シーズン最初のUCIワールドツアーレースとして定着したツアー・ダウンアンダーが、2013年1月20日から27日まで、オーストラリア・アデレードを舞台に開催される。世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)らが参加を表明している。

ロード世界選手権でアルカンシェルと金メダルを手にしたフィリップ・ジルベール(ベルギー)ロード世界選手権でアルカンシェルと金メダルを手にしたフィリップ・ジルベール(ベルギー) photo:Kei Tsuji「ダウンアンダーには良い思い出が詰まっている。(FDJ所属時の)2004年に初出場した時、クックやウィルソン、レンショーがチームメイトで、新人賞に輝いて、ステージ優勝して、総合4位。当時22歳の自分にとって素晴らしい経験になった」。30歳になり、今年ロード世界選手権で優勝したジルベールはそう回想する。ジルベールは2008年大会にも出場し、山岳賞を獲得している。

2004年のツアー・ダウンアンダーでステージ優勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー)2004年のツアー・ダウンアンダーでステージ優勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー) photo:Cor Vos2012年、BMCレーシングチームに移籍したジルベールは長引く歯の治療によってシーズン前半から低迷。8月のブエルタ・ア・エスパーニャと9月の世界選手権で活躍したものの、4月のアルデンヌ・クラシックで輝きを放つことは出来なかった。それだけに、2013年はシーズンの早い段階から動き出したいという思いも強いのだろう。

「冬場のトレーニングはここまで順調で、ダウンアンダーのコースは僕向き。シーズン最初のレースなので実際どう転ぶかは分からないけど、出場メンバーも良いし、野望を持って出場したい」。BMCレーシングチームからは元世界チャンピオンのアレッサンドロ・バッラン(イタリア)も出場する予定だ。

ツアー・オブ・北京を走るアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)ツアー・オブ・北京を走るアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) photo:Graham Watson/Tour of Beijing「南オーストラリア行きをすごく楽しみにしている」と話すのは、2012年シーズン0勝に終わったアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)。

ジルベールと同じくシーズン前半から低迷したAシュレクは、6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで骨盤の一部を成す仙骨を骨折し、最大の目標であったツール・ド・フランスを欠場。10月のバンシュ〜トゥルネー〜バンシュとツアー・オブ・北京でレースに復帰したが、見せ場を作ることなく途中リタイアしている。

10月にレースに復帰した際、Aシュレクは「これを“カムバック”と呼ばないで欲しい。来年、最高のコンディションで挑む『僕のレース』こそ本当の“カムバック”だ」と強調。散々なシーズンを経験したAシュレクは、2013年のツール・ド・フランスに向けて早めに動き出す。「多くの選手から何度も何度もダウンアンダーの良さを聞いてきた。オーストラリアで走るのが本当に楽しみだ」。

第15回ツアー・ダウンアンダーは、2013年1月20日から27日まで、南オーストラリア州アデレード近郊で開催される。スプリンターも総合争いに加わるほどの平坦コースが特徴だが、2年連続でウィランガヒルの頂上ゴールが最終日前日に登場。2012年大会では、ウィランガヒルの頂上ゴールで2位に入ったサイモン・ジェランス(オーストラリア)が新生グリーンエッジにステージレース初総合優勝をもたらし、オーストラリアを沸かせた。

選手コメントはツアー・ダウンアンダー公式サイトより。

text:Kei Tsuji

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