2012年のジロ・デ・イタリアは歴史上初めて北欧をスタートする。コルサローザ(ジロの呼称)が95回大会のスタート地点に選んだのはデンマークのヘアニング。最初の3日間デンマークを走り、その後イタリア本土に舞台を移す。アメリカ・ワシントンDCをスタートする案は頓挫している。

「TAK(ありがとう)」デンマーク語で挨拶するアンジェロ・ゾメニャン氏「TAK(ありがとう)」デンマーク語で挨拶するアンジェロ・ゾメニャン氏 photo:RCS Sport他のグランツールと比べ、ジロの主催者RCS Sportはチャレンジングなコース作りに熱心だ。2012年のジロは北欧をスタート。イタリア国外で開幕するのは10回目となる。

過去には1965年サンマリノ、1966年モンテカルロ(モナコ)、1973年ヴェルヴィエ(ベルギー)、1974年バチカン市国、1996年アテネ(ギリシャ)、1998年ニース(フランス)、2002年フローニンゲン(オランダ)、2006年セラン(ベルギー)をスタート。昨年アムステルダム(オランダ)をスタートしたことは記憶に新しい。

アンジェロ・ゾメニャン氏とデンマークの関係者たちアンジェロ・ゾメニャン氏とデンマークの関係者たち photo:RCS Sport2012年の開幕地は、デンマークの首都コペンハーゲンから西に250km、ユトランド半島の中央に位置する人口45000のヘアニング。初日は個人タイムトライアルで、その後デンマーク国内でロードステージを2つこなす。4日目に選手たちは空路でイタリアへ移動する予定だ。

レースディレクターを務めるアンジェロ・ゾメニャン氏は「今回デンマーク側と正式に同意に至ったことに大きな喜びを感じている。コルサローザを含め、伝統的なステージレースが史上初めて北欧をスタートする。デンマークの運営委員会の熱意と、2010年のオランダで積んだ我々の経験を活かし、デンマークでの3ステージを成功に結びつけることができると信じている。ジロとデンマークのレース界の国際的なイメージ向上に繋がるだろう」と期待を込める。

2012年大会のスタート地点としては、アメリカのワシントンDCが候補地に挙がっていた。これまでゾメニャン氏は数回アメリカへと脚を運び、ワシントンDC市長と面会。しかし計画は難航し、2012年のワシントンスタートは見送られた。

また、2012年大会にはツール・ド・フランスでお馴染みのラルプ・デュエズが登場するとガゼッタ紙は報じている。イタリアが誇る伝説のサイクリスト「カンピオニッシモ」ファウスト・コッピ(イタリア)がツールのラルプ・デュエズを制したのが1952年。その60周年を記念してコースに組み込まれる予定だ。

2011年大会は5月7日、イタリア北西部のトリノをスタートする。

ジロ・デ・イタリア2012スケジュール
5月5日(土)第1ステージ ヘアニング〜ヘアニング(個人TT)
5月6日(日)第2ステージ ヘアニング〜未定(約200km)
5月7日(月)第3ステージ 未定〜ホーセンス(約200km)
5月8日(火)移動日→イタリアへ

text:Kei Tsuji
photo:RCS Sport