2009年4月27日、立命館大学草津キャンパスにおいてワールドサイクルカップ春季Ritsクリテリウムが開催され、カテゴリー1は2人逃げを成功させた岡豊洋(トレック・マルコポーロ)が優勝。全日本学生選手権クリテリウム大会は鹿屋体育大学がチーム力を発揮し、2年生の吉田隼人がレースを制した。

立命館大学草津キャンパスの周回コースを駆け抜ける立命館大学草津キャンパスの周回コースを駆け抜ける photo:Kei Tsuji京都府自転車連盟が主催する「春リッツ」として関西では馴染み深いこのレース。一般参加者が約630名、併催の全日本学生選手権クリテリウム大会に約150名が参加する春のビッグレースだ。

コースは立命館大学草津キャンパス構内を回る1周2.1kmの周回で、高低差は10mほどしかなく、最終ストレートはなだらかな上り。春の陽気はどこへやら、レース当日は生憎の冷たい雨に見舞われた。
22歳の岡が逃げを決める

快調にリードを広げる田畔嘉人(FUKADAまじりんぐ)と岡豊洋(トレック・マルコポーロ)快調にリードを広げる田畔嘉人(FUKADAまじりんぐ)と岡豊洋(トレック・マルコポーロ) photo:Kei Tsuji実業団東日本ロード@群馬CSCやMTBジャパンシリーズ@八幡浜と開催日が重なったため、カテゴリー1は例年より少なめの42名でスタート。レースは3周目で田畔嘉人(FUKADAまじりんぐ)と岡豊洋(トレック・マルコポーロ)のアタックが決まった。

協力してハイペースで逃げる田畔と岡に対し、メイン集団は散発的なアタックによってスピードが上がらない。トラクターRCや秋田謙(Sagittario)らのアタックは、逃げる岡のチームメイトである衣本始司(トレック・マルコポーロ)がことごとく封じ込めた。

メンバー4名を揃えるトラクターRCが集団牽引メンバー4名を揃えるトラクターRCが集団牽引 photo:Kei Tsujiメンバーを揃えるトラクターRCがメイン集団を牽引するも、レース終盤にタイム差は1分に。逃げを成功させた2人は最終ストレートでスプリントを繰り広げ、岡が先着。メイン集団は秋田謙を先頭に40秒遅れでゴールした。

今年から中村弦太、佐々木優也、竹之内悠とともにUCI(国際自転車競技連盟)コンチネンタル登録のトレック・マルコポーロ・サイクリングチームに所属する岡は、京都産業大学に通う22歳。先月行なわれた西日本チャレンジサイクルロードレースのアンダーで2位に入っている。表彰台では京都産業大学チームの監督を務める秋田謙と、互いにライバル心むき出しのコメントで沸かせた。

学生クリテは鹿屋体育大学が支配

レース1周目から鹿屋体育大学がメンバーを揃えて先頭へレース1周目から鹿屋体育大学がメンバーを揃えて先頭へ photo:Kei Tsuji併催の全日本学生選手権クリテリウム大会は、2周回ごとに設定されたポイントの獲得数によるポイントレース形式で争われ、予選2組から勝ち上がった50名で決勝が行なわれた。

決勝に7名を残した昨年の優勝チーム鹿屋体育大学が序盤から集団前方を固め、2年生の吉田隼人が序盤からポイントを連取。鹿屋体育大学から5月に日本競輪学校入学予定の角令央奈(2006年大会2位)も応援に駆けつけ、鹿屋ジャージを着て元チームメイトたちに檄を飛ばした。

鹿屋体育大学の元チームメイト角令央奈に見守られながら吉田隼人らがスプリント鹿屋体育大学の元チームメイト角令央奈に見守られながら吉田隼人らがスプリント photo:Kei Tsuji昨年大会の覇者である3年生の内間康平らのアシストを受けた吉田は、レース半分経過時ですでに19ポイントを獲得。木守望(京都産業大学)や堀内俊介(中央大学)が応戦したが、鹿屋体育大学の鉄壁の守りを崩すことは出来なかった。

