スペイン大手のマルカ紙やエルパイス紙は2月14日、ドーピング疑惑が浮上しているアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)に対し、スペイン自転車競技連盟(RFEC)が出場停止処分を与えない方針であると伝えた。事実ならばコンタドールは即座レース復帰が可能になる。

2010年ツール・ド・フランスで3度目の総合優勝を飾ったアルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ)2010年ツール・ド・フランスで3度目の総合優勝を飾ったアルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ) photo:Makoto Ayano2010年ツール・ド・フランス期間中のドーピング検査で禁止薬物クレンブテロールの陽性反応が検出され、現在暫定的に出場停止処分中のコンタドール。アスタナからサクソバンク・サンガードに移籍したが、レースを長期離脱する状況が続いている。

先月26日、スペイン車連は1年間の出場停止処分を求めることをコンタドール側に通知。証拠不十分の場合は罪を問わないと定めるUCI(国際自転車競技連合)のドーピング規約に基づき、コンタドール側は故意にクレンブテロールを摂取していないとする証拠書類をスペイン車連に提出した。

アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Cor Vosそして今回、異議申し立てを受けたスペイン車連の懲罰委員会がコンタドールに処分を与えない方針であるとスペインの複数メディアが伝えた。情報源は懲罰委員会に近い人物とされており、早ければ2月15日に正式なアナウンスが行なわれる見通しだ。

事実ならばコンタドールは暫定出場停止処分が解かれ、即時レース復帰にGOサインが出る。3度目のツール総合優勝のタイトルもコンタドールが保持することになる。

しかしスペイン自転車競技連盟がコンタドールに無罪を言い渡したとしても、UCIとWADA(世界アンチドーピング機構)からの反論は必至だ。CAS(スポーツ仲裁裁判所)への再審理請求は確実と見られている。仮にスペイン車連の決定がCASによって覆されたとしても、コンタドール側は控訴が可能。コンタドール論争は依然として長期化の様相を呈している。

text:Kei Tsuji