ベルギーはワロン地方で開催された第98回リエージュ~バストーニュ~リエージュは、それまで独走していたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)を最後の坂でかわしたマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)が独走勝利。自身初となるドワイエンヌ制覇を成し遂げた。

サンランベール広場のスタート位置についた別府史之(グリーンエッジ)サンランベール広場のスタート位置についた別府史之(グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji1892年に初開催され今年で110回目の開催となる、「ドワイエンヌ(最古参)」。このリエージュ~バストーニュ~リエージュで春のクラシックシーズンは締めくくられる。「モニュメント」と呼ばれる5大クラシック(ミラノ~サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ~ルーベ、リエージュ、ジロ・ディ・ロンバルディア)の一つとして数えられ、非常にステータスの高い歴史ある大会だ。

無数の上りを含んだコースは非常に難易度が高く、これまでのアルデンヌクラシックよりもクライミング能力と、上りダッシュを繰り返すスプリント力が求められ、ステージレースで活躍するオールラウンダーに向く。

逃げるサイモン・ゲスク(ドイツ、アルゴス・シマノ)ら逃げるサイモン・ゲスク(ドイツ、アルゴス・シマノ)ら photo:Kei Tsuji昨年は圧倒的な爆発力で優勝したフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)は、シーズン序盤の不調から徐々に回復しつつある。ベルギーチャンピオンジャージを着るジルベールは、地元レースで連勝を飾ることができるのか。日本からはフレーシュに続き、別府史之(グリーンエッジ)と土井雪広(アルゴス・シマノ)が出場した。

晴れ間と雲が広がる丘陵地帯を進む晴れ間と雲が広がる丘陵地帯を進む photo:Kei Tsuji雨が降り、非常に厳しいコンディションのリエージュを全25チーム、200人の選手たちがスタートを切った。この日エスケープを敢行したのはダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマクイックステップ)ら6名。このグループはメイン集団に対して最大12分半分のリードを得て先を急ぐ。

メイン集団では先のフレーシュ・ワロンヌ勝利のホアキン・ロドリゲス(スペイン)をエースに据えるカチューシャや、シュレク兄弟擁するレディオシャック・ニッサン勢がコントロールを開始すると、徐々に先頭とのタイム差は縮小していく。

コート・ド・ストックの下りを進むメイン集団コート・ド・ストックの下りを進むメイン集団 photo:Kei Tsujiそんな中、集団からまず最初の動きを見せたのはユーロップカー。直前のジロ・デル・トレンティーノで好調を見せていたピエール・ローラン(フランス)が抜けだすと、ここにヴァシル・キリエンカ(モビスターチーム、ベラルーシ)とダヴィド・ルレイ(フランス、ソール・ソジャサン)が合流。先頭グループに追いつくと、やがて追いつくであろうチームのエースのため逃げ集団で待機する。

観客が詰めかけたサンロシュを登る観客が詰めかけたサンロシュを登る photo:Kei Tsujiロット・ベルソル勢がリードする集団は徐々にペースを上げ、残り35地点の「コート・ド・ラ・ルドゥット」で活性化。BMCレーシングチームが先頭でペースを上げると後方ではアレハンドロ・バルベルデがメカトラを喫して後退。スピードの上がったメイン集団に以後追いつくことは無かった。

BMCがコントロールするメイン集団の人数は30名ほど。やがて人数を減らしていた先頭グループを飲み込む形で、ゴール20km手前に控える「コート・ド・ラ・ロッシュ・オ・フォーコン(長さ1.5km・平均勾配9.3% )」へと突入した。

コート・ド・ラ・ルドゥットを登るピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)コート・ド・ラ・ルドゥットを登るピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー) photo:Kei Tsujiこのフォーコンでついに本命が動く。ヴィンチェンツォ・ニーバリがアタックを仕掛けると、ここにジルベール、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)、トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)など数名が合流し、精鋭グループを形成。さらに頂上通過後の下り区間でニーバリが仕掛けると、牽制状態になったメイン集団は動きを見せず。得意のダウンヒルでニーバリが単独アタックを成功させた。

低く前傾姿勢を取り、ぎりぎりのラインでダウンヒルを攻め続けるニーバリは、30秒ほどの差をもって1人逃げ続ける。その後方では複数名の選手を残すアスタナや、カチューシャが代わる代わる追走を試みるものの、いずれも決定力を欠く。

膠着状態が続いたメイン集団からは残り10kmを切ると、ホアキン・ロドリゲスと、マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)の2人が抜け出すことに成功。この日最後の難所である「コート・ド・サンニコラ」へと単独で突入するニーバリ。しかし思ったようにペースが上がらない。ロドリゲスを切り離したイグリンスキーとの差が徐々に詰まっていく。

残り1kmのアーチ手前、リエージュの街並みを上る緩斜面でついにイグリンスキーがニーバリに追いつくと、残していた力の差は大きかった。勢いを維持してニーバリを突き放すと、何度もガッツポーズを繰り返しながら、そのまま独走でゴールへと飛び込んだ。

独走でゴールにやってきたマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)独走でゴールにやってきたマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) photo:Kei Tsuji

何度もガッツポーズを繰り返すマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)何度もガッツポーズを繰り返すマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) photo:Kei Tsujiニーバリが失意の表情で単独2位ゴールを迎えたその後ろでは、3位争いのスプリント勝負が繰り広がられる。トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)を僅差で破った好調エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)が先着した。ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・バラクーダ)が5位、ジルベールは1分27秒遅れの16位に終わった。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2012表彰台リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2012表彰台 photo:Kei Tsujiサブエースとして出場したイグリンスキーの力強い独走勝利。アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)以来となる、3度目のカザフスタン選手による勝利となった。

3位のエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)とマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)が握手3位のエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)とマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)が握手 photo:Kei Tsujiモニュメントの制覇という、自身のキャリアに最大の歴史を刻んだイグリンスキー。「最終版にアタックしたときは優勝ではなく、実は2位を目指していたんだ。けれど追いついた時ニーバリには勢いが無く、迷わずそのままゴールへ向かった。石畳のクラシックで成績を残せると思っていたけれど、こんな上りが続くレースで勝つことができるなんて思わなかったよ。ツールではヴィノやヤネス・ブライコヴィッチをアシストするんだ。」とコメントした。

「完全出し切り。前半はアタックし、その後はアレックスのアシストとして最後の勝負所まで風よけになり、ボトルや補給食を運んだ。 いやー満足。もうこれ以上ないって言うぐらい追い込めた。 今にも倒れそうな勢いです。応援ありがとうございました」(土井雪広)

「今日はチームのオーダー通り前半から動いてチームの仕事をしながら走った。 コンディションは悪くはないけれど今日はハードなレースだった。明後日から始まるツール・ド・ロマンディでは良い走りがしたい。」(別府史之)とTwitter上で語る日本人選手両名はアシストとしての仕事をこなし、途中リタイア。土井はすぐに帰国し、全日本選手権に出場する。別府の次戦は24日から開幕するツール・ド・ロマンディだ。


リエージュ~バストーニュ~リエージュ2012結果
1位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 6h43'52"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +21″
3位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ) +36″
4位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
5位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・バラクーダ)
6位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
7位 サミュエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
8位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
9位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)
10位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)


text:So.Isobe
pfoto:Kei.Tsuji
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