インコのロードレース観戦「ココに萌えっ!」が帰ってきた。2011年のレースシーンから、がめんださんこと"インコ"が超個人(鳥?)的興奮度で選ぶ名シーンの数々。2011年の楽しい「萌え」プレイバックをどうぞ!

2011年いろいろありましたね…。お久しぶりですインコのがめんだです!本格的なロードレースシーズンが始まる前に、個人的に印象に残った去年の出来事をざっくり振り返ってみたいと思いまっす。

まずはツール・ド・フランスの第19ステージ。『ロランがラルプデュエズを制す!アンディがマイヨジョーヌ獲得!』
ジロであれほど強かったコンタドールが、前日のガリビエでの遅れを取り戻すべく大逃げを試みるも、最後はロランとサンチェスにつかまってしまうというステージですが、このステージの主役はステージ優勝をしたロランではなく、同じチームのエース、ヴォクレールなのではないかと。

ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着たヴォクレールとそれを助けたロランの行動はただただ美しかったツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着たヴォクレールとそれを助けたロランの行動はただただ美しかった illustration:がめんだ

この日までマイヨジョーヌを文字通り死ぬ気で守り続けたヴォクレールが、自らの限界を認め、かつ、アシストであるロランに「チャンスをつかめ。僕のことは気にするな。」と言ったこと!この言葉を聞いてロランは飛び出し、最終的にはステージ優勝までしてしまうという。いやはや、なんとも心あたたまるエースとアシストのお話ではありませんか。もちろんこれまでのステージ、ロランのアシストなしではマイヨジョーヌのキープも難しかったでしょうから、ロランへの感謝の気持ちもあったのではないかと。

そんなヴォクレールからマイヨジョーヌを引き継いだアンディですが、最終日前日の個人TTではエヴァンスにやぶれ、またしても総合2位に。ゴールする時のなんともいえない悲しい顔が…。そして苦節ウン年、やっとエヴァンスがツール総合優勝!コメントもツールでのエヴァンスをよく表しているなと。「全チームを相手にちょっとした防戦体制に入ってしまい、初めて攻勢に出たのが最後のタイムトライアルだったんだ。」苦労人が栄光を手にする瞬間というのは、これまた感慨深いものがありますね。

それと引換えに辛いステージも。第9ステージでは落車と事故が多発! 落車で骨盤を骨折したヴィノクロフのリタイヤも辛いですが、レース中にまさか自動車と自転車の衝突事故を目撃してしまうなんて。事故に巻き込まれたにも関わらず、レース続行するフレチャ、フーガーランドの精神力には脱帽!

次はブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージ。『総合トップ2の互いに譲らぬ一騎打ち!フルームが直接対決を制すもマイヨロホはコーボが死守』このステージは山岳上りゴールで、残り1キロ地点からマイヨロホのコーボが前へ。これをフルームが抜いて、一度は千切れたコーボがふたたび抜いたものの、これをさらにフルームが抜き返すという、逆転の逆転がおもしろかったステージ。去年のブエルタも総合トップ2のニーバリとモスケーラが最後の勝負ステージでガチンコバトルを繰り広げていましたね。個人的には勝負しなければいけない者同士がバチバチに争ってくれる局面は大好きなので、近年のブエルタは見応えがあって興奮します!

ブエルタ2011 マイヨロホをめぐるコーボとフルームのスリリングな激闘ブエルタ2011 マイヨロホをめぐるコーボとフルームのスリリングな激闘 illustration:がめんだ

気になるのは、第11ステージで4年連続ステージ優勝を飾ったモンクティエ(おまけに4年連続で山岳賞まで獲得)よりも、前々日のタイムトライアルでアシストであるはずのフルームのほうが成績が上で、さらにマイヨロホを獲得したにも関わらず、次のこの11ステージではエースであるウィギンスのアシストをしていたこと。チーム戦術的にはエースはウィギンスだからということなんでしょうが、もしここでフルームをエースに変更していたらどうなっていたかな?とかね。妄想するとちょっとドキドキっ。

あとは第19ステージで、諦めずに攻撃をしかけるフルームにぴったりついていくコーボ。今年のコーボは走りがキレてる!でもこのステージはアントンに決まり!バスク人がバスク地方ゴールで勝利するのは、実に33年ぶりなんだとか。


次はジロ・デ・イタリア第3ステージ。『ボッコ峠の下りで落車したウェイラントが死去』レース中の、しかもライブ映像で目撃してしまったウェイラントの落車したあとの姿。…言葉が出ませんでした。嫌な予感にとらわれたままレース中継は終了。その後のニュースでウェイラントが帰らぬ人となってしまったことを知り、今度は涙が止まりませんでした。残された家族はどうなるのか?そしてジロはどうなるのか?こんな状態でみんな走り続けることができるのか?!

