前日の第16ステージで同じノルウェー出身の世界チャンピオンに破れて2位に終わったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が再びエスケープ。ボアッソンは終盤の2級山岳で独走に持ち込む貫禄の走りで今大会2勝目をマークした。また同時に総合争いも加熱。ディフェンディングチャンピオンのアタックがレースをかき回した。

第17ステージ・コースプロフィール第17ステージ・コースプロフィール image:A.S.O.本格的なアルプス初日にあたる第17ステージは、フランスのガップをスタートし、2級山岳モンジュネヴル峠を越えてイタリアへ。スキーリゾート地の1級山岳セストリエールを経て、イタリアのピネローロまでダウンヒルする179kmだ。

アルプスに抱かれたセール・ポンソン湖を通過アルプスに抱かれたセール・ポンソン湖を通過 photo:Cor Vos超級山岳の頂上ゴールが設定された第18・19ステージと比較すると、コース全体の難易度は低め。だがゴールの8km手前には標高差537mの2級山岳プラマルティーノ峠が設定されている。木々に覆われたこのパンチ力のある登り、そしてテクニカルな下りが勝敗を分けた。

この日もレース序盤1時間の平均スピードが51.3km/hに達するハイスピードな展開。逃げが形成されたのは50km地点。サンディ・カザール(フランス、FDJ)やマーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)、シルヴァン・シャヴァネル(フランス、コフィディス)、そしてボアッソンを含む14名が先行した。

逃げグループを形成するサンディ・カザール(フランス、FDJ)やエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)逃げグループを形成するサンディ・カザール(フランス、FDJ)やエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Cor Vosイタリア国境に向けて徐々に高度を上げながら、先頭グループは最大8分近いリードをたたき出す。積極的に山岳ポイントを狙ったのはシャヴァネル。合計18山岳ポイントを獲得したシャヴァネルは山岳賞4位に浮上している。

81.5km地点のスプリントポイントはカザールが先頭通過。メイン集団からはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)が抜け出し、スプリントポイントを15番手で通過して1ポイントを獲得。1ポイントたりとも無駄にしないというマイヨヴェールへの意気込みを見せた。

1級山岳セストリエールを先頭で登るルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)1級山岳セストリエールを先頭で登るルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル) photo:Makoto Ayanoイタリア入国後、1級山岳セストリエールの登りが始まると、メイン集団からは総合ジャンプアップを狙うケヴィン・デウェールト(ベルギー、クイックステップ)とニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)、そして落車で時の人となったジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)が飛び出す。

一方の先頭グループでは、セストリエールの頂上まで数キロを残してルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)がアタックを仕掛けて独走。ペレスは13名の逃げグループを1分、デウェールトを含む追走グループを2分、そしてユーロップカーがコントロールするメイン集団を7分45秒引き離してセストリエールを通過。

ユーロップカーがコントロールするメイン集団がセストリエールを登るユーロップカーがコントロールするメイン集団がセストリエールを登る photo:Makoto Ayano長いダウンヒル区間をひたすら先頭で駆け抜けたペレスはこの日の敢闘賞に。しかしゴールの8km手前に位置する平均勾配6%・登坂距離6.7kmの2級山岳プラマルティーノ峠で失速してしまう。ペレスに追いついた逃げグループからはシャヴァネルがアタックを仕掛け、カウンターアタックで飛び出したボアッソンが独走に持ち込む。

プラマルティーノ峠を10数秒のリードでクリアしたボアッソンは、そのままテクニカルなダウンヒル区間へ。木々に覆われた暗い下りに後続の選手たちが手こずる中、ボアッソンは持ち前のテクニックと独走力でピネローロに向かって猛進。最終的に後続を40秒引き離す力走で、余裕のガッツポーズを決めた。

2級山岳プラマルティーノ峠でペースを上げるイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)2級山岳プラマルティーノ峠でペースを上げるイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Cor Vosノルウェー人による2日連続アルプス山岳ステージ制覇。しかもいずれも逃げ切りによるもので、今度は前日ステージ2位のボアッソンが勝利。わずか2名しか出場していないノルウェー勢がそれぞれステージ2勝を飾るという快進撃。

ボアッソンは「トル(フースホフト)と同様に、今年はチャンスのある逃げにうまく乗ることができている。2人のノルウェー人は本当にコンディションが良い。2人でステージ4勝。ノルウェーにとって信じられない成果だ」と母国の活躍を喜ぶ。

