ラ・ガリーニャの頂上ゴールとなるブエルタ・ア・エスパーニャ2012第8ステージ。総合優勝候補4名の熾烈な争いが展開され、終盤にコンタドールがわずかに先行するが、ホアキンとバルベルデの猛追により3名でのスプリント勝負となった。ゴールはバルベルデが制し、総合4位に浮上した。

ステージ優勝・山岳賞・総合4位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

1級山岳コリャーダ・デラ・ガリーニャ頂上ゴールを制したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)1級山岳コリャーダ・デラ・ガリーニャ頂上ゴールを制したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Unipublic(ラ・ガリーニャの登りは大変だったのでは?)最後はとても険しかったし、ペースも高速だった。登り口では、ロバート・ヘーシンクなど苦しんでいた選手も多かった。それで、差を付けようとしたら、今回のブエルタの四強の選手が残ることになった。ここで勝てて素晴らしい結果を出せて、とても満足している。

(フルームとコンタドールは協調しなかったから負けたのでは?)そうは思わない。アルベルト(コンタドール)がフルームと協調しなかったのは、そうできなかったからだ。僕たちの登坂が高速だったから。プリトが言うには、彼らでも最後まで行けなかったはずだ。ぼくも心配してなかった。あんなに速く登れる選手は、ぼくら以外にはいない。

(ツール・ド・フランスでのステージ優勝と比較すると?)どうやって比較すればいいかわからない。クリス・フルームやブラドレー・ウィギンズなどのツール・ド・フランスの優勝候補はたしかに強いけど、ここはブエルタだ。総合成績を争う選手も多い。今日は最強クラスの選手同士での一騎打ちだった。ツールの総合成績は(ブエルタより)かなり低かったし、ペイラギュード(今年の第17ステージ)は逃げて勝ったものだった。どっちの勝利も、うれしいよ。

総合1位・複合賞・ステージ2位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

笑顔でマイヨロホ授与式に登場したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)笑顔でマイヨロホ授与式に登場したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Cor Vos今日はずっと特別な日だった。集団の先頭で、この赤いリーダージャージを着て、ここまで登ってくるまでのあいだ、まるでバスク地方のような熱狂的な声援があった。自転車競技のキャリアのなかでも最上級に素晴らしい日を楽しんだ。今日はしっかり走れたし、世界最強の選手たちとも戦えた。ステージ優勝したかったけど、アレハンドロ(バルベルデ)の最後のスプリントには素直に敬服する。

落ち込んではいないよ。ぼくは現実主義者でもある。現段階ではフルームとコンタドールが好調で、彼らは、ぼくよりもタイムトライアルを効率的に走る。ブエルタで総合優勝するには、ぼくの人生でベストなタイムトライアルにする必要がある。そのうえでフルームとコンタドールが不調になっている必要もある。

総合3位・ステージ3位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)

勝ちたかったけど、結果には満足だ。ぼくにとってはフルームとの差を開くほうが重要だった。ゴールの直前ではあまり力が出なかった。今日は素晴らしい日にはならなかったけど、調子は徐々によくなってきている。いつだって勝つことのほうがベターだよ。でも、この結果に満足だ。今日の最後は超級山岳の試食みたいなもので、フルームより調子がよかった。プリト(ホアキン・ロドリゲス)とバルベルデについては、マドリードまでもつれ込むだろう。

総合2位・ステージ4位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

1級山岳コリャーダ・デラ・ガリーニャでアタックを仕掛けるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)1級山岳コリャーダ・デラ・ガリーニャでアタックを仕掛けるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Unipublicチームメイトたちは最後の登りのために準備してくれて、ぼくの総合成績を上げるのを手伝ってくれた。でも、3人のライバルたちを追走するだけの脚が残ってなかった。戦術面でも、ライバルたちは最後のチャンスを待つなど、したたかに走っていた。あの登りはひどかった!最後の区間は本当に厳しかった。

彼らとのギャップが縮まったときに、コンタドールとぼくが協力していたら、結果は違っていたかもしれない。彼にはブエルタで優勝できるだけの脚がある。しかし、単独でアタックした後に捉まってしまうことがあるのもわかって、興味深かった。つまり優勝候補者たちは、それぞれに弱点がある。コンタドールが“無敵艦隊”ではないことが今日わかった。このおかげで、レースはしばらく4人での混戦が続くはずだ。

今日のステージが終わってもまだ2週残っていて、なにが起こるかわからない。わずか4週間しか開けずに連続して2つのグランツールに参加するのは、ぼくにとっては初めての経験だ。マドリードに着くまでに、この好調をどの程度まで維持できるかわからない。でも、自信はある。

ぼくたちは山岳ステージで苦しむことになるだろうし、次のタイムトライアルの結果は計算に入れるべきじゃない。わかっているのは、全力を尽くすということだけだ。

総合53位の前大会総合優勝のファンホセ・コーボ(スペイン、モビスター)

この重要なステージが、このブエルタでのバッドデイ(不調な日)にかち合ってしまって残念だ。レースの序盤から軽い腹痛による不調を感じていて、高い気温とハイペースという悪条件も重なった。大きくタイムを失ったので、総合成績に絡むチャンスはなくなってしまった。できるだけバルベルデに貢献するつもりだ。

早過ぎるスピードに根を上げる集団の様子を語る土井雪広(アルゴス・シマノ)

レース1時間目の平均スピードは52km/hレース1時間目の平均スピードは52km/h photo:Unipublic僕は最も厳しいステージとなりました。今日のチームの目標は、逃げに入りたい選手は入る。それだけ。でも入りたいと言ったのは二人のみ。その中に僕は入っていませんよ。昨日の集団コントロールで疲労困憊でしたので。

レースは他のチームも逃げに選手を入れるべく、アタックが永遠続いた。逃げが決まったのはスタートしてから1時間40分後。平均時速は51キロ。マジで速すぎて大変だった。

集団では1時間を過ぎたあたりから皆がきつくなってきて、もうやめろ~~!!!とか、アタックしていく選手に対して馬鹿ヤロー!!!とか、最終的にはあり得ないスピードでアタックが続いているのにもかかわらず、リーダーのロドリゲスに対してトイレ休憩しろーーー!!とかいろいろな言葉が飛ぶ。笑(リーダーがストップすれば集団はアタックしないという暗黙のルールがある。)今だから笑えるけど、レース中は本当に笑えなかった。笑

コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより抜粋。

text: Seiya YAMASAKI

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