ジロ・デ・イタリアを完走して帰国した別府史之(グリーンエッジ)を迎えるファンの集いが6月9日に神奈川県江ノ島で行われた。ジロの報告会とロンドン五輪にむけての壮行会、翌日曜には三浦半島を走るファンツーリングが開催された。

トークショーの別府史之 ジロを完走して精悍な顔で現れたトークショーの別府史之 ジロを完走して精悍な顔で現れた ノンフィクション作家の小松成美さんとのトークショーノンフィクション作家の小松成美さんとのトークショー


MCをつとめた日向涼子さんMCをつとめた日向涼子さん ジロ・デ・イタリア凱旋報告&ロンドンオリンピック壮行会
レポートby日向涼子


1日目の様子をレポートしてくれるのは当日MCをつとめたタレントの日向涼子さん。雑誌ファンライド(アールビーズ刊)でのイラストやヒルクライム挑戦記連載でおなじみの日向さん。縁あって初の司会進行を務めた。日向さんのレポートで綴ります。

6月9日、江ノ島アイランドスパで開催された、別府史之選手の『ジロ・デ・イタリア凱旋報告&ロンドンオリンピック壮行会』へ。参加者としてではなく、縁あって兄の始さん(サイクルジャーナリスト&史之選手のマネジャー)よりオファーをいただき、このたび司会進行をさせていただきました。(以下、「フミ」と表記させていただきます)

MCは初体験の私。お初の仕事が、オリンピック選手って! フミって!! し、失敗できないわ~っ!

ゲスト出演をした『Mt.富士ヒルクライム・ウェルカムパーティー』で絹代さんのMC姿を見て、いかに大変なお仕事なのか知っているので、最初は大きなプレッシャーを感じていました。緊張感いっぱいで会が始まりましたが、スタートすると、フミ選手の熱い想い、そして優しく温かい気持ち。会場にいる全ての人間がフミ選手の魅力に引き込まれ、気づけば私もそれに乗っていたように思います。

対談した小松成美さんもフミを激励「ロンドン五輪、期待してます!」対談した小松成美さんもフミを激励「ロンドン五輪、期待してます!」 まずはさっそく「ジロ・デ・イタリア2012 スライドショー」。完走したばかりのジロの名場面を、シクロワイアードでお馴染みのフォトグラファー、辻啓さんの写真で振り返ります。

そしてトークショーは「ジロ・デ・イタリアを振り返って」 ~世界のロード事情から今年のジロ・デ・イタリアまで~ と、ランチを兼ねて「ロンドン・オリンピック、そしてツールに向けて」の2部構成で行われました。
対談相手はノンフィクション作家の小松成美さん。中田英寿やイチローのルポルタージュでも知られる小松さんは、2006年7月にJALの機内誌「SKYWARD」アスリートインタビューで別府選手を初取材し、それをきっかけにフミを応援しているそうです。

フミのTT用スキンスーツフミのTT用スキンスーツ ゴスのジャージやジログッズなどが展示されたゴスのジャージやジログッズなどが展示された ジロ・デ・イタリアで身に着けたゼッケンジロ・デ・イタリアで身に着けたゼッケン


そして、6/10まで大阪・梅田イーマで開催されていた自転車展示イベント、I Love Bicycleの『別府史之選手応援コーナー』にて設置され、関西の皆さんの熱い応援メッセージが記された日本国旗の贈呈式が行われました。その国旗に、今回会場に集まった参加者も応援メッセージを書き込み、フミにプレゼント。
私は書くスペースがなかったのと、『誰かが書けば、みんな続くかな?』と、日の丸部分にメッセージ。
誰も続かず、私のメッセージだけ浮いてしまいましたが...。

会場のファンからも日の丸にメッセージが書き込まれた会場のファンからも日の丸にメッセージが書き込まれた 五輪に向けてファンから送られた寄せ書きの日の丸五輪に向けてファンから送られた寄せ書きの日の丸


