かつての名門Tモバイルの強靭さを残しつつ、新たな体制で進化を続けるチームコロンビア・ハイロード。怪童カヴェンディッシュ(イギリス)らのスプリント勝利に目が行きがちだが、今シーズンはモンフォール(ベルギー)の加入によって総合力が増した。16カ国の選手が集う多国籍なチーム編成は相変わらずだ。

新ジャージで09年シーズンに挑むチームコロンビア新ジャージで09年シーズンに挑むチームコロンビア photo:チームコロンビア2008年に85勝を飾った常勝チーム、チームコロンビア。メインスポンサーはコロンビア社に変わりないが、ボブ・ステプルトン氏が代表を務めるチームのマネジメント会社「ハイロードスポーツ」の名をチーム名の末尾に追加し、正式名称は「チームコロンビア・ハイロード」に。

2009年はゲルデマン(ドイツ)やチオレック(ドイツ)が抜けたものの、体制に大きな変化は無い。新たに加わるのは、2007年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合11位、2008年バスク一周総合5位、ドーフィネ・リベレ総合9位のマキシム・モンフォール(ベルギー)や、ツール・ド・スイスでの活躍が光るミハエル・アルバジーニ(スイス)、そして若手スプリンターとして期待させるマーク・レンショー(オーストラリア)だ。

今シーズンのグランツールでは、2006年ツール・ド・フランス総合9位のロジャース(オーストラリア)やキルシェン(ルクセンブルク)、ロヴクヴィスト(スウェーデン)が再び総合争いに加わるだろう。モンフォールの加入は総合を狙うチームにとっては朗報だ。これらの選手はクラシックレースでの活躍も期待される。

強烈な加速が武器のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)強烈な加速が武器のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス) photo:CorVos3度のタイムトライアル世界チャンピオン経験者のロジャースは、落車や単核症で近年ツキに見放されていたが、1月8日に開催されたオーストラリアのナショナル選手権タイムトライアルで優勝。ロードレース2位で惜しくもダブルタイトルを逃したものの、順調なシーズンスタートを切っている。

スプリントの面では、相変わらずの強力なラインナップ。昨シーズンのツールでステージ4勝、ジロでステージ3勝の強烈なデビューを果たしたカヴェンディッシュを中心に、平坦コースで真価を発揮するマッチョな選手が名を連ねている。レンショーの加入でコロンビアトレインは更に屈強なものになる。また、かつてツールでマイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)を6年連続で獲得し、昨シーズンで引退したツァベル(ドイツ)が、スプリント指導のためチームに携わることに。

前述のロジャースに加えて、チームには現世界王者のグラブシュ(ドイツ)や、若き才能マルティン(ドイツ)など、独走力に長けた選手が揃っている。ステージレースのチームTTではその真価を発揮することだろう。

チームが使用するバイクは、Tモバイル時代から継続していたジャイアントからスコットにスイッチ。青色だったチームジャージは、白ベースの筋肉デザインに変更されている。チームはマヨルカでのトレーニングキャンプを終え、昨年グライペルが総合優勝を飾ったツアー・ダウンアンダーでシーズンをスタートさせる。

2009年メンバー
ミハエル・アルバジーニ(スイス)リクイガス
マキシム・モンフォール(ベルギー)コフィディス
マーク・レンショー(オーストラリア)クレディアグリコル
ヘルト・ドックス(ベルギー)チームコロンビア・スタジエール
マイケル・バリー(カナダ)
マークス・ブルグハート(ドイツ)
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)
ベアト・グラブシュ(ドイツ)
アンドレ・グライペル(ドイツ)
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)
アダム・ハンセン(オーストラリア)
グレゴリー・ヘンデルソン(ニュージーランド)
ジョージ・ヒンカピー(アメリカ)
キム・キルシェン(ルクセンブルク)
クレイグ・ルイス(アメリカ)
トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン)
トニ・マルティン(ドイツ)
マルコ・ピノッティ(イタリア)
モーリス・ポッソーニ(イタリア)
フランティセク・ラボン(チェコ)
ビセンテ・レイネス(スペイン)
マイケル・ロジャース(オーストラリア)
マルセル・シーベルグ(ドイツ)
カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ)


離脱した選手
ゲラルド・チオレック(ドイツ)チームミルラム
スコット・デーヴィス(オーストラリア)?
リーナス・ゲルデマン(ドイツ)チームミルラム
ロジャー・ハモンド(イギリス)サーヴェロ・テストチーム
アンドレアス・クリアー(ドイツ)サーヴェロ・テストチーム
セルファイス・クナーフェン(オランダ)チームミルラム
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)チームガーミン・スリップストリーム