昨シーズン全日本2位の丸山厚(京都MASSA-FOCUS-SUPER B)がスタートから先頭。2位に1分47秒差をつけて圧倒。完全フラットコースの堺は、終日たくさんの人出でにぎわった。

深い砂場にてこずる深い砂場にてこずる photo:Hideaki.TAKAGIC1 序盤からリードする丸山厚(京都MASSA-FOCUS-SUPER B)C1 序盤からリードする丸山厚(京都MASSA-FOCUS-SUPER B) photo:Hideaki.TAKAGIC1 2番手で競り合う入江克典(シマノドリンキング)、伊澤優大(岩井商会レーシング)C1 2番手で競り合う入江克典(シマノドリンキング)、伊澤優大(岩井商会レーシング) photo:Hideaki.TAKAGIC1 表彰C1 表彰 photo:Hideaki.TAKAGI前日まで珍しく降り続いた雨も夜半にはやみ、当日は曇りから次第に晴れ。例年は寒風吹きすさぶ堺だが、風もなく10度以上の気温で日差しのあるときは暖かいほど。

1月22日(日)、関西シクロクロス第9戦みなと堺グリーン広場が大阪府堺市で行われた。会場は株式会社シマノ本社からわずか6kmほど海側へ行った場所。シマノドリンキングはじめ多くの関係者が前日の設営から協力。

堺のコースは完全フラット。一部松林など場所が1mほど小高いが、ほぼ全面に渡る芝と一部砂場のコース。その砂場も適度に掘り返されて十分に深い。選手たちからは、一様に芝が重いとの声が。砂場もラインができて走りやすい区間と、深くえぐられて降りざるを得ない場面とがある。
総じてテクニカルな場面は少なく、力勝負のコース。急なのぼりや下り、泥やキャンバーもないので初心者でも挑戦しやすいものだ。

1週間後の世界選手権へ向けて代表選手は全員が渡欧しているので、選手たちにとっては「平穏」なステージだ。上位争いもだが、次シーズンへの現カテゴリー残留を賭けての戦いも始まっているのだ。

貫禄を見せた丸山厚

C1には丸山が登場。丸山は昨シーズンの全日本選手権で2位、世界選手権へも出場している。ジュニア時代には宮澤崇史(現・チームサクソバンク)らとともに世界選手権にも出場しているキャリアの長い選手だ。

スタートの直線こそ中原義貴(Team MX/STORCK)が先頭で抜けるが、ほどなく丸山が先頭へ。スタート2分後には先頭から丸山、中原、伊澤優大(岩井商会レーシング)、入江克典(シマノドリンキング)、飯野嘉則(シマノ)、矢野大介(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)の並びに。

先頭の丸山は特に砂場区間でペースが落ちずスムーズにクリア。後続との差を広げる。久しぶり出場の入江はスタート位置は20番手ほど。しかしすぐに押し上げて2番手争いに加わる。中原が次第に下がり、先頭独走の丸山を、入江、伊澤、飯野の3人が追う展開に。

丸山のペースは5分40秒前後と衰えず、いっぽうで2位争いから飯野が下がり、そして入江も下がって伊澤が単独2番手に。丸山は結局2位の伊澤に1分47秒の大差をつけて圧勝。

丸山のさすがの強さが光ったが、驚きは入江だ。昨シーズンもだがレースにはあまり出ていない。トレイルランに打ち込んでいる入江は、久しぶりに出て表彰台に上がり「(C1カテゴリー)残留を賭けて走りました」と話すと会場から喝采が。

丸山は「まずは優勝したかったのでよかったです。このコースは平坦基調なのでパックのほうがいいと思ったが、後ろが離れていったのでそのまま行った。竹ノ内選手と辻浦選手に負けないよう、世界選手権出場を目指し、来シーズンに向けて整えて頑張りたい。次の桂川で彼らと走れたら楽しみですね」と語る。

CL1はスタート直後は上田順子(TEAM884獣遊/シルベスト)が先頭に立つがその後は福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学)が先頭を独走。2位に1分59秒差をつけ圧勝した。

CL1 トップ独走の福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学)CL1 トップ独走の福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学) photo:Hideaki.TAKAGICM1 三船雅彦が序盤から独走CM1 三船雅彦が序盤から独走 photo:Hideaki.TAKAGI


CL2 優勝の坂口楓華(稲美中学校陸上競技部)CL2 優勝の坂口楓華(稲美中学校陸上競技部) photo:Hideaki.TAKAGIC3A 優勝の西村隆幸(のぼこん/宝塚線)C3A 優勝の西村隆幸(のぼこん/宝塚線) photo:Hideaki.TAKAGIC3B 優勝の日野竜嘉(西条市立小松中学校)C3B 優勝の日野竜嘉(西条市立小松中学校) photo:Hideaki.TAKAGI


結果
C1
1位 丸山厚(京都MASSA-FOCUS-SUPER B)1時間02分12秒
2位 伊澤優大(岩井商会レーシング)+1分47秒
3位 入江克典(シマノドリンキング)+2分10秒
4位 飯野嘉則(シマノ)+2分44秒
5位 山本聖吾(スワコレーシングチーム)+2分46秒
6位 松井正史(シマノドリンキング)+3分40秒

CL1
1位 福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学)38分03秒
2位 上田順子(TEAM884獣遊/シルベスト)+1分59秒
3位 埜真賢美(Teamクルーズ)+3分38秒

CM1
1位 三船雅彦 41分59秒
2位  ビンセント・フラナガン(八ヶ岳CYCLO CROSS)+41秒
3位 吉中和彦(ユーロワークス)+1分38秒


photo&text:高木秀彰
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