ファンから贈られた寄せ書きメッセージ入りの日の丸を手にするフミファンから贈られた寄せ書きメッセージ入りの日の丸を手にするフミ

日本国旗の贈呈後は、別府史之選手が質問に答えるロードバイク講座を開催。フミがグリーンエッジのジャージ姿で再登場すると、会場の全員からはため息にも似たどよめきがおこります。自転車乗りは、ジャージ姿が一番美しいデス。

ロードバイク講座のテーマは、『どうやったら自転車で速く走れるか』ロードバイク講座のテーマは、『どうやったら自転車で速く走れるか』 すらりとした立ち姿がキレイなフミ びっくりするぐらい絞れてますすらりとした立ち姿がキレイなフミ びっくりするぐらい絞れてます 「大事なのは体幹です」 「なるほど!」「大事なのは体幹です」 「なるほど!」


ロードバイク講座のテーマは、『どうやったら自転車で速く走れるか』。最近ヒルクライムにハマっている私としてもぜひ知りたいテーマです。
事前打ち合わせでは「フミと一緒に進行してください」と言われていて、「私のような若輩者が聞くことあるかしら!?」と、内心びくびくしていましたが、まず大切なのは基本のようです。

グリーンエッジのジャージに着替えてロードバイク講座に臨むグリーンエッジのジャージに着替えてロードバイク講座に臨む 「ロードの選手って、脚は思ったほど太くないけど、胴が太いんですよ」。フミいわく、カエル(手脚が細くて胴が太い)のようだと。ほうほう。

「触ってみてください」 えっ!?し、失礼します!(ドキドキ...)
確かにライディングフォームになると、お腹が太くなっていました!

映像や写真でレースを観ていると、「お腹出てない?」と思う選手が時々いたけれど、あれは「ぽっこりおなか」ではなく、体幹が鍛えられているということなんですね! 確かに、あんな過酷なレースを走っていたら、ぽっこりおなかになるヒマはないですよね。

冒頭の映像(これがまた面白かった!)でフミ選手が食べていた食事が紹介されていたけれど、パスタなのにオリーブオイル抜きとか。それでも、さすがはイタリア。ジロ・デ・イタリアの食事は他のレースでの食事よりも美味しいそうです。

他にも補給食のとり方や、ケイデンス、ギアの選択、聞きたいことがいっぱい聞けました。上りでケイデンス90とか、ちょっとマネ出来ませんけど(笑)。たまに脱線もして、みんな爆笑!
ストイックで寡黙なイメージがあったけど(もちろんスイッチ入ったらそうなるのでしょうね)、フミのとってもチャーミングな一面を見ることが出来ました。盛りだくさんな内容に少し時間は押しましたが、無事に終了!

イベント前後では、写真を撮りまくり! あっ、次男の匠さん発見! ご存知、愛三工業レーシングチームの監督です。名監督なのに、とってもおちゃめ!始さん・匠監督・フミ。兄弟3人が自転車にかかわる仕事をして、それぞれがそれぞれの役割をこなし、かつ、兄弟みんな仲良し!
私と妹も仲良しだと言われるけれど、特に仕事で関わっている訳ではないし、仕事が関係していないからこそ、仲良しでいられる気もします。

別府史之とMCをつとめた日向涼子さん(右)別府史之とMCをつとめた日向涼子さん(右) ジロのマスコット、ジルベッコとパワーバージロのマスコット、ジルベッコとパワーバー ジルベッコを胸に、おちゃめな別府匠さんジルベッコを胸に、おちゃめな別府匠さん


でも、妹が自転車を始めるきっかけとなったのは、私と佐渡ロングライドへ行って自転車の楽しさに目覚めたからだし、今回、私がMCをさせていただくことになったのは、妹が所属する自転車部の方が始さんに私を紹介してくださったから。自転車の縁って、本当にすごい!