2級山岳プラマルティーノ峠の下りを先頭でこなすエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)2級山岳プラマルティーノ峠の下りを先頭でこなすエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Cor Vos「昨日は惜しかった。だから今日は何としても独走に持ち込んで勝ちたかった。素晴らしい瞬間だ。数週間前からこのステージに目を付けていて、そして勝った。本当に凄い」。

ボアッソンはプラマルティーノ峠の下りを予習していたと言う。「最後のダウンヒルはとてもテクニカルだった。でも今朝チームバスで下りのビデオを見たので、全てのコーナーを把握できている気分だったんだ」。

独走でピネローロのゴールに飛び込むエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)独走でピネローロのゴールに飛び込むエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Makoto Ayanoチームリーダーのブラドレー・ウィギンズ(イギリス)を落車で失ったチームスカイにとってもこれがステージ2勝目。第6ステージの集団スプリントを制した24歳ボアッソンが、再び勝つべくして勝った。チームはリゴベルト・ウラン(コロンビア)のマイヨブランを守ることに成功している。

一方、7分遅れでプラマルティーノ峠に突入したメイン集団では、コンタドールが再び飛び立った。前日同様、ゴール直前の2級山岳で攻撃に出たコンタドール。鋭いアタックで数回飛び出したが、メイン集団を完全にブレイクすることはできない。

2級山岳プラマルティーノ峠の下りで飛び出したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)2級山岳プラマルティーノ峠の下りで飛び出したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)とサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:Cor Vosするとテクニカルな下り区間でコンタドールが再度アタック。コンタドールはサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)と2人で抜け出し、後続を引き離してゴールに向かう。対してシュレク兄弟とエヴァンスは協力してコンタドールとサンチェスを追撃。マイヨジョーヌのヴォクレールは登りでライバルに食らいつくも、下りでオーバーランしてタイムを失ってしまった。

結局シュレク兄弟らはコンタドールとサンチェスを吸収してゴール。マイヨジョーヌのヴォクレールと、総合トップ10圏内のトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)、そしてイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)はメイン集団から27秒遅れた。

ヴォクレールはマイヨジョーヌを守ったが、エヴァンスとの総合タイム差は1分18秒、フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)との差は1分22秒に。徐々に山岳ステージでその貯金を削っている。「失ってはいけない場所でタイムを失ってしまった。昨日は登りで限界を感じ、そして今日は下りで限界を感じた。明日が厳しい闘いになるのは間違いない。登れているが、決して十分とは言えない。全長6kmの登りと(翌日の)35kmの登りは話が違うんだ」。ヴォクレールは挑戦を続けるが、マイヨジョーヌを失う日が近いことを悟っている。

選手コメントはレース公式サイトより。

ツール・ド・フランス2011第17ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)     4h18'00"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)              +40"
3位 サンディ・カザール(フランス、FDJ)               +50"
4位 ジュリアン・エルファレ(フランス、コフィディス)
5位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)
6位 デミトリ・フォフォノフ(カザフスタン、アスタナ)        +1'10"
7位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、リクイガス・キャノンデール)
8位 デミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、レディオシャック)
9位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)     +1'15"
10位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ・DCM)     +2'20"

17位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)   +4'26"
18位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)
19位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
20位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
22位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
24位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
28位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)        +4'53"
30位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
31位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

個人総合成績 マイヨ・ジョーヌ
1位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)       73h23'49"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)  +1'18"
3位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)  +1'22"
4位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)  +2'36"
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)       +2'59"
6位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)+3'15"
7位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)         +3'34"
8位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)   +3'49"
9位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)     +6'04"
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)        +7'36"

ポイント賞 マイヨ・ヴェール
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)        320pts
2位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)              285pts
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)        250pts

山岳賞 マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ
1位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)       74pts
2位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)             72pts
3位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)                    45pts

新人賞 マイヨ・ブラン
1位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)            73h31'25"
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)              +59"   
3位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)              +2'27"

チーム総合成績
1位 ガーミン・サーヴェロ                       219h41'46"
2位 レオパード・トレック                         +5'27"
3位 アージェードゥーゼル                          +8'04"

敢闘賞
ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)

text:Kei Tsuji
photo:Makoto Ayano, Cor Vos
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