェアのウエイブワンではAACR公式ジャージの見本を展示していた。今年は桜と緑という2大会に合わせたピンクとグリーンの2色をラインアップ。アルプス山脈を表したホワイトと、青空のブルーを入れ、清々しい気持ちになれる鮮やかな色合いのジャージだ。同デザインのウインドブレーカーも用意されている。
ワコーズのブースではサイクルイベント恒例の洗車サービスを展開。愛車を洗浄してもらおうと長蛇の列ができており、スタッフの皆さんが急ピッチで作業していた。マヴィックブースではタイヤやソックス、フレンチトリコロールをあしらったCosmic Pro限定シューズなどを展示。その横には大会当日に参加者のサポートをしてくれるマヴィックカー&モトもあり、熱心に観察する人も多かった。
サイクルブランド各社が出展するエリアも賑わっており、ジロではシューレースのロードシューズ、EMPIREの試着を実施。東京サンエスではソーマのバイク、ミズタニ自転車ではナイナーとE-バイクのSeraphの試乗が可能となっていた。フカヤはスミスのヘルメットやブライトンのGPSコンピューターなどが展示され、実際に手に取り細部を確認することができた。
前日から賑わいを見せた桜のアルプスあづみのセンチュリーライド。次回はいよいよ4月下旬にしては記録的な夏日となった大会当日の実走レポートをお送りしよう。
text&photo:Kosuke.Kamata
photo:Gakuto Fujiwara
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