最後までリードを守りきった吉田はポイント2倍の最終スプリントに絡まず集団後方でゴール。鹿屋は大会3連覇を果たした。最後のスプリントで先着した飯野智行(中央大学)は、木守を抜いて2位にジャンプアップした。

学生クリテ女子で鹿屋体育大学の2人を下した石井愛(立命館大学)学生クリテ女子で鹿屋体育大学の2人を下した石井愛(立命館大学) photo:Kei Tsuji学生クリテ女子はポイントレース形式ではなく7周のロードレースで行なわれ、昨年表彰台を独占した鹿屋体育大学が積極的にレースを進めた。

鹿屋の早坂ありさと川又千裕が4名の先頭グループ(1名は登録女子)を牽引して後続を引き離す。しかし最終ストレートで繰り広げられたスプリントで先頭に立ったのは、ホストチームである立命館大学の石井愛。鹿屋が大会7連覇を逃すとともに、石井が昨年4位の雪辱を果たした。

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カテゴリー1(2.1km x 20周)Ave.41.83km/h
1位 岡豊洋(トレック・マルコポーロ)1h00'14"
2位 田畔嘉人(FUKADAまじりんぐ)
3位 秋田謙(Sagittario) +40"
4位 太田貴明(ストラーダレーシング)
5位 大永剛志(トラクターRC)
6位 臼澤光太郎(トラクターRC)
7位 松田浩輝(トラクターRC)
8位 塩貝哲夫(ナカガワAS・K'デザイン)
9位 佐竹亮太(パナソニックレーシング)
10位 岡崎陽介(トラクターRC)

第11回全日本学生選手権クリテリウム大会男子決勝(2.1km x 20周)
1位 吉田隼人(鹿屋体育大学)29pts
2位 飯野智行(中央大学)19pts
3位 木守望(京都産業大学)16pts
4位 堀内俊介(中央大学)14pts
5位 十時正嗣(早稲田大学)10pts
6位 続谷利次(早稲田大学)9pts
7位 中根英登(中京大学)5pts
8位 元砂海人(環太平洋大学)3pts
9位 清水一弘(中央大学)2pts
10位 廣浦典也(京都産業大学)1pt

第11回全日本学生選手権クリテリウム大会女子決勝(2.1km x 7周)
1位 石井愛(立命館大学)23'55"
2位 早坂ありさ(鹿屋体育大学)
3位 川又千裕(鹿屋体育大学)
4位 木村亜美(鹿屋体育大学)+1'22"
5位 松橋未来(立命館大学)+1'38"
6位 廣本茜梨(環太平洋大学)+2'26"

カテゴリー2High(2.1km x 12周)Ave.41.14km/h
1位 杉澤康之(ナカガワAS・K'デザイン)36'45"
2位 沼前光宏(クラブシルベスト)
3位 前川圭助(WHITE JACK)

カテゴリー2Low(2.1km x 12周)Ave.41.03km/h
1位 川本憲一(ヴェロチスタパールスギノ)36'51"
2位 北村博則(歩こう会18号車)+01"
3位 百地伸樹(EMBLEM JAPAN)

カテゴリー3High(2.1km x 8周)Ave.39.91km/h
1位 谷端秀貴(CSヤマダ)25'15"
2位 山口康雄(ターミネーターレーシング)+01"
3位 森俊夫(EURO-WORKS RACING)

カテゴリー3Low(2.1km x 8周)Ave.41.27km/h
1位 鈴木悠史(TOYO RT)24'25"
2位 森田大理(TSU RACING)
3位 松本孝 

登録女子の部(2.1km x 7周)Ave.36.84km/h
1位 中村真清 23'56"
2位 元砂七夕美(キナンMUUR)+1'21"
3位 上田順子(クラブシルベスト)+2'55"

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