新城を含む3人の逃げが決まった第4ステージ。ゴール直前の落車はハンターやゴスらの有力選手たちを巻き込み、波乱の状況となった。落車を免れたチーム全員の力をうまく使ったグライペルがスプリントを制した。

ステージ優勝のアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)

ゴールスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)ゴールスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:Cor Vosツール・ド・フランスのスプリントで勝つのは、まったく簡単じゃない。今日もそうだ。最後には最高速度になり、緊張感が張り詰める。僕らが落車を免れたのは、すでに集団前方にいてリードアウトの準備をしていたからだ。チームメイトたちは完璧に仕事をこなして、あの場所に僕の位置をキープして、危険地帯から遠ざけてくれた。月曜日の(トゥルネーの)ときと同様に完璧に機能した——そして今日はすべてが思い通りにいった。

スプリント勝利を手にしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)スプリント勝利を手にしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:Makoto Ayanoこの勝利にとても感動している。僕たちはロット・ベリソルという新しいチームになって、これが初めてのツール・ド・フランスだ。チームにとっても、関係者全員——選手とスタッフたち——にとっても初めてだ。勝利できて本当にうれしい。僕と同じようにチーム全員が表彰台に乗れたらよかったのにと思う。

世界でも屈指のリードアウトを得意とするアシストたちが周りを固め、つねにサポートしてくれる。彼らは僕から最後の力を振り絞るのも助けてくれる。シーベルグとルーランズとヘンダーソンと僕とで、信じられないほどのトップスピードを出した。そして、しっかり結果を出せた。もちろん、とてもうれしい。

当初の目標はステージ1勝だった。もうこの目標を達成したから、後はオマケだ。もちろん2勝目は目指す。落車はまずいから、全員が無事であってほしい。ツール・ド・フランスでステージ1勝できた。本当にうれしい。

総合1位のファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)

マイヨジョーヌを着て走るファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)マイヨジョーヌを着て走るファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) photo:A.S.O.残り30kmのところで落車が起きていてもおかしくなかったと思う。こういうことは、いつでも起こりうる。時速60kmで走行していて、追い風を受けている。何千人もの観客、たくさんの中央分離帯、そして集団全体はそのスピードを増す……ゴール前はずっと混戦模様になる。でも、選手たちはゴールに近づくほど、危険になることを知っている——ほんの些細なことで選手たちは落車してしまう。そんな状況を無事に切り抜けられてラッキーだったし、うれしく思う。落車なんて誰にとっても歓迎すべきことじゃない。

マイヨジョーヌを守ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)マイヨジョーヌを守ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) photo:Makoto Ayano目の前で落車が起きたときに判断する時間はわずか数ミリ秒。左に行くか、それとも右か。あるいは飛び越えるべきか。どう動くかを考える時間は一瞬だ。でも、実際には波の進行方向に従うことになる。

集団がひとつの波になることはよくある。道路の片側から反対側へと進む波だ。集団が高速になり混戦模様になってくると、波が発生することもあるし、しないこともある。この確率はクジ引きだとまでは言わない。でも、誰かがほんの少し動いただけで、集団全体が大きく動いて最後には落車になってしまうこともある。

ある意味、今日のような(レース時間が5時間を超える)日のほうが簡単だ——このことはSRMのデータを見るとハッキリわかる。でも、精神的には気楽ではない。かえって厳しい。コースはずっと同じだし、他の選手たちとも会話し尽くしているからね。食べたいときには食べる。そうして、ときには時間を長く感じることもある。でも、それがツールだ。それにマイヨジョーヌを着たら特別なことになる。カメラに向かって挨拶したり、世界中の視聴者に向けて手を振るチャンスも得られる……僕の友人がハワイでツール・ド・フランスを見ているので、今日は挨拶した。走行中は、こんな感じだ。毎日が変化していくので、それを楽しむつもりだ。

ポイント賞のペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

スタートサインを済ますペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)らスタートサインを済ますペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)ら photo:Makoto Ayano今日は勝つのがとても困難だった。落車もあったし、とても危険だった。ツール・ド・フランスでのスプリントは、とてもナーバスな集団をつくりあげる。選手たちみんなが先頭集団に入ろうとして、緊張感に満ちた状態になる。でも、今日は落車しないで済んで安心している。

