ツール・ド・フランス2012第8ステージはアップダウンを繰り返す山岳コース。単独行で山岳ポイントを稼ぐケシアコフを、フランスの新生ピノが捉え、そのまま逃げ切って勝利した。

ステージ優勝のティボー・ピノ(フランス、FDJ・ビッグマット)

22歳のティボー・ピノ(フランス、FDJ・ビッグマット)がガッツポーズ22歳のティボー・ピノ(フランス、FDJ・ビッグマット)がガッツポーズ photo:Cor Vos僕の人生で最も長い10kmだった。残り10km地点で集団との差が50秒以内なのがわかって慌て出した。この勝利はほとんどがチームメイトのジェレミー・ロワのおかげだ。今日のステージでは彼が先行して逃げていたので、僕は走らずに済んだ。それに僕がギャップを埋めて彼に追いつくと、レース中ずっと僕を助けてくれた。だから最後の登りの手前で、彼の脚は売り切れてしまった。彼は全部を与えてくれた。

最後の丘を越えた後は、脚の感覚がなかったけど、ファンの声援が力になった。こういうことが起きるのはツール・ド・フランスだけだ。当初、僕はブエルタ・ア・エスパーニャに出ることになっていた。でも、ツールに出ると言い張って、マルク・マディオ監督に僕の求めるものをしっかり伝えた。これで僕が正しかったと監督も納得してくるだろう。

昨日は、できるだけ僕より前で走っている総合候補者たちを邪魔しないようにしていた。自分の位置をキープしていた。でも、ステージ優勝を望むなら、今日は二度とないチャンスだった。僕らは毎日そういう場面を見ている。僕らのチームは結果を出そうと努力している。そして、ここには本当の友人たちもいる。だから、今日の勝利のような報奨が得られて満足だ。

総合1位・ステージ4位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)

マイヨジョーヌを着て走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを着て走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto Ayano今日のプランは逃げ集団は好きに行かせて、マイヨジョーヌをキープすることだった。でも、厳しい1日になった。チームは素晴らしかった。ヴィンチェンツォ(ニーバリ)は下りが得意だから、彼がゴールまでに僕たちにプレッシャーをかけてくるのはわかっていた。だから僕たちは山岳を走る間は焦らないことに決めていた。

マークされて走るのも、またツールだ。とても嬉しい気分だよ。チームは今日のレースを先導していたという点で素晴らしかった。でも、厳しい試練だった。最後の登りであまりチームメイトが残っていなかったしね。しかし、もう明日のタイムトライアルを楽しみに待つことにする。

(レース終盤にエヴァンスの追い込みがあったが)あれが明日の展開の前触れになるかはわからない。でも、単調なタイムトライアルではない——とてもテクニカルなコースもあるから、いいレースになりそうだ。

最後の登りでは静かに登り続けるつもりはなかった。きつい登りだったけれど、それは誰にとっても同じことだ。今日の(最後の)山頂で残っていた集団の人数に少し驚いた。僕たちが困難な目に遭うとは思わなかった。でも、準備はしていた。山頂で残っていたメンバーと一緒に最後まで行けてよかった。

明日のタイムトライアルでライバルに優位に立てるかの成り行きを見守りたい。スタートしたら、いつものようにレースに専念して集中する。それだけだ。これがうまくいったら、ライバルたちとのタイム差を少し広げられるかもしれない。でも、明日はきつい1日になるだろうし、誰もが総合成績を上げようとしてくることは確実だ。

逃げて山岳賞と敢闘賞を獲得したフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)

マイヨアポワを獲得したフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)マイヨアポワを獲得したフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ) photo:Cor Vos複雑な気持ちだ。落胆と幸福が混ざっている。ステージ優勝まであと少しだったのに優勝できなかったのでガッカリしている。その一方で、今日はいい意味で認めてもらえたし、いい走りができたから幸せも感じている。最終的にこのジャージを獲得できた。それ自体成功だから、嬉しく思う。今はしっかり休むつもりだ。タイムトライアルでは気楽に走って、休息日に休んで、その次のステージで自分の調子を確認したい。好調なら、挑戦して可能なかぎり山岳賞を守るつもりだ。

僕の目的は、絶対に単独で先行しないことだったけど、そうなってしまった。山岳ポイントを最大限に獲得しようとして、気がついたらひとりだった。「よし、このまま走り続けたら、どこまで行けるか確かめよう」と自分に言い聞かせた。最後まで行けなかったけど、一応このジャージを着ることはできた。

1級山岳の下りでピノに追いつけたかはわからない。一応トライしてみたけど、脚が残ってなかった。単独行が長かったから、ある程度の速度は出せても、それ以上は速くならなかった。試してはみたけど、かなり早い時点で無理だと悟った。もう自分がやったことに満足しようと思った。このジャージを着続けるのはとても難しいと思う。でも、少なくとも挑戦はしてみる。


新人賞のレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)

マイヨブランのレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)のマイヨアポワのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨブランのレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)のマイヨアポワのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto Ayano今年のはじめに腕を骨折した。5月の間に僕ができたトレーニングは、ローラー台に乗ることだけだった。毎日4時間……尋常じゃない。同じスポーツとは思えない。部屋に閉じこめられて、目の前の壁以外には何も見るものがなく、単にペダルを踏むことだけ。でも、こうしてこの場所にいることができて嬉しい。今日は完璧じゃなかったとしても。ツールはまだ先が長いから、少しは回復して、この先のステージで活躍できたらと思う。

登りよりはタイムトライアルのほうが少しはいい結果が出せそうだと思う。山岳ではいつも持ちこたえるのに必死で、タイムトライアルでは自分自身の走りができる。たとえば去年の最後のタイムトライアルでは10位に入った。僕にとって悪くない順位だ。

最初の1週間を終えられてよかった。この1週間は過酷なことがよくあった。とてもナーバスだったし、誰もが戦場の兵士のようだった。でも、僕はなんとか切り抜けた。こうしてマイヨブランを着ることができて、嬉しく思っている。

ステージ10位のフランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

チーム内で総合最高位につけるアイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック・ニッサン)チーム内で総合最高位につけるアイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック・ニッサン) photo:Makoto Ayanoステージで困難な時はあっても、雰囲気が悪くなったことは一度もない。選手同士でもない。昨日もならなかったし、どんなときも。今日はいい結果が出せた。だからみんな喜んでいる。でも、それで選手間の雰囲気が変わることはない。

(今日の戦術について)考える時間はあまりなかった。ヴィンチェンツォ・ニーバリやユルゲン・ファンデンブロックがアタックしたとき、総合上位の選手が5人しか残っていないことに気づいた。その中にはチームメイトのスベルディアもいた。だからスベルディアを牽いて、逃げていたトニー・ギャロパンを追った。トニーに追いついてから、全力で行けというオーダーがあった。スベルディアにとって(総合5位の)いい結果になった。

コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。

text:Taiko YAMASAKI + Seiya YAMASAKI
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