ツール・ド・フランス期間中のドーピング検査でクレンブテロール陽性が判明したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)に対し、出場停止処分を与えないことをスペイン自転車競技連盟が正式に発表した。コンタドールは2月15日にポルトガルで開幕するヴォルタ・アン・アルガルヴェに出場する予定だ。

アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:saxobanksungard.com「コンタドールに処分を与えない。」スペインメディアが1日早くリークした情報の通り、それがスペイン車連の出した答えだった。

先月26日の時点で、スペイン車連は1年間の出場停止処分を求めることをコンタドール側に通知。しかしコンタドール側からの異議申し立てを受け、スペイン車連の懲罰委員会は最終的に決定を覆した。UCI(国際自転車競技連合)により暫定的に出場停止中だったコンタドールは、即座にレース出場が可能となる。

サクソバンク・サンガードの公式サイトの中でコンタドールは以下のように語っている。「何よりもまず今回の決定にホッとしていて、喜びを感じている。これまでずっとストレスの溜まる日々が続いていたんだ。でも今回の事件に関する全ての調査において、一貫して説明が可能で、真実に基づいて話した。捜査当局にもチームにも、全く嘘はついていないし、禁止薬物なんか摂取していないと説明し続けた。」

コンタドールはすでにポルトガル入りしており、2月15日に開幕するヴォルタ・アン・アルガルヴェに出場する予定。ツール・ド・フランス以来、実に7ヶ月ぶりのレース出場だ。コンタドールは昨年大会の覇者であり、ディフェンディングチャンピオンとして復帰戦に挑む。

しかしコンタドールは完全に無罪放免となったわけではない。今回のスペイン車連の決定を不服とするUCIとWADA(世界アンチドーピング機構)がCAS(スポーツ仲裁裁判所)に異議を申し立てることは想像に容易い。

とにかくコンタドールはCASの判決が下されるまで、問題なくレース出場を続けることができる。昨年12月の時点でコンタドールは1年でグランツール全戦に出場すると意気込んでおり、シーズン前半の目標として、2008年に総合優勝したジロ・デ・イタリアに出場する可能性は高い。

text:Kei Tsuji
photo:saxobanksungard.com