フミがサイクリング・アンバサダーを務め、私もイベント毎にエントリーさせていただいているタイラー基金のスタッフの方々とも会場でお会いすることができ、更には「一緒に自転車乗りましょう!」とお誘いいただき、感激です!
自転車を通して、色々な方と知り合い、様々な活動を知り、行動範囲が広くなっただけでなく、世界を、視野を広げていただいていることに、感謝の気持ちでいっぱいです。楽しくも暖かい、フミとファンの集いでした。ロンドン五輪では皆の思いを背負って(ちょっとプレッシャー?)、新城選手とともにメダル目指してぜひ頑張ってほしいものです。


別府史之と行く三浦半島ファンツーリング

翌、6月10日(日) には、ファンとフミが一緒に走る「三浦半島ファンツーリング」が行われた。こちらにはCW編集部より綾野が実走取材に伺った。定員20名+αの参加者で、江ノ島アイランドスパから三浦半島先端の城ヶ島を目指した。

三浦半島先端の城ヶ島へ三浦半島先端の城ヶ島へ

天気予報により雨が心配されたため、予定の11時より1時間早めて10時にはツーリングに出発。週末の三浦半島は交通量も多めなので2グループに分割して走りだす。目指すは城ヶ島。初心者歓迎だけれど、往復で約60kmほどあるので、それなりに走る。フミのグループと、同じスコットに乗るトライアスリートの酒井絵美選手のグループに分かれて。

フミと走りながら記念撮影 夢の瞬間ですフミと走りながら記念撮影 夢の瞬間です ファンツーリングを走りながらフミのサインをもらったファンファンツーリングを走りながらフミのサインをもらったファン


天気予報と裏腹に、この日はカンカン照りの夏日。グリーンエッジのジャージを着たフミが先頭を引きながら、でも後ろのファンのことを考えてゆっくりしたペースで走る。
三浦半島はグループライドのメッカ。すれ違う、あるいは追い越すサイクリストたちもたくさん。フミの存在に気づく人、ホンモノとは気づかない人...。

お食事しながらフミとお話お食事しながらフミとお話 タイラー基金のビーズを身に着けたファンのふたりタイラー基金のビーズを身に着けたファンのふたり


参加したファンの中には、昨年所属したレディオシャックのジャージにトレックのバイクで参加した人も。「ジャージも自転車もそんなに毎年買えません(笑)」とか。
そして、フミがアンバサダーとなり活動を支援している小児がんの子どもたちの支援プログラムタイラー基金のビーズを身につけて走る方も。

またとないチャンスだから、フミと一緒に走りながら、そして並走したところを私がパチリ。その記念写真は以下ウェブアルバムでプレゼント。

海辺の食堂で皆でお昼ごはん海辺の食堂で皆でお昼ごはん 城ヶ島の定食屋さんに皆で昼食に入った城ヶ島の定食屋さんに皆で昼食に入った


折り返し地点の城ヶ島では海辺の食堂で以下の丸焼き定食を皆で食べました。帰路はもはや夏の賑わいの湘南海岸の混雑を尻目に、自転車でスイスイと江ノ島に帰着。皆が気持よく日焼けして走りきった。

休憩場所ではリクエストにより得意のウィリーも披露休憩場所ではリクエストにより得意のウィリーも披露 シマノのニュートラルサポートカーがアシストしてくれたシマノのニュートラルサポートカーがアシストしてくれた


フミは今のところツール・ド・フランスには出場せず、予定通りロンドン五輪に向けた調整に入る。ジロ完走後の休養期を使ってのファンサービスに、皆が楽しく満足できた2日間だった。しかしこの後は8月まで厳しいトレーニングが待っている。
始さんと行くロンドンオリンピック2012ロードレース観戦ツアー(トップツアー/外部リンク)も発表された。8月を楽しみに待ちたい。

城ヶ島の海岸で記念撮影城ヶ島の海岸で記念撮影

フォトギャラリー(Google Picasaウェブアルバム)

text: Ryoko HINATA, Makoto.AYANO
photo:Shojiro.NAKABAYASHI, Makoto.AYANO

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