落車事故で帰らぬ人となったウェイラント 安らかにお眠り下さい落車事故で帰らぬ人となったウェイラント 安らかにお眠り下さい illustration:がめんだ

事故の翌日、第4ステージ。『ウェイラントへ捧げる追悼ニュートラル走行 レオパード・トレックはジロを去る』この判断と行動に、またまた涙が溢れて止まりませんでした。選手、チーム、主催者、そして沿道でやさしく応援する観客。こんなレース初めて見ました。みんなの心が一つにまとまってゆっくり進んでいく姿は、とても綺麗だったけれど、これが最後でありますように。そしてジロ主催者はウェイラントが付けていたゼッケン108番を永久欠番にすることを決定しました。

ジロ全体ではコンタドールが別格の強さで、2位争いをスカルポーニとニーバリのイタリア人コンビが繰り広げていたり、逃げに乗ったフミがフーガ賞を獲得したりと、見どころも満載でしたね!


国内レース編

国内レースも今年は盛りに盛り上がってました!中でもJプロツアー第14戦・第45回経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップがすごかったっ。『マトリックス・ガロッファロが実業団チャンピオンに』まぁ?あなた、まぁ?? ほんとに、これだけテキストライブだけで盛り上がれる展開なんて、そうそうないですよ?!詳しい展開は記事のほうを読んでいただくとして、ここまでの物語が今年はまた素晴らしかった。シマノ畑中とブリッツェン増田の戦い。細かいことを語りはじめると長くなるので割愛しますが、国内レースでもこれだけシリーズを通してドキドキわくわくの展開が見れるなんて幸せですね?!

経済産業大臣旗ロード2011 ルビーレッドジャージをめぐるシマノ畑中とブリッツェン増田の戦い経済産業大臣旗ロード2011 ルビーレッドジャージをめぐるシマノ畑中とブリッツェン増田の戦い illustration:がめんだ

そして最終戦となる次の第15戦では、これまた誰も予想し得なかった展開が。正直、号泣してしまいました…。


番外編『インコの喜びと悲しみ』

番外編として個人的なトップニュースを。今年のロードレースニュースの中で一番興奮したことといえばこれ!ダニーロ・ディルーカがサイクルモードに来た!でしょうか。漢200%の走りでハート鷲掴みにしてくれる伊達男の来日に、思わず九州から飛んでいってしまいました。その時の珍道中はこちらに。

来日してくれた"キラー"ディルーカの視線にイチコロのインコ来日してくれた"キラー"ディルーカの視線にイチコロのインコ illustration:がめんだ

それから一番悲しかったニュースは、せっかくジャパンカップ応援用に描いて持って行っていた横断幕を、ホテルに忘れてきてしまったこと。古賀志林道で、「さぁ広げて応援するぞ」と鞄を開いてブツが見当たらなかった時の悲しさといったらもう…。

ジャパンカップで古賀志林道に飾ろうとした応援バナー。見事にホテルに忘れました...ジャパンカップで古賀志林道に飾ろうとした応援バナー。見事にホテルに忘れました... illustration:がめんだ

ちなみに横断幕を描いている時点で、増田成幸がジャパンカップに出場しないことは分かっていたのですが(何を隠そう、Jプロツアー第15戦のテキストライブを見て号泣しながら描いていた)今年の彼の走りを見ていたら、描かずにはいられなかったのです。あぁ、本当に古賀志でお披露目できなかったのが残念です。


そんなこんなで2011年ロードレースシーンを振り返ってみましたが、2012年度も盛り上がること間違い無し! みんなで応援しましょう!!

illustration&text:がめんだ