2009年6月6日、イタリア・エミリアロマーニャ州で第6回メモリアル・マルコ・パンターニ・トロフェオ・メルカトーネウノ(UCI1.1)が開催された。故パンターニを忍んで開催されるこのワンディレースは、今年もイタリア勢が上位を独占。LPRブレークスのロベルト・フェラーリが集団スプリントを制した。

メモリアル・マルコ・パンターニ2009コースプロフィールメモリアル・マルコ・パンターニ2009コースプロフィール photo:www.gsemilia.it1998年にダブルツール(ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを同年に制覇すること)を達成し、2004年2月14日に34歳でこの世を去った伝説のイタリア人クライマー、マルコ・パンターニ。今も「ピラータ(海賊)」の愛称で親しまれるパンターニを忍び、2004年に大会はスタートした。

今年で開催6回目を迎え、過去の優勝者にはダミアーノ・クネゴ(2004年)やジルベルト・シモーニ(2005年)、ダニエーレ・ベンナーティ(2006年)、フランコ・ペッリツォッティ(2007年)といった有力選手の名が並ぶ。

両手を挙げるロベルト・フェラーリ(イタリア、LPRブレークス)両手を挙げるロベルト・フェラーリ(イタリア、LPRブレークス) photo:www.gsemilia.itコースはパンターニの生誕地チェゼーナから故郷チェゼナティコまでの183km。モンテヴェッキオの上りを含む周回コースとチェゼナティコを通過する小周回コースが設定され、パンターニのモニュメントの前にゴールする。

レースは主にコンチネンタルチームの選手を含む6名がレース序盤に飛び出し、最大7分30秒のリードを得て逃げる。しかしモンテヴェッキオを含む周回コースに入ると、リクイガスの集団コントロールによりタイム差は縮小した。

表彰台に上がるロベルト・フェラーリ(イタリア、LPRブレークス)表彰台に上がるロベルト・フェラーリ(イタリア、LPRブレークス) photo:www.gsemilia.itジロを総合3位で終えたばかりのフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)が最後のモンテヴェッキオでアタックを繰り出すと先頭グループは吸収。しかしペッリツォッティの動きも20名ほどの集団に飲み込まれ、アタックが決まらないまま集団でゴール前に達した。

最終ストレートで先行したのは、昨年ジャパンカップでイヴァン・バッソ(イタリア)を献身的にアシストしながら4位に入ったヴァレリオ・アニョリ(イタリア、リクイガス)。しかしそんなアニョリを振り切り、先頭でゴールしたのは26歳のフェラーリだ。レース中盤のペッリツォッティのアタックに反応する脚を見せたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)は、惜しくも届かず2位に終わった。

昨年アイルランドで行なわれたステージレースのプロローグで、プロ初勝利を飾っているフェラーリは「あの勝利は自慢するほどじゃない。でも今回の勝利はひと味違う。こんな勝利を待ち望んでいたんだ」と、自国での初勝利を喜ぶ。

普段は中堅選手としてエースのアシストに徹するフェラーリは「今日はペタッキとディルーカがいなかったので、自由なレースが出来た。スプリントでは最後の最後まで待ち続けたんだ。その根気が功を奏したと思う」とコメント。ロードレース界のフェラーリとして今後も注目の存在だ。

また、病気や怪我によりジロをパスしたアレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)とダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)がこのメモリアル・マルコ・パンターニでレースに復帰。ベンナーティは上りで遅れてリタイア。バッランは1分14秒遅れの集団でゴールした。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはガゼッタ紙より。

メモリアル・マルコ・パンターニ2009結果
1位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、LPRブレークス)4h29'49"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)
3位 ヴァレリオ・アニョリ(イタリア、リクイガス)
4位 フランチェスコ・ジナンニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
5位 シモーネ・ポンツィ(イタリア、ランプレNGC)
6位 ワウテル・プロック(イタリア、ベトネクスプレス2000)
7位 アンドレア・モレッタ(イタリア、ミケ・シルヴァークロス)
8位 ドメニコ・ローリア(イタリア、チェントリ・デッラ・カルツァトゥーラ)
9位 ファビオ・タボッレ(イタリア、ディキジョヴァンニ)
10位 ディエゴ・タマヨマルティーネ(コロンビア、カルミオオロAスタイル)

text: Kei Tsuji
photo: www.gsemilia.it

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