満足感はある。落車せずに走り続けられたし、マイヨヴェールのポイントを少し稼げたから。調子はいい。落車にも巻き込まれなかった。落車の近くにいた。僕の左側で落車が起きて、選手たちがみんな僕のほうへと押し寄せてきた。そのまま走り続けられたのはラッキーだった。

ステージ5位のペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)がマイヨヴェールをキープステージ5位のペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)がマイヨヴェールをキープ photo:Makoto Ayano今のところ、ぼくにとっては素晴らしいツール・ド・フランスだ。できれば、マイヨヴェールをパリまでずっと獲得していたいし、挑戦するつもりだ。

誰かが落車するのは好きじゃない。自分が落車することもあるし、それはいいことじゃない。誰にも落車に巻き込まれてほしくないし、それが普通だ——事故が起きるのを見たい人はいない。

この先、今日のようなスプリントで勝てるかは今はわからない。どのスプリントも毎回異なる。今日はグライペルのチームがとても強くて、残り2kmを素晴らしいリードアウトのトレインを作っていた。今日はチームメイトのダニエル・オスが落車してしまい残念だった。彼は僕を前方に連れてくるアシストで、今日はいなかったからね。

新人賞のティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)

(落車が起きたら)考える時間なんてない。ただブレーキレバーを握って、バランスを保とうとするだけだ。落車しなかったのは運がよかった。落車がゴール前の3km以内だったので、同タイム扱いなのもラッキーだ。

敢闘賞で日本人初表彰台の新城幸也(日本、ユーロップカー)

逃げ続ける新城幸也(ユーロップカー)ら逃げ続ける新城幸也(ユーロップカー)ら photo:Makoto Ayano今朝のチームミーティングで、今日のステージをどう攻めるかを話し合って、監督に逃げに乗っていいと言われました。——だから、スタート直後にすぐに逃げた。待つ気は全然なかった。

敢闘賞を受賞した新城幸也(ユーロップカー)敢闘賞を受賞した新城幸也(ユーロップカー) photo:Makoto Ayano今日のステージでの優勝は想像しにくかったけど、それでも挑戦しました。レースでは何が起きるかわからない。天候がよく分からなかったし、わずかな雨が集団の妨げをすることもある。集団で中切れが起きて、レース展開が変わることもある。仮にゴールまで三人——あるいは小集団でたどり着けたら、僕の瞬発力ならスプリントで差が付くと思った。僕は純粋なスプリンターじゃないので、大きな集団スプリントでは抜け出せそうにはない。とくにカヴェンディッシュやグライペルが相手なら、なおさらです。

敢闘賞のプレートを手に笑顔を浮かべる新城幸也(ユーロップカー)敢闘賞のプレートを手に笑顔を浮かべる新城幸也(ユーロップカー) photo:Makoto Ayano最後が追い風だったら良かったんですけれど。あとレース最後の道が真っ直ぐだったのも良くなかった。ジロのとき(逃げ切って3位になった)みたいに道がグネグネしていたら集団の方も追いかけるのに手を焼くんですよ。ロンポワン(旋回式交差点)もあまりなくて、ずーっと真っ直ぐだった。曲がったりすると面白くなったんですが。

あと(一緒に逃げた)二人が下りが下れなくて。普通に下ってたら僕だけひとり抜けだしちゃって、「何やってんだ」って思ってしまいました(笑)まあでも一日楽しかったですね。100kmゆっくり走って残り100km頑張っただけなんです。あまり疲れてはいないですね。補給の前に僕らがゆっくり走ったことで急にタイムが縮まって5分になりましたよね。すると集団が追うのをやめたので僕らもまた上げたんです。残り60、70kmで雨が降ってきて、「さぁ、きたー!」と思って、そこからペースを上げました。

昨夜は暑かったのであまり寝れなかったんです。今日も暑そうですね。少し休んでまたトライします。

コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。

text:Taiko YAMASAKI & Seiya YAMASAKI

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